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【完結】助けた女の子が実は皇子だなんて誰が思いますか?!  作者: 慧依琉:えいる


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第88話:側妃ドロシアの意外な一面…。



そんなドロシアの日課である庭園の散歩。それはドロシアにとって心穏やかになれる瞬間だった。

ある日、ドロシアは庭先で妖精と出会う。

薄い緑の髪、衣装も透けるような緑色で瞳はシアン、羽根も薄い緑色だった。草花に紛れて注意深く見ていないときっと見落とすだろう。


妖精の方はドロシアを見てびっくりするが


「妖精さん、ごめんなさい。驚かせてしまって…。大丈夫よ、何もしないわ。怖がらないで。私、一度妖精さんに会ってみたかったの!」


そう目を輝かせ優しく微笑みながら妖精に向かって言い放った。


この妖精…実は王妃フラシアだった。フラシアは時々元の妖精の姿に戻らないと長く人間の姿を維持していられないのだ。それで妖精の姿になっていた時にドロシアに見つかってしまったのだ。

だが、ドロシアは人間の時の自分に対してとはまるで違う対応で妖精である自分に向かって話してきたのだった。


フラシアは見たことのないドロシアの姿に驚いてそのままドロシアに付き合うことにした。


「妖精さんていつもはどこかの森とかにいるの?」


「そうね…。ほとんどは森の中にいるのだけど、時々こういうところにも来るの。」


「それって綺麗なお花目当て?」


「そういう時もあるけど色んな理由で行くのよ。」


「ねぇ、また来てくれる?こうして時々お話したいの。」


キラキラ輝く瞳はそのままだったので、その言葉は本心なのだろうと思ってフラシアは


「いいわよ。」


と返事をして遠くへと飛んで行った。


ドロシアはずっと感動してその場を動かなかった。それ以来、時々ドロシアは庭先で妖精と出会うこととなる。


「あなたの名前は?私はドロシアっていうの。」


「私はシアーよ。」


「まあ、私の愛称シアだから似てるわね!」


ドロシアはそう言ってほほ笑んだ。フラシアは本当の事を言うタイミングを逃してしまった。そしてドロシアはあの時の妖精、シアーが自身が目の敵にしている王妃フラシアだと気付かずに毒を盛って衰弱死させたのだだ。


〝不思議ね…。王妃に手をかけた頃から私の心が真っ黒になったせいか、シアーの姿を見る事が出来なくなったわ…。ずっと庭先に行っても会えない…。〟


ドロシアは今もシアーとの再会を望んでいるが、それはもう叶わぬ夢となってしまった。知らなかったとはいえ、自身の手で葬ってしまったからだ。



〝私はあの時、王妃を葬ると決めてから、もう後戻りなんて出来ないのよ!〟


ドロシアの瞳はメラメラと炎が燃え上がっていた。


〝あの憎き王妃の息子であるルシアンをいかに苦しませ、そして葬るか…。〟


ドロシアは次なる策略を練ることにした。




そして陽も暮れて夜になり、離れの塔に黒い影が動いた。

スペードだ。


塔の前に立っていた衛兵をサッと殺した。外から見ればただ眠っているかのように見えるような巧妙な手口だ。


そして塔の階段を静かに駆け下り、ゆっくりと捕らえられた侍女の牢屋の前まで辿り着いた。

牢屋の中に明かりを向け、


「テリーヌか?」


とだけ声をかけた。それが捕らえられた侍女の名前だからだ。


「ええ、そうよ。そういうあなたは誰?側妃様の手の者?助けに来てくれたのね!」


「ああ、主様のご命令だ。さあ、もっとこっちへ!」


そう言って牢屋の扉に近付いたスペードは握りしめていた(やいば)を侍女に向けて振りかざそうとしたとの時、スペードの後ろからスペードの首に剣が突き付けられた。


「な…!」


スペードは驚いた。全く気配がなかったからだ。


そして捕まってはいけないから向きを変えて応戦を始める。

だが、既に侵入が予測されていたために前もって準備していた側と単独で乗り込んだ側とでは最初から勝負がついてた。スペードはこのまま捕まらないようにと、自身の舌を噛もうとした瞬間、〝ドンッ!!!〟と首の後ろを打たれて気を失った。


「ふぅ~~~、危なかった。危うく命を絶たれるところだった。こいつだけは生け捕りにしないとだな。」


そう言ったのはシャルルだった。

何を隠そう、シャルルは文官として王宮の第二皇子についているが、実質剣の方では騎士団長と張り合うほどの腕前なのだ。騎士団長、それはダンテの父であるプラスタール公爵だった。だから剣の腕前も極秘にされていたのだ。こういう時、相手を油断させられるからだ。


「うちの息子は駄目な奴だったが、君は相変わらず凄腕だね。」


「大したことではありませんそれよりも公爵…。いつかあの二人を許してはくれないでしょうか?」


「シャルル殿、私とて息子が大切だ。しかし、君も家門を継ぐ身、わかるだろう?」


「そうですね…。」


「さあ、こいつが舌を噛まないように口をしっかりと縛ってやれ。そして今から王に会おう!」


ルシアンが二人にそう言った。

そして牢屋の中にいる侍女、テリーヌに言った。


「約束は守ったぞ。だから君もちゃんと証言してくれるな?そしたら極刑は避けてやる。」



「わかりました…。」テリーヌは最初、ルシアンに今回の話を持ち掛けられた時、信じられなかった。側妃の影、スペードが自身を殺しに来るということが…。だが、目の前で繰り広げられたことを見て取引に応じることにしたのだった。




ご覧下さりありがとうございます。今回、意外な接点がわかりました。だからどうなの?話に関係あるの?といったところでしょうか…。影のスペードが取られたことで事態は大きく変わっていきます。

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