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第二話 最強と最敬―『 』術式

第二話 最強と最敬―『 』術式

次の日、今度は完全に逃げられなかった

帰ろうとドアを開けると廊下には既に腕章を付けた集団が道を阻んでいた

先頭には須郷先輩がおり、後ろには他の風紀委員が8人はいる

そしてMMDを構えて何故か攻撃態勢の状況が作られている

「迎えに来たよ、風紀委員新メンバー」

「この場合逃亡した時はどうなるんですか?」

「風紀委員全員で鬼ごっこ状態だ、面白いだろ」

「それは新種の遊びで楽しそうですね、いじめと付きますが」

ファーストの人にいじめられそうになっている俺の状況をみて『これがセカンドか』と落ち込む人がいる

この状況はかなりまずい事だ

「君は一対一なら無敵だが一対多には向いてないと踏んでいるからな、全員のお迎えだ」

「別に複数系統の術式もありますよ、だけど―――」

「それは凱斗の禁止事項に入るからあまり使わないんだよね」

あぁ~、最大の味方だと思っていた幼馴染がそっち側か・・・

今の状況だと完全に敵に回したら不利だ、"今の状況"ならな・・・

半歩後ろに下がると持っていたバックを投げ捨てて反対側に走り込む

まさか本当に逃げるとは思っていなかった為に反応に遅れた様だ

廊下には他の生徒もいたが俺の瞬発力なら問題なく、人の間をすり抜ける

走っていると男二人が先回りして行く手を阻んだ

「甘いですよ!!」

左右の人の肩を借りて前宙、着地すると追って来ない様に加速術式を破壊しておく

因みに俺は加速術式を使っていないで使っている奴らを鬼ごっこをしている

ただ単に身体能力だけでファーストとやり合っている

逃げきれると確信して安堵した瞬間、魔力の流れを掴み取り回避行動をとる

刹那的瞬間に衝撃波が俺の居た場所を通過する

「光咲、本当にこいつを風紀委員に入れていいのか?風紀を乱している奴にしか見えないのだが」

「実力は即戦力で保証できる、それに隠し玉をバラしたくないから群れを作さない為に逃げているらしい」

今の衝撃波はまともに食らっていたらかなり危険なランクだ

廊下の角から少し見ると正体が分かった

委員会連盟のリーダー、松下東十郎

関東と関西に本家がある有名な家柄で十郎は、当主か次期当主に付けられる名前だ

「鬼ごっこなら逃げ切ったら勝ちですからね」

「それならこっちも本気で行かせてもらうぞ」

「注意するが、念の為に怪我をしない内に降参する事を進めるぞ!!」

衝撃波が俺の居た場所を襲うとごっそりコンクリートの柱が崩れた

それから隙も見せずに須郷先輩が次の術式を完成させて打ち込んでいく

「ちっ、やるしかないか」

ホルスターからMMDを取り出すと撃ち込んでいく

しかし工程時間が極端に短く、撃ち込んでも遅く攻撃が迫ってくる

須郷先輩の攻撃に目が行った瞬間に肩へ被弾して弾き飛ばされる

衝撃波の中に相手を弾く術式も織り込まれているのか・・・

肩は見なくても分かる、正直これ以上の戦闘は不可能だ

「これで終わりの様だな」

最後の一発、動くことが出来ずかわさなかった

バァンと廊下中に音が鳴り響き、ひらりと地面に落っこちた

制服のブレザーがな!

