~どっちが本性?~
ピピピ・ピピピ・ピピピ
枕元に置いていた目覚まし時計がなる。
「うぅ~ん。どこ?」
心が眠たい目をこすりながら、手だけを動かして時計を探す。
ピピピ・ピピピ・ピピッ
「やっと止まった~。ふぁ~」
まだ眠たそうにアクビをするのと同時くらいにお母さんが呼ぶ。
「心~、そろそろ起きなさい!」
てか、もう起きてるし。
はぁ、まだ火曜かぁ~。
「心!いいかげんに起きなさい!!!」
「っ!!!はい!」
ビックリした~。
お母さんいきなり叫ばないでよ!
って、お母さん怖いから早く下に降りようっと。
トントントン
階段を降りていると、イイ香りがした。
ん?この香り、今日の朝ごはんはパンかなぁ?
「あっ、紘おはよう」
「ん?なんだ、姉ちゃんか」
私で悪かったなぁ~、コノヤロ。
あっ、紘っていうのは、私の弟。
なんか最近、紘が生意気になってきたのは気のせい?
昔はスゴイ正直で可愛かったのに、いつのまにこんな子に育ったんだろ?
もしかして、反抗期?
本当に反抗期かも!紘中1だし、反抗期がある歳だもんね。
「コラ!心そんなとこに突っ立ってないではやく顔洗ってきなさい!そろそろ拓斗君が来るわよ」
はっ!ぼーっとしてた。
「フッ、怒られてやんの」
鼻で笑われたし。
そんなことより早く洗おうっと。
「いっただっきま~す!」
顔を洗い終わって、朝ごはんを食べようとしている。
フフン、やっぱりパンだったな!
私ってスゲェw
てか、このパンすごい美味しい~。
「ハハッ、姉ちゃんってうまそうに食うよな」
「そう?悪い?」
なによ、美味しいんだもん。美味しそうになって当たり前でしょ?
美味しそうに食べてるのが悪い?
「誰も悪いなんて言ってねぇだろ」
「姉ちゃんはそのままが1番好きなんだからな」
「ん?『悪いなんて言ってねぇだろ』の後なんか言った?」
「なんも言ってねぇよ。空耳じゃね?」
空耳なのかな?まっ、いいか!
ピンポーン
誰か来た。
「心~、拓斗君きたわよ~」
えっ!まだ準備出来ないんだけど!
「今着替えてくる~」
急いで階段を駆け上がる。
なんで拓斗っていつもこんなに早く起きれるんだろ?不思議だ。
コンコン
着替え終わってもうメイクをしていたら、誰かきた。
「姉ちゃん、入っていい?」
紘か。
「イイよ~」
ガチャ
「もうメイクしてるんだ。じゃあいつものやるよ?」
「うん、ヨロシク」
『いつもの』っていうのは、私がメイクしてるときに、紘が私の髪を巻くこと。
いつも時間ギリギリまで寝てるから、学校に遅れないように時間短縮。
反抗期でもこれは毎日してくれるんだ♪
「よし、メイク終わり!」
「俺も髪終わり」
おぉ!やっぱり私がやるより紘がやった方が上手いなぁ。尊敬。
「ありがと、じゃあいってくるね」
「ん、いってらっしゃい」




