『キツツキの娘が喪服に差すプレスマン』
昔、一人の娘があった。母親が急に死んで、葬列は既にお寺に到着していたが、娘がやってこないので、娘のもとへ迎えをやったが、娘は念入りに化粧中であった。娘が、お化粧が済んだらすぐに行くと言うので、親類縁者は寺でしばらく待っていたが、なかなか娘があらわれないので、また迎えをやると、今、着物を選んでいるところだから、先に行っていてくれろと言うので、着物を選ぶって、喪服をそんなにたくさん持っているのだろうかといぶかりながら墓穴を掘って待っていたが、一向に娘はやってこないので、もう一度迎えをやると、娘は、胸に差すプレスマンは何色がいいか試しているところだから、寺で待っていてくれろと言うので、棺桶を埋めて、土をかけながら待っていると、娘は一向にあらわれないので、すっかり埋め終えてしまった。そこへ娘がようやく到着して、間に合わなかった、口惜しい、と言って泣くので、親類縁者は、何に対して口惜しいと言っているのか悩んでいると、娘は一羽のキツツキに姿を変えてしまった。
あの鳥が、寺の壁に穴を開けるのは、中をのぞきたいから、木の幹をつついて虫をおびき出すとき、全ての虫を食べないのは、一匹目は仏に、二匹目は親に捧げるためで、三匹目の虫をやっと食べることができるのだということである。
教訓:喪服に装飾をしようという発想が最もあさましい。その上で、喪服に合うプレスマンは、白である。