人の瞬発力は、目が見てから脳が判断して反応する

そんなコンマ数秒の隙ができれば、その間に撃ち込める

俺が放った一発は確かに命中した

しかし士燮先輩の様な反動は見えなかった、それだけ鍛えているだけはあるという事だな

「・・・確かに即戦力になれるだけの力は持っている様だな」

「風紀委員長としては彼の力が欲しい、雪風も生徒会メンバーとして入れたがっているほどだ」

「なら、言う事を聞くだけの忠誠心を鍛えないとな」

「まだ本気を出していないのに勝った時の話ですか・・・」

『なら、私との戦いならどうかな?』

先輩二人の間を通り抜けてある人物が俺の所まで接近する

その間に俺に何かを投げつけてから術式を展開する

「・・・・・ちっ!」

「どうしたのかな?撃てば攻撃は防げるよ」

結局撃てずに七泉にMMDを奪われて抱きしめられる

あっさり捕まった事に何もいうセリフが思いつかないようだ

「君、幼馴染に弱いね」

「本当に何もしてなければ躊躇なく撃てましたよ」

七泉が術式を展開する前に投げたものは七泉のMMDだ

俺があのまま撃っていたら彼女はまた眠りに付くだろう、その場合誰が面倒を見るかといえば俺しかいない

七泉が登場した時点で俺には負けしか残っていうなかった

「いてててっ、肩やられているんだから」

「凱斗は逃亡するからね、こうでもしないと」

手は縄で縛られて、頭にはブレザーをかけられて廊下を歩かされている

「犯罪者だな」

「そのままズバリですよ」

俺の風紀委員入りは俺の負けにより決定となった

生徒会室に運ばれるといい加減うざいので縄を焼き切る

「一応それにも拘束術式が掛かっているんだけど」

「トリックは分かるだろ?」

「委員連としてもセカンドだが風紀委員への入部を認めるしかない様だ」

「だから俺は、やりませんって」

「どうしてだ?訳を聞こうじゃないか」

「セカンドになった理由があるんですよ、三つね」

「君は少し黙ろうか」

「まぁ私は深入りはしないつもりだ、君がちゃんと働きをしてくれたらね」

「そうですか、なら前向きに考えておきます」

肩の傷を治してもらいつつ、本題に入っていく

「祠堂、お前が使っている術式破壊だがレボレーションに正式登録してみないか」

レボレーションとは術式の管理と調査を行っている機関で新種の術式の特許を認定している所でもある

新種の術式が発表されると全世界に一斉にその情報が流れる

「正式登録です――いてててっ!!」

「もう少しで治ると思うから我慢して、と言うか術式解除しているの?」

「ギリギリ『自己再生術式』の規定内で留まったからな、発動してない」

「じゃあ私が治すしかないね」

「『術式破壊』は七泉も言ってますがスペルナンバーが長くて扱いにくい物ですよ」

「それは十分承知の事よ、だけど凱斗くんだけの術式にしておくのは勿体無いというのが本音ね」

「祠堂、お前が言いたい事も分かる。恐らくそれがお前があまり術式を使いたがらない理由だろう」

「流石名家の育ちですね」

俺は術式破壊を一般的に知らされた場合の歪みを心配している

術式を破壊できるとなれば一歩的な攻撃も可能となってしまう

セカンドの様な力の弱い奴等がもっと差別的になる可能性を孕ませている

同じ待遇になってみないと見えないものも沢山ある

術式破壊は革命的だが革命を起こすには足枷にしかならない

「そういえば君が使う術式は全て自分専用術式しかないと聞きましたね」

「術式破壊に自己再生術式、今の所分かっている二つ共登録外のオリジナル術式よね」

「そうか、ならこいつ自体をレボレーションに送るか」

「「「「えっ!?」」」」

手を鳴らしゆっくりと立ち上がる

その顔は本気を書いてあるかの様だった

「何、勿論冗談だ。それともう一つMMDを見せろ」

「MMDほど見せてはいけない物ですよ」

だけどまぁ粘るのも逆に怒らせそうなので渋々取り出す

個人MMDには術式データが入っていることは知っているが逆にそれを的に解読されてしまうと使用者の癖が分かってしま

う危険性がある

それに俺のは未知の術式が入っているからあまり見せたくはない

「君は確かエンジニア志望だったな、だけど自分でMMDが作れるのなら企業に行けばいいものを」

