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ユキハの見解

8月更新!なんとか…


 ファミリー団欒の食事が終わり、そのまま談話室に行く。談話室では、部下たちを中心にして酒を飲んでいたり、メイドも少数だがいる。セクハラをしようとする男たちに、容赦なくブチのめす女たち。

 …バーデ家の女性って怖い。

 そこで、俺たちも旅行中の話をしあった。


「そうそう、カルマ。イゼアなんだけど」

「なんだ?」

 面倒ごとを起こしたのか?あぁん?みたいなオーラ出さないでほしい。

「龍巫が全く無いんだって。ジャン曰く」

「…少しはあるだろう?」

「わからん」

 開き直ったが、俺には死亡フラグを回避するための龍巫が全く無い。生きる採点ゲンはあると思うが。…父上、嫌な間を開けながらこっちを見ないで!

「う~~ん、それはちょっとおかしいなぁ?」

 冷や汗だらだらの俺の耳に入った、母さんの一言。

「!?おかあしゃん!おかしーってなにが?」

 もしやと思い、はやる気持ちを抑えきれずに、父上がいるにも関わらず、母さんに抱き着くように、しがみつく。あとから思えば自殺行為である。

「ん?イゼアには龍巫がたくさんあると思ったから、おかしいなーって」

 のほほんとした雰囲気で、俺に希望を与える母さん。母さんに文句を言いたいなんて思ってごめんね!

「別に龍巫が必ず、あんたらみたいに大量にあるなんてことないだろ?何がおかしいんだ?まぁ、ボスとユキハの子供なのに~とは思うが…」

 ドニさん、わざわざボスとユキハの子供と、強調しないで。

「そうだけど…イゼアがお腹にいるときね、私、体調がいつもよりよかったのよ。つわりとは全く無縁だったの」

「?偶々じゃなくて?…カルマとの子供だーってはしゃいでいたわけでもなくて?」

「うん。あ、いや、はしゃいでいたけど。そうじゃなくて、イゼアを産んでから体が重くなったというか…」

 腹の重みがなんくなったのに、体が重く感じるのは確かに変だが、それとこれがどうつながるかがよくわからん。俺の頭はいま?が三つ浮かんでいる。

「龍巫は本来物質を変化させれる力でしょう?イゼアの龍巫が、私にも影響したんじゃないかなって思ったの」

「でも、それじゃあおかしいわ。龍巫は本来他人のものに反発し合うもの」

 この世界の妊娠は、母親と子供の龍巫の反発によって、母親が体調不良を起こし、医者に行き、わかるらしい。

 たしかに前世でも龍巫じゃないが、母胎に異物があるから体調不良を起こす…みたいなことを聞いた気がする。

 くっそ、結月との結婚はまだ先だと思って、勉強をおろそかにした付けが回ってきたか。


 やはり曖昧だが、龍巫はエネルギーの塊、つまりファンタジーにありきたりな魔力みたいなものか。母さんの体調や出産後の話を聞く限り、その可能性はある!

 一気にハイテンションになった俺は、父上の一言で現実に戻される。

「でも、龍巫はこれっぽちも反発しなかったんだろう?」

 少しはなきゃ生きていられんが…と不可解だと言わんばかりに顔をしかめる父上。

 俺如きに頭を悩ませてしまってスイマセン。

「あぁ。…あ、でもイゼアの中はすげえきれいに感じたぜ」

「きれいに?」

「透き通っていると言うか…そんな感じ」

 ほかの奴は障害物にぶつかる感じがするけど、イゼアはぶつかるとかの前にきれいなんだよなぁとぼやくジャンさん。

 龍巫を感覚で使うから、曖昧になるのなら、だれかもっと龍巫について研究すればいいのに!人間の知的欲求とかないの?

 昔の人に知的欲求のせいで、めちゃくちゃ勉強する羽目になった学生時代を思い出す。

「イゼア、ちょっといい?」

「うん、いいよ!」

 ジャンさんの間違いを期待し、俺と十月十日の共同生活の体験者の母さんを期待して、もう一度確認。

 相変わらず、へんてこな感じが俺の中を巡りまわる。が、すぐにわからなくなる。

「…私の龍巫がよくわからなくなった」

「…」

 うーんと唸る母さん。一度開き直ってもやっぱりないと思うと悲しいな。俺は龍巫を持っている人に、これから嫉妬しまくるんだろうなー。

「…?…あ!」

 母さんが突如声を上げる。

「見つけたのか?」

 父上が冷静に聞く。

「ううん。ちょっと閃いて。どうしてイゼアの中はきれいなのかなって思って」

 俺はきれいの感覚がわからない。

「多分だけど、イゼアの龍巫は体に染み込んじゃったんじゃないかな?」

 どうしてそうなったかはわからないし、これが本当にそうだとは限らないけれどとこぼす母さん。

 俺の頭にはいま?が六つ浮かんでいる。 

「染み込んだ龍巫がイゼアの体質を変えたんじゃないかしら。私たちのように流すことはできないと思う」

 私の体が軽くなったのは、イゼアはほかのものをきれいにしたり、元気にしたりできるのかしたね?と母さんは俺に微笑みかける。

 つまりだ。龍巫はみんなのようにあるかと尋ねられると、答えはNoだ。じゃあ全く無いのかと尋ねられても、それも違う。えーと、浄水器みたいになったってこと?


 龍巫のことはいまいちはっきりしていないが、たとえるならば電池。俺の体は浄水器。体の中はそれでキレイに感じるみたいな?

 体をきれいにするならば、毒を飲んでも勝手に浄化されたり?

 相手の龍巫も浄化した?

 母さんの妊娠期間から考えると接触していたら相手にも影響が出るのか?

 龍巫を流すのではなく、俺から波紋のように広がるような?結局流れているんじゃね?

 あー…すべてが憶測で、さっぱりわからん。どっかで龍巫専門的に勉強研究している人カモーン!

 武器の強化や、長さを変えたり、父上たちのように武器に力を込めることは不可能…?うん、多分。

 …戦闘に向いているのか向いていないのか。毒殺されそうになった時ぐらいじゃね?役に立つの。

 さまざまな仮定と疑問が浮かび上がるが、小さなことでも力があるならば、工夫をすれば人間に不可能はない!と思いたい。


 子供の体で考えまくったせいか、知恵熱が出そうだと眠たくなってきた頭で考える。

 母さんの匂いを吸い込みながら、いつの間にか俺は眠りに落ちていた。


 母さんは誰よりも龍巫についてなんかよく知っているな。ああいう発想が浮かぶってことは、母さん、研究していたのかな……?

 あとで聞いてみようと思ったが、起きたら忘れていた。




次どうしよう…

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