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面倒ごとがやってみました。六年の成果はあるのか。…ないかも

11月分です。何かしらの締め切りなどが近くなると現実逃避で執筆が進む。



 自室で読書にふけっていたイゼアはふと本から目を上げた。こちらにだれか向かってくる。そして首を傾げた。イゼアとは面識がないのだろう。イゼアはこの龍巫を知らない。





 龍巫による探査能力は極めて難しい。龍巫を普通に扱う人間なら誰もが思うだろう。確かにこれは訓練段階から命の危機があるため、やる人間は少ないし、一般市民なら縁遠い能力でもある。

 龍巫は空気中に一定の量を出すとそこが爆発する。これは空気中にも龍巫があり、反発するためであると考えられている。つまり、探査するためには、龍巫をごく微量を放出することになる。そしてそれを操り探査をする。微量の龍巫を自在に、爆発しないように一定の濃度で探査しなければならない。空気、空間、場所によって龍巫の濃度は異なるため、境界を超えたら爆発しちゃいましたなんてパターンは割とよくあるらしい。怖い。

 ぶっちゃけできるやつは化け物である。父さんはできるらしいが。


 自分の龍巫は特殊である。知ったときのあの絶望は忘れない。

イゼアの場合、空気中に、自然界にいくら自分の龍巫を放出しても爆発は起きない。それは己の龍巫がほかの龍巫と反発せずに同質化にしてしまうからだ。

 溶け込む能力があるのか、強制的のそうしているかは不明だが。

 普段から無自覚的に垂れ流しをしているため、誰かが龍巫で探査したら、相手の龍巫は掻き消えてしまうため、居場所があっさりばれてしまう。これは命の危険大だよ大。


 そこで俺はこの六年修行しましたとも!自分の龍巫を自覚するために、まずは他人の龍巫の感知から始めた。昔、ジャンに自分の龍巫を確認してもらった際に、ピリッと感じた反発している感触をつかむため、屋敷の人間全ての暇があれば協力してもらい、相手の龍巫を理解した。ほんの一瞬感じることを逃せば、もう無理なんだけど。敵陣なら真っ先に居場所がばれて足手まといナンバーワンだ。

 それから自分の龍巫を操るために、龍巫を可視することにした。媒介として水を選ぶ。何事もイメージって大切だよね。風は見えないし、火は火傷したら怖いし、土はイメージが無理。植物にむやみやたらにやったら何かかわいそうだから却下。水って素晴らしいね。 


 今まで自分と他人の龍巫がわからなかったため不可能だったが、それがわかった今、水に龍巫を流し、操作する。水の中に存在する龍巫と自分が一体化することを感じながら、俺はひたすらその練習に明け暮れた。……湖の中で。

ええ、やりましたとも。春夏秋冬一年間!夏場は最高だったが、冬場は凍死するかと思った。

 湖の中央まで泳ぎ、底に立つ。鼻からぼこぼこで気泡が上へ泳ぎあがる中、己の周りにある水を渦巻かせ、台風の目にいるかのようにそこだけ水をなくすという荒業で乗り切った。…まぁ真冬の場合、水という防壁がなくなると、容赦なく風が身体を嬲り、…うん。寒かったよ……。水も冷たかったけど。


 話が戻るが、意識的に物体に龍巫を流すということはできるようになったが、普段寝ている間も龍巫を垂れ流しているので、完璧に扱えるようになったわけではない。流すことは出来ても、身体の中で循環させることは無理、もともと身体から垂れ流しているのも、龍巫の量が多いことが原因だし。もし、龍巫が同質化する性質がなければ、俺の周りはあっという間に爆発に包まれ、お陀仏になっていたのだろう。こう考えるとありがたいが、何とも言えない複雑な気持ち。


 居場所バレバレの探査ができるようになったこの六年間。俺は頑張った。…と思う。実戦で無理なら意味ねージャンとは言うな。自覚もしているし、たまに東西南北の貴族の人たちに嫌味も言われる。これからも精進するので長い目で見てください。はい。


 が、しかし。こんなガーダンと険悪なこのご時世、なんだかちょっときな臭いこのご時世、長い目で見ている暇がなくなったようだ。

それを表すかのように、俺が探知した奴は俺の自室のドアをノックすると、返事も待たずに開けた。

 うわぁ…

 奴の目が、「こいつ使えねぇ」といっている。もうちっと隠せよ。面倒ごと持ってくんなよ、頼むから。





短いね……ニューキャラっす

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