「いきなり個人が行って『雇います』とはならないでしょう、少なくてもここを卒業しないとスタートラインには立てませんよ」

「それも確かにそうね」

「少し中身を見させてもらうぞ」

「なら何を見るの?構造?それとも―――」

何も言わないで接続部分にコードを差し込んでパソコンで読み取る

「えっ?何ですかこのメモリーの処理速度、現行の物とは比べ物にならない位速いですよ」

「この位の処理速度がないと術式が間に合わないんですよ」

「どの位早いかというと、流れ星が落ちる位の速さで8個・・・いや10個の上級術式の同時展開は出来ますよ」

「それを使いこなしているのか、君本当に何者だよ」

「術式が術式ですからね」

ある程度の事を調べ終わったのか、コードを外して返してもらった

少し考える表情をしたがすぐに表情を戻した

「じゃあ風紀委員の手続きはしておくからいつでも気が向いたら俺の所に来い」

「まだ入るとは言っていないんですが」

「私も待っているぞ、入らなくても七校豪戦の護衛のメンバーとして入れてしまっているけどな」

「なんと強引な・・・」

『七校豪戦』とは文字通り7つの高校で争われる術式の大会の様な物だ

基本的に外部の人が見る事が出来ない生徒の情報を一般公開する唯一の期間である

8日間にも及ぶ競い合いで前大会では12万人もの人が会場に集まった程だ

一年生は始めの授業で、二年生は技術披露の格好の場となっている

三年生に至ってはこの大会で就職先が決まると言っても過言ではない

チャイムが成り、窓の外は薄暗くなっている

「じゃあそろそろ帰りましょうか」

「俺はまだやる事がある、あと雪風話がある」

「いいわよ、じゃあみんな明日ね」

東十郎先輩と会長は奥の部屋に行ってしまった

「これを見ろ」

そう言ってディスプレイに表示されたのは、さっき解析していた凱斗のMMDの情報だ

「これがどうかしたの?」

「不自然な点が色々とあってな、雪風の意見を聞きたい」

「MMD関係ならあんちゃんの方が詳しいのだけど」

「まずはここを見ろ、あいつはバススロットが15と言っていたな」

しかし術式を使うのに15以上必要としている

規定外の術式を普通に使用できているのと同じである

「それもこのMMDは展開だけで魔力的な補助は入ってない」

それが処理速度の速さに繋がっているが今はそこを重点にしている所ではない

本当に容量が15しかないのなら術式破壊すら展開する事は不可能だ

「どういう事?補助は無しで容量以上使う方法なんて・・・」

「一つだけある『恩恵術式』という物がな」

「確か龍脈を利用して自身の魔力と繋ぎ合わせるっていう、まぁ凱斗くんなら出来そうな話ね」

難しい術式だがこの方法ならセカンドでも上級術式を使うことができる

「・・・でもその表情だと違ったんでしょ」

「あぁその術式は龍脈の上で無くては発動しない、もちろん調べたがそんなものはない」

「また新しい術式かしらね」

「そうだとは簡単な話で済むが俺の感ではあいつの存在は、この先の魔術法界で重要な人材になるだろうな」

「ならやっぱり生徒会に入れるべきよね、東十郎くんもそう思うよね?」

「俺はあまりそういうのを決めるのには向いていない、雪風がそうしたいのならすればいいさ」

「ならそうさせてもらうわ」

「本人の意思も尊重するんだな」

『なら謹んで遠慮させていただきます』

心配だったから残ってみたら予想通りだった

少なくとも東十郎先輩は気付いていた様だ

「凱斗くん!?残っていたの?」

「俺の事で悩みそうだったの物ですから、因みに新しい術式という線はYesでもありNoでもあります」

「つまり半分は合っているという事で捉えていいんだな」

ゆっくり話を聞きたいと言ってコーヒーを入れてくれた

「本来なら昨日の話の時に話していた内容ですが、何から聞きたいですか?」

「まずは15という検査結果は本当か?」

「それは確かな物よ、ちゃんとした機械での計測結果だから間違いはない」

「雪風、今は祠堂に聞いているんだ」

猛禽の様な鋭い眼差し、誤魔化せる状況じゃないことは端から知っている

「15という数値は本物です、だけど"ただ15"という訳ではないです」

