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inミヤ

in ミヤでっせー。



 只今、ミヤにいます。ミヤの港。ここまで来るには船を使う。それの間、父上と二人だった。

 

さて問題だ。その間二人で何をしていたか。一、楽しくおしゃべり。二、ミヤの国の知識を与えられる。三、説教。

 

答えは四。ひたすら無言だ!


 もう、メッチャ辛かった。本当につらかった。なんで無言なの?母さんのノロケでもいいからしゃべってよ!説教でもいいからしゃべってよ!

 

 実際は、カルマはイゼアが船酔いしないようにの気づかいだった。それがイゼア伝わることはないだろう。



 港町から進んで街中にやってきました。露店が数多くあるが、布などを屋根にせず、しっかり建物の中で商売しているところを見ると、営業税や地税などしっかり決まっていて、治安も程々によいのだろう。しかし、スリが多そうだな。

 ミヤの人々は着物やチャイナ服、古代中国の進士服など、とりあえずアジア系を一つにぶち込んだようなところである。神殿があると思えば神社があり。かんざし刺していると思えば、きれいに結い上げていたり。…なんか好きかも。


 いまは父上の服の裾をつかんで、転ばないよう、はぐれないようにしている。これを言いだしたのは俺。「……抱き上げるか?」と街の様子を見て零した父上の一言に、首をぶんぶんとふって断った。

 

 別に嫌なわけではない。断じて。抱き上げられたら緊張して街をゆっくり見れやしねぇし。

 父上ってイケメン。それは生まれたときから思っていたけど。歩いていく人がみんな振り返ってるよ。老若男女問わず!男も振り返らせる父上怖い。男ども、なんか抱いてくれ!って顔してる。偏見ないけど、父上をそんな風に見ないでください。お願い。マジお願い。


 中には父上に声をかけようとする人もいるけど、まず俺を見て引き返す人。すれでもアタックする人は、男だと父上に睨まれ…いや、「あ゛ぁ?」と振り返る父上に恐れをなして逃げる。女性だと「あ゛ぁ?」じゃなくて無言で流し目で振り返る。女性はこれで赤面して、おどおどしながら話しかけ、数秒で走り去っていく。走り方が乙女だ。


 あとで聞いたところ、男と女は気配や歩き方、こぼれる龍巫など結構違いがあるから見分けられるらしい。のちに俺はこれをたたきこまれることになる。


「ち、ちうえ…、どこに向かっているのですか?」

 緊張して噛んだ。恥ずかしいの前に怖くて情けない。

「…とりあえず宿を取る。武器は一日ではできないからな」

 だからここを抜けて住宅街のほうに行くらしい。

「………たか?」

「へ?」

「…だから、人に酔ったか?あ、いや…気分は悪くないか」


 聞き取れなくて聞き返すと。眉間のしわが深くなる。泣きたい。再度尋ねられ、思わず言葉に詰まる。というか呼吸が止まってた。思わず息を吐く。

 それをどうとらえたのか、突如俺を抱き上げすたすたと歩きだす。


「…え?あ、あの、だいじょうぶです?」

「……気にするな」

 いや、気にします。

 …親子の会話ってこんなに敬語を使うものだっけ。今さらだけど。親子の会話ってこんなに緊張するものだっけ。今さらだけど。

 抱き上げられてからは、俺のペースに合わせてくれていた脚は一気に加速しあっという間に人混みを抜けた。

 宿につき、部屋に案内され、床に下ろされるまで俺は多分、凍結していたと思う。





塵も積もれば山となる。

短くても最新頻度を上げようと思う。

別に短いいいわけではない。区切りがいいのです。多分。

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