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【完結】助けた女の子が実は皇子だなんて誰が思いますか?!  作者: 慧依琉:えいる


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第53話:結果、正式にルルの婚姻が認められる



サラマンの顔を見てルルは強張った。彼が来るということは父にも自身が帰宅していない事がバレているだろうからだ。


「サラマン…。父上がもうお帰りになったのね?」


その問いにサラマンは静かに首を横に振って「私が出て来る時はまだでございましたが、きっともうお戻りでしょう。」とだけ言った。


ダンテは事態の重さに自分も侯爵家に言って侯爵にお詫びを…と、申し出たが、サラマンがそれを断った。


「お察しください。きっとご主人様もダンテ様のお顔を冷静にはご覧になれないでしょう…。」


そう言われ、改めて伺うことにした。


「ルル、すまない。君一人にこんな重荷を背負わせる羽目になるなんて…。」


「ダンテ…。私も望んだ事ですからどうか気になさらないで。」


二人は見つめあった。その様子を見てサラマンは色々と察した。


「お嬢様、どうぞお乗り下さい。」そう言って馬車の扉を開けた。



ルルはダンテの方を見ると静かにダンテは頷いた。そしてルルはサラマンの手を借りて馬車に乗った。サラマンはダンテにお辞儀をしてから馬車に乗って、侯爵家へと向かった。

ダンテは馬車が見えなくなるまで見送って、そのまましばらく呆然とその場に立ち尽くしていた。




ルルとようやく結ばれた感動が、このあとルルが受けるであろう侯爵からの叱責を思うと自身の愚かさに後悔しだした。

〝せめてもっと時間に気を付けていれば…!!〟

しかしどんなに悔やんだとしても過ぎ去った出来事が覆るわけでもないのだ。




その後、ダンテは自身の邸に戻ったあと、自分の父母に今夜のことを話した。


「まだ婚約中ではあるが、ルル嬢を自分の身勝手で抱いてしまった…。」


公爵も夫人もすごく驚いていた。

真面目な我が子が分別をわきまえない行動を犯したことに憤りさえ感じたのだ。


「この…っ!馬鹿者がっ!!」という声と共に父である公爵の手がダンテに向けて振り上げられた!しかしそれを婦人が止めに入る!


「止めてあなた!どうか冷静に…。」そう言ってダンテの前に飛び出した妻を見て震える拳を下ろし黙り込んだ。


「お前も座りなさい。」そう父である公爵に言われてダンテはソファーに腰を掛けた。


話し合いの結果、婚姻式を早めようということだった。ルルが18歳になってから予定していたが、今年中に挙げようということで話がついた。

公爵が婚姻申し込み状を正式に書いてダンテがルルのクレハトール侯爵にお詫びに行く際に持って行かせることにした。


「これがこちらで出来る誠意だ。」


公爵が言った。


「ありがとう、父上。」


公爵は言葉を返さずに厳しい声で続けてダンテに言う。


「だが、もし子供が出来でもしたらお前たちの婚姻は認めるが、公爵家から絶縁する、それで良いな?」


「はい。僕はルル嬢と婚姻出来ればそれでいい。」


父は息子のまっすぐにそう答えた言葉の中に決意を見出して


「うむ、」とだけ小さく答えた。


こうして正式にルルを迎えに行く準備は出来た。




その頃、邸に着いたルルは父である侯爵にひどく責められていた。


「淑女たるもの、何という…!!」


「ごめんなさい、お父様。」


「いくら婚約しているとはいえ、そのまま婚姻出来るかはわからないのだぞ?それに醜聞にでもなったら嫁ぎ先が無くなってしまうではないか?!」


侯爵の怒りは最もだった。


「あなた、もうその辺で許してあげて。ルルも充分反省していると思うわ。」


母が助け船を出すが、返ってその怒りの矛先が母に向かうだけだった。


「そもそもお前がもっとルルをちゃんと教育していれば…!!」


そう詰め寄る父に対してルルが母の前に割入って


「お父様やめて!お母様は悪くありません。私が浅はかでした!」


と父に土下座をする。そんな二人の様子を見てシャルルも二人の前に立ち、


「父上、もうその辺で…。きっと明日には婚姻申し込み状を持参してダンテがやってくるでしょう。」


と言って父をなだめようとしたが、


「そんなもの、わかるか!」


変わらず激怒しているが、少しは期待しているのか、侯爵の怒りはそこで止った。



「とにかく、二度とこんな事があっては許さん!」


「わかりました。」


そう言ってルルは父侯爵にお辞儀をして部屋をあとにした。





翌日の朝、シャルルが言った通り、ダンテが婚姻申し込み状を持って侯爵家を訪ねた。


ダンテは侯爵と夫人に深くお辞儀をして何度も何度も誤った。侯爵は婚姻申し込み状を見て段々と表情が和らいでいった。


「そうか…。年内に婚姻式か。それならよい。」


「本当に申し訳ございませんでした。しかし、僕としてはルル嬢以外には考えられないのです。」


「君の気持ちはよくわかった。あの通り、娘は常識を持ち合わせていないので心配だったのだよ。その点君はちゃんと責任を果たしてくれるから安心だ。これからも頼むよ。」


「はい、お任せ下さい。」


最終的にはあの出来事がなかったかのように穏やかに話をしていた。




そしてダンテが帰る時に入れ替わりでファモアーゼ侯爵家からの使者が到着した。


ルルは不審に思った。交流がないからだ。



「ファモアーゼ侯爵家?ルシアンのところの…。どうしたんだろう?シャルルに用事があるなら自分で来るだろうに…。」


ダンテが言った。



「侯爵様。ララ様にルシアン・ファモアーゼ侯爵子息様よりお届け物でございます。」


使者はそう言って侯爵に挨拶をした。


「ん…?ファモアーゼ侯爵子息殿から?あぁ。シャルルから聞いているよ。どうぞ、運んでくれ。」


「はい、失礼致します。」


そう言って使者がいくつか荷物を運び込んだ。

その様子をルルとダンテも一緒に見ていた。


「あの箱はドレスね…。」ルルがそう呟くと「ではララ嬢に?ルシアンはいつララ嬢に会ったんだ?」とダンテも不思議そうに話した。

ルルは〝あいつもなかなかやるじゃない。ふっ、したたかな子ね〟と思って見ていた。

そう、ルルの中で自分は〝公爵家〟そしてララは〝侯爵家〟と縁を繋ぐことでララに勝ったような気がして満足していたのだった。






ご覧下さりありがとうございます。雨降って地固まるとは言いますが、結果オーライなルルたち。そしてララにはルシアンからドレスが贈られてきました。きっと今夜の舞踏会用のドレスでしょうね。

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