「恩恵術式か?」

「いいえ?測定結果には間違いはないです、ただし違う取り方をしていてください」

顎に手を当てて考え出す、そしてある結論へと導き出された

「まさか・・・」

「そう、体重計や速度計と同じですよ。0キロと100キロはメモリは同じ、つまり俺のバススロットは15であり15で

はない様になっている」

「115となると、普通の人よりも2倍の魔力貯蔵量があるという事だ」

「これが最初の質問の答えです」

「何故申請しなかったんですか!申請していれば君は」

「先程も言いましたけど弱い所を知らないと完全に知っているという訳じゃなくなりますから、それに俺はセカンドでも気に入ってますよ」

「二つ目の質問だ、お前は自身のと長瀬の使うMMDをどこで作っている」

「『IKUSA・コーポレーション』です」

「最近功績を上げ始めているというあの研究所か」

「あそこには俺の『 』術式のプログラムも保存されています」

「じゃあ私からも質問していい?何で君は遠距離型の術式破壊しか使わないの?」

「核心的な所を突きましたね、近距離型の術式も確かにあります。だけどそれは使わない、いや、使えないと言っておきましょうか」

「完成していないという事か?」

「いいえ、それは時期に分かりますよ。新しい術式もその中に組み込まれています」

隠し事が多かった俺の言葉だったが会長は何故か深く納得した・・・まさかな

「・・・そうか、ならもう俺からの質問はない。雪風はどうだ?」

「なーちゃんと付き合っているの?同じ家に住んでいるって聞いたんだけど?」

「今の流れてそこを聞きますか・・・付き合ってませんよ」

「なら私にもチャンスがあると受け取ってもいいのよね」

「ご冗談を」

冗談とも受け取られないで失笑される

「後この事は内密に、俺も正体がバレるのは嫌なものですから」

「戦えば戦うほど、バススロットのトリックに気が付く人も現れないとは言い切れない。それが風紀委員になる事の足枷となっている原因か。原因が原因だな」

「分かってくれましたか」

「だが、この事は須郷にも報告しなくてはいけない事と判断した」

「やめてください」

「いい加減甘んじるのはやめるんだな」

どうやら、もう逃げる事や誤魔化すことは出来ないみたいだ

東京の夜、決して消えることのない電気で構成された夜景がそこにはある

しかし今日の夜景には黒い物が混ざっていた

「こいつ術式使い!!」

「至急応援を頼む!敵は一人だ、だが相手は術式を使ってくる!!」

男達の忠告や言っている事に耳を傾けないでただ廊下を一定の速さで歩いている

拳銃を構えて撃ち込まれるが使用者に届くことはない

深くローブを被っていてデフォルメされたネコの仮面をつけている

袖は腕よりも長く、ダルンダルンにたれている

そしてその場にいる誰もが感じ取れるだけの殺気を出していた

しかしその歩行を邪魔する様に二人の男が目の前に立ち塞がった

「こいつが噂の『黒炎』って奴か、倒したとなれば俺等の地位も鰻登りだ」

「腕も出していないし、術式を展開しても発動まで時間がかかるぞ」

「どうした?服のサイズ間違えちゃったか?」

愉快そうに笑っているが全く動揺していない、そもそも表情が読み取れない

「そういう訳だから大人しく死ね!!」

重力系術式、抵抗もしないで地面に叩きつけられる

そして同時に拘束されているでもう一人が放った雷撃も直接喰らう

「アハハハハッ、なんだよ噂よりも弱いじゃねぇか」

「違いますよ、俺等が強いんですよ」

ゆっくり立ちがあると器用に誇りを叩き落とした

「まだやる気なのか、耐久性はあるんだな」

「何なら本当に倒しちゃいましょうよ」

そういってもう一度術式を展開すると移動式術式を使ったのか目の前までやってくる

顔に触れるとそこから黒い炎を展開して全身を包み込んだ

炎が完全に消えると力を失ったかの様に倒れこむ

「き、貴様!!」

手を掴み取られると黒炎が吹き出した

何とか手袋を犠牲にして走り出す

「まったく、何なんだよあいつは」

廊下の曲がり角、そこを曲がれば出口だ

外に逃げればいくらでも手があった、そんな期待をしながら角を曲がる

