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【完結】助けた女の子が実は皇子だなんて誰が思いますか?!  作者: 慧依琉:えいる


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第84話:やはりアレは……………毒?!



ザッツ、ザッツ、ザッツ……………。草むらをかき分けて進む足取りの音……………。

急ごうとしているのに中々進めないようなそんな音だった。その足音の主は「ルシアン」だった。


先程のお茶会から抜け出して庭園を描き分けて宮中へと戻っているところだった。


〝クソっ、側妃め!油断した。そんなに強い毒ではないが、僕のカップにだけ混入させるという事を平然としておいて……………!あの場で言えるわけがない。ララが心配するだろう……………。〟


ルシアンはすぐさま自身の部屋に戻り、専属医師を密に呼んで解毒した。


「幸い強い毒でなかったので今日一日、身体がお辛いかとは思いますが、明日からは通常の生活に戻れるはずです。」


医師はそう説明した。


「今回解毒剤はお持ちではなかったのですか?」


医師がルシアンにそう聞いたが


「あぁ、まさかあの場で仕掛けてくるとは思わなくてな…。」


「そうでしたか。では侍女を捕まえて白状させましょうか。殿下。」


ルシアンは段々毒が身体を回った感覚で辛くなってきていた。少し息が上がってきた。


「いや…いい、どう………せ、捕まえて…も白状…しない…だろ、う…。」


「わかりました、殿下。今はとにかくゆっくりお休みになって下さい。護衛騎士殿をお部屋に呼んでおきますね。」


「あり…がと・ございます…せんせ…い」


医師はペコっとお辞儀をして部屋をそっと出た。そして医師とは入れ替わりでルシアンが信頼のおける護衛騎士が部屋に入ってきた。


「ルシアン様。私がそばに控えておりますのでどうかごゆっくりお休みになって下さい。」


ルシアンはもう声を発するのがかなり辛いのか、コクンとうなずいた。そして安心しきったのかスッと眠りについた。





ルシアンがこの状態であってもお茶会は続いていた。パドルはルシアンの言い分を信じていなかった。


〝口を切ったからと言ってあんな吐血はしない。だが、この場の雰囲気やララ嬢に心配をかけたくなくてきっとああ言うしかなかったのだろう。あれは母上のルシアンに対しての牽制だろう…。〟


そう考えていた。ルシアンは毒に対して耐性があるから心配こそしてはいなかったが、自分の母がそんな事を平然とする事に対して怒りを抑えられなかった。そしてスクッと立ち上がり


「まあパドル?どうしたの?」


側妃がそう言うと


「申し訳ございません。母上。用事がありますのでこれで失礼致します。ララ嬢、ルル嬢、どうぞごゆっくり。」


そう言ってパドルは去って行った。


「もう、本当にあの子ったら!」


「まあまあ側妃様。私たちがいるじゃありませんか?もう少しお話お聞きしたいです。」


ルルがそう側妃に言うと


「ルル嬢は面白いのう。だが、私もそろそろお開きにしようかと思う。今日は二人とも楽しかったぞ。また付き合ってくれぬか?」


「はい。側妃様!」ルルは大喜びで返事をした。


「はい、側妃様。」ララは慎重に返事をした。


〝この二人、仕草が同じ時もあるが、基本的には真逆なようだな。思慮深いララに浅はかなルルか。どうやら侯爵は判断を間違っていたようだな。〟


側妃ドロシアは二人を見てそう思っていた。



ルルと共に自分の部屋に戻るララ。どうしてもさっきの事が頭から離れない。


〝ルシアン様は本当に大丈夫だったのかしら…。〟そわそわしているララにルルは声をかける。


「そんなに気になるの?」


「え…。」


「あんたにしては行動に出てるのよ、普段は出さないくせに。」


「……………。」


「行ってくれば?部屋、わかるんでしょ?」


「でも…。私の立場上行くと困らせてしまうわ…。」


「はあ────、そんな事気にしてたの?人生一度しかないのよ?自分の思うように生きなきゃ損じゃない?」


「でも…。」


ルルはララの手を引いて扉の鍵を閉めた。



「はい、これで私になりきって会ってきたら?〝私〟だとまださほど問題にはならないでしょ?」


そう言ってルルが渡してきたのはルルの髪色のかつらだった。


「ルル…。あなた本気で入れ替わる気だったのね…。」


「はぁ?今そこ気にする?とにかく!さっさと行ってきな!」


「うん、わかった。様子を見たら戻ってくるわ。」


ルルは気だるそうに手を振ってララを追い出すように見送った。



ララはルシアンの事が心配でそんなルルの様子に気付かずにいた。


〝ダメだわ。流行る気持ちを抑えなきゃ。ルルは妊婦なんだから…。〟


そしてゆっくりと歩いてルシアンの執務室を訪ねた。だが不在で代わりにルシアンの秘書がいた。


「ルシアン様に急ぎの用事…ですか?」


「ええ、ララのことで…。」


「ララお嬢様の?わかりました。お部屋にご案内しましょう。」


〝咄嗟に嘘ついたけど、私の名前ってそんなに信頼してもらえるのね。でもそれって私の名前だと誰でも通用するという弱点があるのでは…。って私が思うのも変だけど…。どうか無事でいて。〟




ご覧下さりありがとうございます。やはりルシアンが吐血したのは毒のせいだったようです。ララは心配でルシアンに会いに行きます。

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