表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/20

一、暗い底で何かに体を包まれて

暗い。体を得体のしれない何かが包んでいる。


水のようでもあるけれど、僕は息をしていられる。それが妙に気持ち悪くて、胃の中のものを吐き出してしまいそうだ。体を動かすと、「それ」も一緒にかすかに動く。まとわりついてくる。


地に足はついていない。

腕はなかなか動かせない。

頭がどっちかわからない。

息苦しいのかもしれない。

ものが良く考えられない。

動いているのかもわからない。


それよりも、「生きている」のかがわからない。


感覚が乏しい。

視界は薄暗く、深い緑にも、暗い青にも見える。

匂いはしない。


まるで何かの底のようだ。


浮いているのか、はたまた立っているのか。

目は開かれているのか、閉じているのか。

腕はついているのか。足は動くのか。


全ての感覚が薄くて、不安で仕方がない。

ちゃんと機能するのは心だけ。

いや、心も壊れているのかも。


どうせなら、ずっとまどろんでいたい。

この得体のしれない「何か」に包まれたまま。

いつかきっと、自分が「何」かわかるから。


口を開く。

声にならない叫びが口から洩れる。

耳は聞こえず、目も見えない。


それすらも、わからない。


僕はいつまでここにいるんだろう。

僕はいつまでここにいていいんだろう。


この暗いなにかの底に。

体を優しく包まれたまま。


多分夢で見たのをもとにしています。すごい動きにくかったけれど、不思議と心は軽く、息をすることもできた、みたいな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