―――そこには後ろに居た筈の黒炎がいた

「お前どうして、さっきまで―――」

そもそも喋らないのだから答えるわけがない

同じように相手を燃やすとビルの至る所を燃やし始める

そしてその炎は、ビルを完全に焼ききるまで消えなかった

「随分と派手にやったな」

「バザードか、証拠は十分取ったしもうあれは必要ないだろう?」

仮面を少しずらしてそんな言葉をかける、周りが暗いので顔は分からない

こいつの役目は術式を悪いことに使っている奴等の取り締まり

最近出来た部隊で全員が術式使いで構成されている

「それにしても黒っちの術式はなんか特殊だな」

「上位三人はお前らとは違って自作構造だからな、ジャミングも効かない」

「おっと、これは失礼しましたリーダー」

「俺はリーダーじゃない、リーダーになる気もない。俺は2番目に甘んじているだけだ」

だが少なくともエリートで構成された部隊で一番の強さを誇っている

部隊は7名で構成されていてローテーションで不審な使用者の調査と逮捕を権利として持っている

「そんな事言っていると本当のリーダーに殺されるぞ」

「その場合は黒っちが守ってくれると信じているから」

「甘えるのはやめろ、自分の身は自分で守れ」

「こりゃ厳しいお言葉だ、普通暖かい言葉とかかけるだろ」

「バザード、お前は努力家で確かに強いな。だけど俺等の中じゃあ一番弱い」

「暖かすぎるな、目から汗が出る位暖かいぜ」

耳に付けていた通信機の電源が自動的に入って通信をキャッチする

『標的はどうだ?』

「殲滅しました、ビルも罠が設置されているかもしれなかったので全て燃やしておきました。今から帰投します」

『あまり無理はするなよ、昨晩もMMD調整をさせたから少しは休むことを覚えた方がいいと思う』

「俺等よりもよく働いてくれるんだからたまには俺等に任せて黒っちは次のミッションは休みなよ」

『じゃあその分バザードは二倍期待しているぞ』

「お優しい命令で心に響くぜ・・・」

家に帰ると言われた通り疲労が溜まっていたのかぐっすり眠りについた

『昨晩、術式使いによって引き起こされた火事は被害なく鎮火されたとの事です。ですが、全くビルは燃えていなか――』

そんなニュースが流れているが全く気にすることはなかった

それよりも重大なことが起こっていたのだから

「何でMMDを壊すんだよ!!お前自分でこれの重要さが分かってないのか!!」

「わ、分かっていたけど・・・もう壊れちゃったんだから仕方ないでしょ!!」

目覚まし時計の上に置いといて寝ぼけた拍子に時計ごと破壊した

そして同時に寝ぼけてMMD無しで術式を展開したことも証明されている

「はぁ~、まぁ言い合っても結果は変わらないからな。今日そっちは実技の時間ある?」

「ないから問題ないよ」

「そういう問題じゃねぇよ・・・こりゃ『IKUSA』行きかもな」

「IKUSAか、久しぶりだね」

「放課後に行かなくちゃいけなくなるから休みの連絡はしておかないと」

欠席の連絡をしたが正確に説明を求められて行き先と時間を明記する

その後、生徒会メンバーと東十郎先輩が待ち伏せしていたことは言うまでもない

「何でいるんですか?そもそも生徒会の仕事はどうしたんですか?」

「いやね、社会科見学とちょうど重なっただけの話よ」

「そうですか、じゃあ俺等も役員なので一緒に回ります」

「そうなると凱斗くんのエンジニア姿が見れないわね」

「特に祠堂のMMDが作られた場所がここという面が気になってな」

「最近出来たばかりの研究所で年々MMD関連の成績を伸ばしている面から、その技術を学びたくて」

「私はあの処理速度を可能としているソフトを見てみたくて」

「私は護衛の為にな、君が居るのなら向かう所敵なし状態だな」

「そうですか」

「もう諦めなさい、どうせもう全員ただのセカンドの学生だとは見ていないのだから」

「そうですか・・・なら本性を見せますか」

ネクタイを外して前のボタンを少し開ける

そして大きく腕を広げて、叫ぶように言った

「ようこそ、MMD最高技術研究所・IKUSAコーポレーションへ」

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