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【完結】助けた女の子が実は皇子だなんて誰が思いますか?!  作者: 慧依琉:えいる


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第93話:衝撃的の事実を突きつけられる元側妃ドロシア!



王宮の第二皇子の応接室にてこれから密談が行われる。第二皇子ルシアンと極刑が決まったパドルの恋人であるマリーだった。部屋には二人しかいないが、実際にはルシアンの護衛は密かにそばで控えている。

緊迫した応接室…。まず話を切り出したのはルシアンの方だった。落ち着いた声で話をしだす。


「それでは、まずはあなたのお名前と、パドルとの関係を教えて頂きましょうか。」


マリーは〝ゴクッツ〟と生唾を呑んだあと、ルシアンの質問に答える。



「私の名前はマリー。ただの平民です。町の中の酒場に勤めていて、そこでパド、…パドル様と出会いました。彼の本当の身分は昨夜まで知りませんでしたが、貴族である事はわかっておりましたので、距離を持とうとしていたのですが、彼からの積極的なアプローチに答えてしまい、一夜の関係を持ってしまいました。逮捕される前に彼は私にプロポーズをしてくれたので、恋人であると思っています。私はどうなっても構いません。彼をどうか助けて頂けないでしょうか!?」


マリーは緊張はしているものの、毅然とした態度でそう答えた。


ルシアンは彼女の真っすぐに自分に向かって答える態度に関心した。

〝貴族、しかも王族に対してここまで真っすぐに向き合えるとは大した度胸だ。〟そして彼女の献身的な態度にも関心し、ララを重ねて見ていた。そこでルシアンはこう切り出した。


「では、マリー殿に尋ねよう。この国を出ることは出来るか?」


「それはどういう……………。」


ルシアンはマリーに向かってニッと笑った。






王宮の地下牢では元側妃のドロシアが捕らえられている。息子、パドルは別の場所に捉えられていた。そのドロシアのいる地下牢へと続く階段をコツ、コツ、コツ……………とゆっくりと降りる靴音が響いていた。しばらくして遠くで監視者が誰かと話をしているかのようだった。



そして再びコツ、コツ、コツ……………とドロシアの捕らわれている牢屋へと近付いてくる。足音からはどうやら向かって来るのは一人のようだ。


〝誰か来た……………?〟


ドロシアは警戒した。自分がこれまで刺客を送ってきたので、もしや逆に送られたのではないかと思ったからだ。


足音はやはりドロシアの牢屋の前で〝ピタリ〟と止まった。


「……………!」


警戒するドロシア。そしてその人物は自分の顔周りに灯かりをあてて自分が誰であるかを無言で告げた。


「────貴様っ!」



そう、ドロシアの前に現れたのはルシアンだった。ドロシアがこの世で一番憎んでいる人間の息子だ!

驚きと同時にドロシアは立ち上がった!


「何をしに来た?我を嘲笑いにきたのか?!」


激しく怒りを露わにするドロシア。そんなドロシアに向かって表情一つ変えもせずにルシアンは言葉を発した。


「お義母上、その場所はあなたにとてもお似合いだ。」


「────っ!」


屈辱に耐えるドロシア。そして積年の恨みを抱えるルシアン。二人は互いに睨みあっている。そしてルシアンが視線を揺らし、より一層冷たい顔をして話を切り出した。


「さて、あなたにとっておきのお話を持ってきました。」


「とっておきの話だと……………?」


「ええ。あなたの部屋を調べたところ、このような物があったんですよ。」


ルシアンがサッとあるものを取り出してドロシアに見せた。それはあの妖精の本だった。



「それがどうした?」


ドロシアは自身の大切な思い出の詰まった本ではあるがそれが自身を追い詰める物ではないと思っているからだ。


「この妖精…、僕の母なのですよ。」


「は?お前、頭がおかしくなったのか?人間が妖精などと…………!」


「あなたならそう言うと思いましたよ。では証拠をご覧頂きましょう。」


そう言ってルシアンは魔法で本来の姿である妖精に変身したのだ。やはり彼も母と同じ緑色を主としたカラーの妖精で、まるでシアーそのものだった!



「な・なんと!そのような事が!」


ドロシアはとても驚いた。そして同時に自身がしてきたことが自身が大切にしていた思い出を裏切る行為だったということに気付いたのだ。その時のドロシアの心境は計り知れないくらいに罪の意識に苛まれたのであろう。


「そんな…、では私の大切な妖精を私がこの手で……………。」


ドロシアは跪いてガクガクと震え出した。そしてルシアンはその一言を聞いて


「やはり!母上の死もあなたが絡んでいたのか!」


初めてドロシアの前で怒りを露わにした。今までは感情を抑えて生きてきたからだ。



「すまない…、そんなつもりじゃなかったのだ。本当にすまない…!」


いくらドロシアが土下座をして謝っても王妃フラシアはもう帰ってこない。目の前で罪悪感に苛まれるドロシアを見下しながら、ルシアンは更に彼女を追い詰めるための一言を発する必要があった。怒りを一度沈めてからルシアンは話を切り出した。


「それからあなたには、もう一つ知らせねばならないことがある。」


「なんだ…、これ以上、何があると言うのだ?」


ドロシアは悲痛な顔をしてルシアンに言った。ルシアンは怒りを抑え、冷たく告げる。




「パドルの刑が施行された。」




その一言を聞いてドロシアは言葉にならない声を上げた!そのまま気が狂ってしまうのではないかというくらいに叫び続けた。


「何故だ?まだその日は来ておらぬぞ!何故なのだ!」


「遅かれ早かれ同じ事であろうに、何をそんなにうろたえているのだろうか…、」


ルシアンは冷たく言い放った。そしてポケットから小さな小瓶をドロシアに差し出した。



「これは…、」


ドロシアは全てを察した。


「私に自害せよと?」


「それはあなたにお任せします。このまま気が狂って死を迎えるか、このまま判断が出来るうちに死を迎えるか、選ばせてあげようと思ったまでです。これだけ衝撃な事を聞いて正気でいられないのではないかと思ったまでですよ。」


そう言ってルシアンはサッと身体を翻して


「さようなら、二度と会うことはないでしょう。」


そう告げてその場をあとにした。



ドロシアはその後も泣き叫び、喚き、自身の身体を牢屋の中の岩にぶつけたりして暴れていた。





ご覧下さりありがとうございます。マリーの申し出に対してルシアンはどのような判断をしたのでしょうか。また、ドロシアはこのあとどうなるのでしょうか。

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