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【完結】助けた女の子が実は皇子だなんて誰が思いますか?!  作者: 慧依琉:えいる


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第75話:ルシアンの秘密を二人で共有する時間




ドキドキが充満した第二皇子の執務室。いるのは第二皇子本人とララ・クレハトール侯爵令嬢のふたりだ。たった今、お互いが4年前に一緒に1年近く過ごしてきたシアンとララだということがわかったばかりだ。

それなのに、目の前のルシアン・ファモアーゼ侯爵子息はまだララに「大切な話」があると言う。


「あぁ…。これまた緊張するな。」


ルシアンはそう言葉を零してまたしても深く深呼吸をした。ルシアンの緊張がララにも伝わってきてララもドキドキが激しくなってきた。


「この部屋は僕の執務室なんだ。」


ルシアンはやっとそう言った。


「そうなんですか。王宮に侯爵子息様の執務室まであるんですね…。」


ララはそう返事をした。多分、〝どんな重要な話かと思ったらそんなことなのね〟と思っているだろう。


「あ~~、そういう意味じゃなくて…。難しいな、」


ルシアンが困ったようにそう言った。ララはポカンとしている。意味を理解していないのだ。


「つまり、僕が第二皇子なんです…。」


「あ~、そういうことね!」


「へ?」


ルシアンはララがあまりにもあっさりと返事を返したことに驚いてしまった。

そしてララは


「え…?!」


どうやら時差で反応したようだ。その反応を見てルシアンはホッとして、そしてまた〝ニッ〟と笑ってララの顔を覗き込んだ。


「今度はちゃんと理解してくれたようでよかった。」


目の前にルシアンの笑った顔がある…!ララは驚きの連続だった。


〝ち…、近いっ…!〟ドキドキがさっきよりも激しくてうるさくなっている。


「あの時は助けてくれてありがとう、ララ。」


ルシアンはララの両手を握ってそう伝えた。〝近い近い近い…っ!〟


「え…、あ、ええ。あの時は必死だったから…。それにシアンがあの後ちゃんと無事だったかずっと心配だったの。でもよかったわ。そんな心配、いらなかったみたいね…。」


ルシアンの一挙手一投足にララは戸惑いながらそう返事した。そんなララにルシアンは言う。


「そうでもないよ。ファモアーゼ侯爵家は心配いらないけど、僕の本当の立場はここだから。それに伴って弊害が出てるんだよね。その一つがララに出てしまって僕は申し訳なくて…。」


「え…。私に弊害?」


この時点でララは自分が何に対して弊害を受けているのかわからなかった。そしてそのままジッとルシアンの話を聞いていた。



「ああ、第一皇子との縁談、あれは僕の失敗だった。僕はずっとララに会いたくて君が本人だと気付かずに君に近付いてしまったんだ。それを反勢力に見つかって利用されてしまったんだ。すまない。」


「反勢力?」


ララはより一層ジッとルシアンを見つめた。ルシアンはララにはぐらかすことは無理だと判断して側妃の暗躍を話すことにした。


「君に被害がないようにと思って黙ってるつもりだったが、知った上で警戒して欲しい。」


ルシアンがそういうとララは静かに強くうなずいた。それを見てルシアンもうなずいた。そして再び深呼吸をするルシアン。つられてララも深呼吸をしていた。今の二人の間に流れるのはおちゃらけた空気ではなく真剣そのものだった。



「僕が8歳の時に僕の母が亡くなったんだ。それ以降、父は母によく似た僕を避けるようになったんだ。そしてそのことに付け込んだ側妃、今の僕の義母上だ。その側妃が僕に毒を盛り始めた。少しずつ…、少しずつ…。それは名目上は毒に耐性を付けるためだと言われていたが、時々その量を超えた毒が仕込まれていたんだ。そしてとうとう10歳の時にその毒が大量に盛られてしまい、僕は瀕死の状態になった。それを知った僕の祖父であるファモアーゼ侯爵が僕を王宮から連れて逃げたんだよ。」


ルシアンはそこで一息ついた。そしてララの方を見た。ララは真剣に聞いていた。それを見て目を細めて口元が少し緩んだ。〝ララはこういう人なんだよ、変わらないな。〟と……。そして話を続けた。



「僕のこの魔法については母から人前で決して使わないようにと言われてきた。本当に信頼のおける人物の前以外はだめだと。父の前ですら使うなと言われててね。だから側妃も知らないのが幸いした。


だが、僕はダンテとシャルルには魔法で変身出来ることを明かしたんだ。あの二人はファモアーゼ侯爵家に行った後で出会ったんだが、ずっと親身に寄り添ってくれてね、この二人なら大丈夫だと思ったんだ。でもまあ、ルル嬢とのデートで一度利用されるとは思わなかったけどね。」


そう言うとルシアンは笑った。つられてララも少しほほ笑んだ。そしてふと、今のルシアンの言葉で気になったことがあった。


〝そう言えば…。最初にデートした時と次に会った時と印象が違う気がしたのはもしかして…。〟


ララはその時、ひょっとしたらルシアンだったのではないかと思った。だが、それを言うのは今じゃない気がして黙っていた。そしてそのままルシアンの話は続いていくのだった。






ご覧下さりありがとうございます。とうとうルシアンが自身が第二皇子だとララに打ち明けました。二人の間に秘密が共有されていきます。

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