3/9
三途の川の教官
三途の川の、川原。
今日も石積みをしている。
の、だ、が、一味違った。
後輩ができたのだ。
だから気分は鬼だった。鬼教官だ。
石を積ませる。
積み上がる。
俺はそれを蹴り壊す。
理由など必要ない。ここでは、鬼は理由なく石を崩すものなのだ。
俺は鬼だ。鬼になったのだ。
誰に強制された訳でも、頼まれた訳でも無い。鬼におべっかを使っている訳でも、もちろんない。ただ純粋に、ここでの生き方を(生きてたっけ?)身につけてもらうのだ。
気分は、そう、支配者!
後輩は黙って石を積み続けている。
いいぞ。
その従順さだ。
——そう思っていた。
3日後、俺は三途の川を流れていた。
後輩のドロップキックに敗北したのだ。
ドロップキックはまだ教えてないぞ、後輩よ…。
俺はまだ鬼にはなりきれないらしい。
本物の鬼が、積み上げた石を崩しているのが見える。
後輩は再び石を積み始めた。
そうだ、その精神だ後輩よ。
俺の修行はまだまだだった。
さぁ、明日からは俺も石の積み直しだ。




