依頼7件目 「夜の刻」
大変遅れて申し訳ございません。
(毎回同じ事しかいってないな俺。)
久しぶりの執筆なのでお見苦しい箇所があるかと思いますがよろしくお願いします。
やっぱり小説書くのは楽しいですね。
一回始めるとできるまでやっちゃいます。
もう受験間近ですが投稿の方も頑張って行きたいと思います。
え?勉強しろって?
知らねぇよ、するか、んなもん。
それでは依頼7件目。
いってらっしゃい。
「あー…くっそ寒いな…。」
身震いしながら着替えを済ませる零狐。
一月の中旬、外は雪が積もって日に照らされて輝く様になっていた。
「おはよう零狐。…寒いわね。」
「あぁ。朝、布団から出るのが辛い。」
気温はかなり低くなっている。
そんな中、零狐は霊夢と共に紅魔館へと向かう用事があった。
「ねぇ、今回の依頼聞かされてないんだけど?教えてよ。」
零狐は「忘れてた、すまん。」と言って依頼について話し始めた。
「今回の依頼は、小悪魔の原因不明の状態についてだ。」
霊夢は首をかしげた。
「まず、一昨日の話だが。」
「地底連中の依頼の丁度、一週間後。確か私と魔理沙はその時いなかったわね。」
零狐は頷き歩を進めながら話を続けた。
「あぁ。元々来る日時決めてないしな。来たい時に来て、来て欲しい時に呼ぶくらいだな。」
「それで?一昨日どうしたの?」
「実は咲夜がパチュリーの使いで依頼をしに来たんだ。その依頼内容が小悪魔が何らかの理由で意識不明で倒れている原因追求だ。」
何かを思い出したかの様に零狐は付け加えた
「今回は妖夢が助人だ。庭での仕事が終わったらしいからな。」
ー紅魔館入口ー
「いや、よくこの寒空で寝れるわね。」
「美鈴は平気なんじゃないか?ま、許可貰ってるわけだし勝手に入っちゃえばいいか、よっ…と。」
門を乗り越えて敷地内に着地する。
「妖夢は先に来てるかしら?」
「あいつは時間にルーズではないから来てるだろ流石に。」
そんな会話を交わしながら紅魔館内部へと入っていく。
「あぁ丁度今、妖夢を通した所よ。パチュリー様は図書館で調べ物をしてるから。」
咲夜が行くように促し零狐は礼を言って図書館に歩いて行った。
「意識不明になっている者達は皆、一日、二日くらい姿が突然見えなくなるの。探しても居なくなってしまう。それで見つかるときは意識不明になっているわ。」
足音をそれ程たてていないはずなのに響く。
「なぁレミリアとフランはどうした。」
「お嬢様達は自ら色々な場所に行って調べてくれているわ。…散歩がてらとは言っていたけど本当は心配しているのでしょう。」
零狐は納得した様に頷いたがそれは紅魔館とは思えない程に静か過ぎていた。
不審に思った零狐は尋ねた。
「なぁ、いつもの妖精メイド達はどうした?こんなに静かになるなんて…。」
「妖精メイド達も謎の意識不明よ。それも全員図書館内で倒れているのを発見されたから何か本の魔術や呪術による物じゃないかって私は考えてるわ。」
会話をしている内に三人は図書館の入口前に到着した。
扉を開けるとかなりの乱雑様だった。
至る所に本が積み重なり、開いたままの本が床にばら撒かれていた。
「あぁ、来てくれたの。妖夢はあっちで色々探して貰ってるわ。取り敢えず原因をこの中から頑張って探してくれる?」
パチュリーは手を広げて図書館全体を指すように指示した。
「りょーかい。この中からかぁ…面倒くさいわね…。」
霊夢は早速、乱雑した本の中から探し始めた。
約1時間後…。
零狐は「埒があかない」と考え、妖夢に調べた範囲と分かった事を聞こうと妖夢の元へ歩いて行った。
「おーい妖夢…あれ?居ないなぁ。」
その時、零狐は何故か下に落ちている本が気になった。
黒い表紙に「Execution」と書かれた本。
不思議と何故かそれを手にする様に誘われている感覚がした。
零狐がその本を手に取ろうとした時だった。
扉が勢いよく開かれた。
咲夜が扉を思い切り開けて息を切らしてる姿がそこにあった。
「小悪魔が…小悪魔が目を、覚ましました!パチュリー様を…呼んでいます。」
「本当に!?分かった、直ぐに行くわ。」
パチュリーは立ち上がり咲夜の元へ早足で行った。零狐はついて行き霊夢は調べ物を続ける事にした。
看病している個室には虚ろな目をした小悪魔がベッドから身体を起こしていた。
「小悪魔…。一体どうしたの…?」
パチュリーの顔には不安の色が見えた。
永琳は丁度様子を見に来ていた。
「何かの呪いかもしれないわね。でも永久にこの状態の可能性もある。何にせよ衰弱していくのだからこのままじゃ…死んでしまうわ。何か方法があればいいのだけれど。」
