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【完結】助けた女の子が実は皇子だなんて誰が思いますか?!  作者: 慧依琉:えいる


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第71話:ルル驚愕!今日からここが私たちの暮らす場所…



クレハトール侯爵家の応接室は今、修羅場だ。シャルルが帰宅し、部屋に入ったことで一時中断しているが、それまでは侯爵からの怒りの矛先がダンテに向かっていた。激しい怒涛、そして拳…。だが、ダンテは全て受け入れた。それは自身が犯した罪だと思っていたからだ。


侯爵はルルが公爵家へと嫁ぐものだとばかり思っていたから今更破断になると次の嫁ぎ先を見つけるのは至難の業だ。その上、妊娠しているとなると既に貰い手が見つからないのが現状だ。そうなると条件の悪い相手しかいないくなるのだ。それだけ結婚市場はルルにとって難しいものとなる。


かと言ってこのまま侯爵家で過ごすわけにもいかない。それこそ、クレハトールも一門を率いる長だ。他の家門に属する者たちを守らなければならないので、プラスタール公爵家同様に醜聞をそのままにしておくわけにはいかない。つまり、侯爵が取る行動は一つだ。プラスタール公爵家と同じだということだ。


「ルルは平民になったこの男の元に嫁ぐこととなる…。方法はそれしかないのだ。」


ようやく落ち着きを取り戻した侯爵がそう言葉にした。

シャルルもきっとそういうことになるだろうと思った。そしてダンテ自身もそうなることを想定しての、侯爵からの怒りを全て受けていたのだった。


ルルは〝公爵夫人〟になれると思って喜んでいたのに、ただの平民になると知り、愕然としていた。ダンテの事は好きだが、平民のダンテとなると少々違うようだった。だが、ルルもこういう結末になるのだろう、と思っていたようで父・侯爵がその言葉を言った時に反論はしなかった。いや、出来なかったのだ。

貴族家は一族の長が決めたことに反論は出来ないのが一般的だからだ。


ルルは悔しさで涙が止まらなかった。その涙の中にはララよりも優位に立てると思っていたのに、足元にも及ばない、天と地の差が出来てしまったからだ。自分が招いた結果だとわかりながらも、その怒りの矛先はララへと向かっていた。

〝ララよりも幸せでいなくちゃいけないのに!ララよりも上位貴族でいなきゃいけないのに!〟


侯爵の一言ですぐに秘書や執事が動き、ルルの身の回りの物を用意する事となった。そしてルルについて行く侍女も選別される。


「誰だっていいわ…。平民について行きたいと思う人なんていないでしょ?ふっ。」


ルルは連れて行く侍女を選別しなかった。




そうしてテキパキと用意されてルルは追い出されるように侯爵邸を後にする。

その間、ダンテはひたすらルルに謝っていたがルルは一言もダンテと話をしなかった。



その後、御者に案内された二人が今後過ごす家は小さな2階建ての家だった。二人の部屋は2階に、1階は使用人たちの部屋も含めての生活スペース(食堂)となる。お風呂場は二人が使用した後で使用人たちが使用することとなる。


「こんなに小さな所でこれから暮らしていくのね…。」


ルルは茫然として言った。


「お嬢様、そのうち慣れますから大丈夫ですよ。私たちがサポートしますから。」


ついてきてくれた侍女はルルにそう言った。


「ありがとう、頼りにしてるわ。」


ルルは侍女にそう答えた。だが、この時のルルは知らない。彼女たち、付き添いの者たちがその家にとどまるのは一年半までだということを…。

平民になるのに使用人は必要ないからだ。一年半という期限はルルが出産して子供をある程度育てるのに慣れるまでということだ。それ以降は二人で生活していかなくてはならない。この事実を知るのはルルが出産後に伝えられることになっている。それまではダンテすらこの事実を知らないのだ。


こうしてダンテとルルの小さな邸は二人の生活の始まりを迎えた。





翌朝、ルシアンはある場所にやって来ていた。

そこは緑豊かな場所で高台になっていて、その向こうには海が見える…。

そう、ララの墓石がある場所だ。


魔法で13歳くらいの女の子、シアンの姿になってここに訪れていた。

ララに自分が本当は皇子であることを告げる前に、どうしても助けてもらったあの時のララに今の自分の状況を含めて報告しておきたいと思ったからだ。


「君に似た女の子がとても辛い目に遭いそうなんだ…。君だったらきっとそれでも、その困難を乗り越えてしまうだろうね。」


そう墓石の前で語っていた。

するとふいに声をかけられた。



「……………?もしかして…シアンか?!」


その声に振り向くルシアン。

そこには懐かしい人物が立っていた!


茶色の髪、瞳も茶色でそばかすのある顔…、見覚えがある!


「ケイティー?!」


ルシアンは確信を持ってその名を叫んだ。あの頃よりも声が低くなっていた。どうやらケイティーの声変わりは少し遅かったようだ。だが、容姿や雰囲気はそのまんまだ。


「やっぱりシアン!元気だったか?あ、確か侯爵家に行ったんだったな、元気でしたか?」


突然ケイティーはシアン(ルシアン)に対して敬語を使い始めた。それがルシアンにとって気がふっと緩んだ瞬間だった。






ご覧下さりありがとうございます。ダンテの怒涛の展開から懐かしいケイティーの登場まで今回は激しい中身となっております。懐かしい再会にケイティーとルシアンはやはりララとの思い出の話になります。

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