新たな躍動
お久しぶりです。読んでいてくれるor待っていてくれた人たちへ。
留学から試験から、いろいろありまして現在に至ります。
第三章始まります!
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このときであった二人は、俺に強烈すぎる印象を刻みつけていった。
奇しくも、 第一印象、はぁ?だった。
類は友を呼ぶらしい。
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バーデ現当主は、紺碧の瞳を鋭く地図に走らせ、部下が集めてきた資料と見比べる。眉間の皺はさらに深くなる。カルマは静かに息を吐きだし、目蓋を閉じた。
書斎には、カルマのほかに2人の姿がある。一人はカルマと同じ金髪に、紺碧の瞳を持つ迫力美人である。もう1人は、彼の右腕であり、参謀である。顔に刻まれた傷に灰色の髪がかかる。
「ボス、こりゃあ確定だぜ?」
「協定を破っているのは明白……ばれないとでも思っていたのかしら?」
紺碧の瞳を怒りで燃やす姉・マリア。
義兄となるジャンは、顔に刻まれる傷痕を歪ませる。
「わかっている。……なめているのか、それとも、」
言葉を切ったカルマは、立ち上がる。そして微かに嗤った。どちらにしても、潮時だろう。成熟を通り越し、腐り始めた果実は――
「チヤグキ・リョクを」
カルマの声に、二人は微かに反応した。
「一人で行かせるの?」
「ツーマンだろう」
カルマの答えを待たずに、ジャンが答える。さすが右腕といったところか。
カルマは妻と同じ黒髪に、己と同じ紺碧をもつ長男を思い出した。
家族の絆を結び直してから、五年がたった。あの日から、バーデ次期当主は、それまで植えていた種が芽を出し、成長させている。知能、戦闘、そして精神。子供らしさを残しつつも、なんとまぁ、まっすぐ育ってくれているのか。自分が子供の時、同じことをされて、父親に殺意を覚えたことが懐かしい。
我が息子が、あの憎たらしい馬鹿糞どもを叩き潰してくれたら、なんとすがすがしいだろうか。カルマは憤怒に彩られた瞳に、息子の姿と、その先を映し、口角を持ち上げた。
短いですね、しかしちゃんとお話は進みます。
予告をするならば、今回の章では新しい人が二人出てくる予定です。その他モブが複数。