問いかけに対して答えずにずっと何かを呟く様子を見せる小悪魔。
「ねぇ…小悪魔?何があったの、ねぇ…。」
冷静さを欠いた様に問い続けるパチュリー。
咲夜はパチュリーを止めるも変わらない。
その時だった。
零狐はパチュリーの方まで歩いていった。
その時の零狐の顔は悲しそうにも見えた。
「おい。咲夜、パチュリーを抑えてろ。」
咲夜は零狐が何をするか分からなかったが、この状況をどうにかしてくれる事は理解した。
しかし次に零狐が取った行動。
刀を抜いて小悪魔の首に押し当てた。
「ちょっと…!?何をするつもり!?」
咲夜はうなだれるパチュリーを抑えるのを止めて零狐に掴みかかった。
(落ち着け。これはパチュリーを正気に戻す為にやっているんだ。小悪魔に害は与えない。今は俺を信じろ。)
咲夜はそう耳打ちされたが退かなかった。
(目の前でそんな事されたら信じるなんて無理ね。刀を収めて。)
零狐は溜息をついてまた耳打ちした。
それは懇願の意だった。
(今だけでいい、信じてくれ。)
その様子を見て咲夜は仕方なく退いた。
永琳は元から考えを見抜いた様で何も口出しせずに黙って見ていた。
「パチュリー、しっかりと見ていろ。今からこいつの首を切る。」
パチュリーはそれを聞いて零狐を睨みつけ、次の瞬間、魔法を零狐に命中させて部屋の外まで吹っ飛ばした。
「させない…そんな事させる訳ないでしょ。私の使い魔を殺すなんてよく言えたわね。燃やしつくしてやるから動かないで。」
紅魔館の外にてパチュリーはそう威圧をかけて戦闘体制になった。
零狐はパチュリーにも聞こえる様に話した。
「何故向かってくる?」
「貴女が私の大事な使い魔を殺そうとしたからでしょ。何を言っているの?」
「そうか」とつぶやき言葉を続ける。
「なら小悪魔はまだ殺されてない。生きる可能性があるって事だ。」
パチュリーは睨みつけながらも疑問を浮かべた。言葉を続ける零狐。
「まだ生きてるのに、いつもの小悪魔に戻す可能性があるのに…。お前が正気でなくてどうするんだ?」
パチュリーは何かに気付かされ、小悪魔の方を振り向く。
刀をしまいパチュリーに言い放つ。
「まだ助けられる。生きる可能性がある。小悪魔を殺そうとした俺に向かってくるのはそうお前が思ってるからだ。」
パチュリーは零狐に微笑んで言った。
「ありがとう零狐。そうね…!まだ助けられるわ。」
「全く…俺を吹っ飛ばしやがって。早く原因を探すぞ。」
その頃。
「ん…。あれ、此処は?学校…?」
妖夢は学校の内部と思わしき場所に倒れていた。何か建物の様で掃除はしていないのだろう。周りは埃がこびりついていた。
外は既に暗い夜の闇に包まれていた。
「紅魔館の図書館に私はいたはず…。って、きゃっ…!」
何かに足を引っ掛け倒れ込む妖夢。
足を引っ掛けたモノ。
「あー…痛たた。…ん?」
それは。
「ひっ…。」
腕の千切れた妖精メイドの身体だった。
「な、なんでこんな所に死体が…。」
既に絶命しているようで、想像を絶する痛みの中で死んでいったのだろう。
顔は痛みで歪み、苦痛の表情をして舌が垂れて出てしまっていた。
しかし。
相手は半人半霊。
「そういえば私も半分幽霊だった…。此処では地霊の猫さんは死体を持ってかないのかな。」
そんな事を呟いている内に何かが近付いて来る音が響いた。
巨体な何かが金属を引き摺る音と共に足音が妖夢の元へと近付いていく。
妖夢は背後に何者かの気配を感じた。
振り向いた時、巨大な斧が振り下ろされていた。咄嗟に横に避ける妖夢。
「ぐ…がぁ……。」
言葉とも鳴き声ともつかない呻き声を発する斧を持った男。
体調2mはある体は筋肉が隆々としていて下半身にボロボロの布がベルトで締め付けられたように伸びていた。
黒布のズボンも履いており裸足の上裸だった。頭にも黒いぼろ布でできた覆面を被っていた。
よく見ると黒いのは染料などでは無く恐らく血でこびりついたものだろう。
血が染み付く様な臭いが漂う。
「くっ…!」
妖夢は走り出して廊下を駆けて行った。
(逃げなきゃ…殺される!半人半霊どころか唯の幽霊になっちゃう…!)
月が上がりたてで夜は長い事を表していた。
続く。
如何でしたでしょうか。
今回はまた紅魔館を出しましたが以外に隠れて可愛いキャラの小悪魔さんを要にしてみました。
小悪魔ファンの方は小悪魔を酷い目に合わせてすいません。謝ります。ごめんなさい。
あと途中の英語題名の本。
あれはですね。
処刑人という意味です。
はてさて妖夢は何処にいるのだろうか。
依頼8件目。投稿され次第、読んで頂ければ幸いです。また次の前、後書きで会いましょう。