両親について
*
「…そういえば若、なんでカルマのこと父上って呼ぶんだ?」
「確かに、、、ユキハのことはお母さんって呼んでたわよね。なんで?」
ドニさん、バカっぽいけど鋭いな。細かいな。ちっ。怖いからに決まってんだろ!気安く呼んだらにらまれそう。怖いわぁ…。なんていえるわけもなく。
「ちちうえはちちうえだから…」
小声で答える。するとさらに鋭い追撃が俺を襲う。
「呼び方って誰から知るんだろうな?」
「え?」
「メイドの誰かがお父上がお帰りになりましたよーとか言うんじゃね?」
「まぁ…、カルマさん、父上なんて呼ばれたらショックで落ち込んでしまうかもしれませんね。メイドたちに言っておきましょう」
鋭いツッコミを入れたけど、ナイスフォローだぜ!ドニさんありがとう。
「でもまぁ、カルマが落ち込むのもいいかもね」
「マリア様ったら…」
楽し気に言うマリアさんを窘めるようにエイダさんが言うが、顔は笑っている。父上っていじられキャラなの?それとも勇者ならではの行動なの?
第一父上が落ち込む姿なんて全然想像できないんだけど…。むしろ…。あれ、一般の父親像ってどんなんだっけ?
「イゼアはもう一人で食べれるのね」
「だって、こぼしたらもったいないよ?つくってくれた人にだってごめんなさいでしょ?」
もったいないは世界を救う。何より父上が怖いから。
赤ん坊の(といっても差し支えがないと思われる)体ではバランスを保って口まで運ぶのは少し重労働だが、慣れてしまえば別に困らない。スピードはゆっくりになるが。
「ここら辺はユキハの教育が行き届いているな」
「ユキハって意外と教育ママなのねー」
「その教育の時間でカルマとの時間が減り、、、あぁ、若!カルマ怖いんだろ?」
「ふぇ!?」
図星。ドニさんやっぱり鋭いよ!嫌なところばっかりつく天才だな!
「おーおー、やっぱりかぁ」
母さんとの時間が減る→父上不機嫌→周りに当たる(?)は昔かららしい。迷惑な当主だな。
「生まれるときはあんなに心配していたのになぁ」
「それはおかーしゃんのしんぱいでしょ?」
咄嗟にそう口に出していた。…なんかまるで父上に好かれていないことに拗ねてるみたいな言い方だな。…いや拗ねてるだろうな、うん。うん?いや寂しいのか?精神年齢十八歳で父親恋しいって…!!恥ずかしい。絨毯に転げまわりたい気分。しかし、絨毯までには椅子+台のかなりの高さがあり、赤ん坊の体では降りれそうもないが。
「子供にここまで言わせるなんて、、、どこまで、いやいつまでバカップルなのよあの二人…」
・・・
「「「「永遠だな/ね」」」」
「むしろあの二人が冷めたら怖い」
「天災地変のおとずれですね」
「ずっとバカップルのほうが俺たちには安全」
「平和が続くな」
結論・あの二人はいつまでもバカップルであれ
…なんかなぁ、なんかなぁ!!
ルディアからイゼアに変更したから、変更し忘れがちらほら…。