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【完結】助けた女の子が実は皇子だなんて誰が思いますか?!  作者: 慧依琉:えいる


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第94話:パドルがいなくなって皇位継承者はルシアンただ一人となったが…?!



それから数日後、元側妃ドロシアは王宮の地下牢にて毒を飲んで自害したと伝わった。それらは社交界にすぐに広がった。本来ならば盛大な葬儀が行われるが、大罪を犯した為、廃妃となっているのでそれすらも行われずにひっそりと山奥に埋葬された。


「これで君は自由だ。どこへでも行くがいい。」


「ありがとう、俺は随分、君を危険な目に遭わせてしまった…。すまなかった。」


そう言ったのはパドルだった。そしてパドルの目の前にいるのはルシアンだったのだ。



ルシアンがドロシアに言ったパドルの刑が施行されたという話は嘘だったのだ。幾度となく自身の命を狙ってきたドロシアを、そして母の命さえも奪っていたドロシアに情けをかける必要ないからだ。それがルシアンなりの復讐だったのだ。


パドルはというと、ルシアンの計らいで皇位剥奪という形で平民となり、スクラバ皇国からの追放ということになった。それがパドルへの刑罰だ。

だが、平民になり、皇国からの追放と言うことで、パドルにとっては何も問題がなく、それよりもマリーと共に新しい人生を歩めるという特典付きだ!

マリーの故郷は、スクラバ皇国の隣の国出身だったのだ。だからあの時ルシアンはマリーに「この国を出ることは出来るか?」と聞いたのだ。


「第二皇子様、…いえ、皇太子様。素敵な計らいをありがとうございました。この御恩は生涯忘れません。」


そう言ってマリーは深くルシアンに頭を下げた。


「マリー殿、皇太子はちょっと…。」


「いいえ、あなた様はいずれそうなります。そしてきっと良き君主となられるでしょう。陰ながら応援させて頂きます。」


そう言ってマリーは再び深くお辞儀をした。


「ああ、俺もマリーに同感だ。本当にありがとう。」


パドルもマリーと一緒に深くお辞儀をした。


ルシアンはそんな二人を見て、〝きっとこの二人なら大丈夫だな。〟と確信した。


「さあ、挨拶はそれくらいにして、早く馬車に乗って!元気でな!」


そう言って二人を馬車に乗せた。馬車はルシアンが密かに手配した民間のものだが、御者はルシアンの護衛の一人が代行していた。二人を安全に隣国へと連れて行くためだ。


そうして二人の乗った馬車は王宮を出て行った。




ルシアンにとってパドルは憎むべき相手ではなかったからだ。

その事に気付いたのはララの言葉だった。




そしてそのあとで王宮では再びルシアンと国王が執務室で話をしていた。


「息子がお前一人になってしまった…。私のあとを継ぐ気はあるのか?」


「他に誰が?」


「ふっ、そうだな。」


国王は先日のドロシアが自身にずっと寄り添っていたと思っていたのに、ずっと裏切られていたとわかってから気力が落ちてしまい、以前のような威厳は無くなっていた。



「陛下、恐れながら今回の件は陛下が現実から目を背けていたから起こった出来事でございます。どう対応されますか?」


ルシアンのこの言葉はただ、今後どうするか?を意味するものではなかった。つまり、国王へ進退を問うたのだ。


「ルシアン…!お前っ!」


国王はそれを理解し、ルシアンに怒りが湧いた。しかし、そこまで彼を追い詰めたのは自分なのだということも同時に理解した。


「……………仕方あるまい。私はこの地位を退こう。僻地にある王族の保養地へと移ろうではないか。」


正式にルシアンの前で引退宣言を行った。


「それがよろしいかと…。」


「その前に、貴族会議と戴冠式の準備が必要だな。」


「忙しくなります。」


国王は静かに頷いた。そして


「お前が幼い頃、私は彼女を失って悲しみにうちひしがれていて、あまりにもフラシアに似ているお前をまともに見る事が出来なくてわざと遠ざけてしまったのだ…。それがきっかけであのような事になるとは…!本当にすまなかった。」


この時、初めて国王はルシアンに対して謝ったのだ。


「陛下、全て…もう遅いのですよ。その事を隠居なさってからもずっと悔やみ続けて下さい。」


そう言ってルシアンは国王の執務室を後にした。



〝マリー殿。僕は皇太子ではなく、国王になるんだ。〟


そう空を見ながらルシアンは思っていた。そしてララに会うためにララの部屋を訪ねた。


しかし部屋の中にララはいない。庭園かどこかに行っているのか?と思って少し待っていたが、ララは戻って来なかった。

そこでルシアンはララの衣装室を開いてみた。


ここで誂えたドレスしか残っていない。


〝──────────ララ?!〟



慌ててルシアンは部屋を飛び出して馬舎に行き、馬に飛び乗って侯爵家へと向かった。今のララならきっと侯爵家へと帰っているだろうと思ったからだ。


〝どうして…!待っててくれと言ったではないか!〟


ルシアンは不安で仕方なかった。そしてララの行動がどういう意味を持っているのか、全然考えられなかったのだ。





ご覧下さりありがとうございます。ようやくハッピーエンドに…と思ったところでララが行方不明です。でも荷物事無くなっているならきっとララのこと、侯爵家へと帰ったのでしょう。

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