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【完結】助けた女の子が実は皇子だなんて誰が思いますか?!  作者: 慧依琉:えいる


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第67話:幸せな時間は本当に束の間だということ…。



翌朝、王宮全体に第二皇子が戻ったという話が広まった。まだ顔をみていない者もおり、その日の話はルシアンのことで持ちきりだった。

もちろん、側妃は気に入らなかった。


「どいつもこいつもあ奴の話ばかり…………!パドルはどこだ?パドルを呼んで参れ!」


側妃は侍女たちにパドルを呼ぶように命令した。暫くして侍女たちが慌てた様子で戻って来た。


「側妃様!パドル様がどこにもいらっしゃいません!今の時間は剣術の稽古になっているはずですが、それすらも来ていないとのこと!また、昨夜もお戻りになられていないと!」


「何っ!?それでは昨夜から行方不明だということか?!」


側妃は怒りを露わにして侍女たちに問う。


「もしかしたらいつものお遊びに行かれているのでは……………。」


一人の侍女がポツリとこぼすと側妃ドロシアは反応した。



「まさか!あの町娘のところか!?」


ドロシアは焦っていた。もし町娘とどうにかなっていたら、もし町娘がパドルの子を宿していたら……………。焦っても仕方ない。パドルは呼びつけるのを嫌がっているのだ。ドロシアは深呼吸をしてから


「よい、パドルが戻ってからにしよう……………。」


そう侍女たちに言った。




その頃パドルはマリーの家にいた。


ちょうど目を覚ましたようだ。朝ごはんのいい匂いがパドルの鼻に幸せを運んで来ていた。

そして〝ハッツ〟と今の状況に気付いたパドル。飛び起きて自身が裸だったことに気付く。


〝あれは夢ではなかった……………!〟パドルは喜びに満ちていた。と同時にマリーへと視線を向けた。朝ごはんの準備でこちらから見たマリーは背中しか見えなかった。


パドルにとって夢のような時間であってもマリーにとっては?自身がほぼ無理に迫ったようなものだからきっと断り切れず……………。パドルはそう考えると恐ろしくなった。そしてマリーに声をかける。


「マリー……………。その、夕べはごめん。」


パドルはマリーに謝った。朝食の準備をしていたマリーの手が〝ピタリ〟と止まり、クィっと頭を上げるような仕草をしてそしてパドルの方に振り向いて静かにパドルへと歩み寄った。


そしてパドルの前で


「先にちゃんと服を着て!」そう言ってパドルの服を手渡した。どうやらいつの間にか干して乾かしていてくれたようだ。


「お…、おう。」そうパドルは返事をしてそそくさと服を着た。


その様子をマリーは腰に手を当てて見ていた。



パドルは相変わらず気まずい。



そして服を着たパドルにマリーは着席するように促した。

二人で席に向かい合ったあと、マリーは静かに


「いただきます。」と言って朝食を食べ始めた。その様子を見てパドルも同じように「いただきます。」と言ってマリーが用意した朝食に手をつけた。


「ん…!うまい!」そう言って黙々とと平らげていく。あまりにもの食べっぷりにマリーは思わず


「アハハ…!」と声を上げて笑った。


パドルは何故マリーが突然笑い声を上げたのかわからなくてポカンとしていた。



そしてマリーはひとしきり笑い終えたあと、食事を続けた。マリーが用意したのは平民の中でも豪華な方だ。目玉焼きと野菜の付け合わせ、そして柔らかいパンだ。そこに野菜のくずから摂ったスープだ。


また再び静かな時間になった。そしてマリーが食べ終わって食器を片付けてからパドルに向かってようやく言葉を発した。



「パド、昨日のことだけど、謝らなくいいから。」


「え・でも俺…。」


パドルがそう言って戸惑っていると、マリーはキュッと口を尖らせて


「鈍感!」と言った。


「え…。え?!」


戸惑っていたパドルにマリーはそっとおでこにキスをした。


更にポカンとするパドル。



「パドって、本当に鈍感だから!だけど、これから先はもうないからね!」


「え…。もしかして俺、両想い?」


「……………。知らないっ!」そう言ってぷぃっとマリーは行ってしまった。



マリーの中で昨夜の出来事は一生大切にする思い出にするつもりなのだ。やはり身分を考えてパドの為にこれ以上共にするのはよくないと考えているからだ。


〝パド、昨夜はとても嬉しかったよ。だけどそれをあなたには言ってあげない。あなたは私を忘れなきゃいけないから…。〟そう胸の中で思ってマリーは自分自身をそっと抱きしめた。




さて、パドルが戻らない間に側妃ドロシアはどんどん婚約式の準備を始めた。ドロシアは早くことを済ませたいが為に婚約式を最短の3か月後に決めた。侯爵は側妃様がよほどララを気に入っているのだと思い違いをして喜んでそれに応じた。

ララは変わらず浮かない顔だ。そんな時、ルルがララに「あんたが皇太子妃ねぇ~。人生何があるかわからないわね。」そう言って祝福しているのかどうかわからない様子だった。



そんな婚約日程が告げられてから2か月が過ぎた頃、ルルが体調不良を頻繁に訴えた。


「ルルお嬢様、大丈夫ですか?」


「大丈夫じゃないわ。ご飯が食べれないわ…。なに、これ…。気持ち悪い…。」


ルルは一向に回復しない自分の体調に不安を抱いていた…。





ご覧下さりありがとうございます。マリーとパドルにも幸せになってもらいたいです。だけど二人には身分差があります。しかもまさかパドルが第一皇子だなんてマリーは思ってもいないのですが…。

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