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【完結】助けた女の子が実は皇子だなんて誰が思いますか?!  作者: 慧依琉:えいる


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第51話:デビュタントの夜の余韻



シャルルと二人、先に侯爵邸へと帰宅するララ。馬車の中で今日の話をして二人は盛り上がっていた。

そしてララは正直に今夜あったことをシャルルには話した。ファモアーゼ侯爵子息、ルシアンがシャルルに〝わけあって〟としか説明しなかった例のアノ件だ。


「そんな事があったなんて…!お前は危なっかしいやつだな!本当に無事でよかったよ。今度会ったらちゃんとルシアンにお礼を言っておくよ。」


「ごめんなさい、お兄様。夜の庭園でのルールなんてすっかり関係ないことだと思って失念しておりましたの。本当にファモアーゼ侯爵子息様が助けて下さってよかったです。」


「あぁ、本当だ。お前がこうして今笑っていられるのもアイツのお陰だな。それでか、あの3人がダンスを申し込んできた時にお前の様子がおかしかったのは…。今は大丈夫か?」


「はい、もう大丈夫です。時間が経てば多分…。」


シャルルは席を外したことを後悔した。そんなシャルルにララは自分が軽率だったと言って二人でお互いに謝っていたため、何だかおかしくなって笑いあって、「もう忘れよう!」ということになった。

そして話題は明日の夜の舞踏会のことに…。



「そう言えば、お前ルシアンに誘われてたな。ドレスはどうするつもりだ?ルシアンのエスコートを受けるなら多分…。」


「多分?」


「あぁ、明日になればきっとわかるさ。おっ、もう邸についたな。今日は疲れただろう?早く休めよ?」


そうシャルルが言った時、馬車は止まって御者が「お邸に到着致しました。」と声を掛けた。

「失礼してもよろしいでしょうか。」と続いて声を掛けてきたので「ああ、よろしく頼む。」と、シャルルが返事をした。

すると御者が馬車の扉を開けたのでシャルルがまず先に降り、そのままシャルルはララに手を差し出したのでララはその手を取って馬車から降りた。


二人がちゃんと降りたのを確認して御者は二人に深くお辞儀をし去って行った。


「お帰りなさいませ。お坊ちゃま。お嬢様。」執事が出迎えた。その後ろにはララ付の侍女たち。



そう、この3年の間にルルが改心して、ララが正式に侯爵家の娘として認定されてからはララの部屋に移った。そしてララ付の侍女も2名ついたのだ。


「只今戻りました。」二人はそう答えた。



「お嬢様、お疲れでしょう。お湯の準備は整っております。」と、ララ付の侍女が言った。もちろん、シャルルのところも同じように言っていた。

シャルルの部屋は3階にある。今まで隣の続き部屋を使っていたが、元の部屋、つまり4階に戻ったのだ。


特に部屋が変わったからといって不便さはなかった。ただ、移動に距離がある。ほとんど生活機能は3階だ。2階は執務や業務を行う階で1階はお客様用の階となっているからだ。

ララは外出しない限りは3階と4階を行き来するくらいだ。不便ではない。


3階のように自室の一角、もしくは隣の続き部屋にお風呂があるわけではなく、4階は少し離れている。しかし4階を歩いているのはララと侍女たちくらいだ。お風呂上りだからと言って誰かと出くわすなんてこともほぼない。


ララは自室でドレスを脱いで簡単な部屋着に着替え、そしてお風呂へと向かう。風呂場では手伝いのために専属侍女が待っていた。

普段一人でも入れるララにとってはまだ慣れないものの、こういう疲れ切った時には至れり尽くせりしてくれるから有難いと思っていた。



湯舟に浸かったまま侍女が丁寧に洗ってくれるのだ。そんな至福の中、ララは今夜のことを思い出していた。

〝ファモアーゼ侯爵子息様、とても素敵だったわ。よく助けたあとで迫ってくる男性もいるとか聞いていたけど、彼は違ったわ。きちんと人が集まる場所まで送り届けてくれたし…。ちゃんと私の気持ちを優先しようとしてくれる。いい男性ね。〟


ララは彼を思い出してポッとなった。



「お嬢様。今夜はとても素敵な時間を過ごされたようですね。」


侍女、ミアが言った。彼女は美しく、珍しい黒髪だ。長いので両方に三つ編みをしてから後ろで一つにしているちょっとそばかすがある。そのせいでよく揶揄われているようだ。


「きっとお嬢様が一番輝いていたに違いありません!」


そう言ったのはもう一人の侍女、フラウだった。彼女はミアとは対照的に茶色く短い髪をしていた。


「もう、フラウったら。ふふ。お兄様と一緒だったから余計に注目されてしまったわ。」


「まぁ、それは大変でしたね。シャルル様は本当におモテになりますから…。」


ミアがそう言うとフラウも「そうそう。この皇国で1、2を争うほどの人気ですものね!」と、この侯爵家に従事出来てからの一番の自慢だと言っていた。


「ふふふ、二人ともお兄様付になれたらよかったのに…。」


「何をおっしゃいます?!私たちはララ様に付けて良かったと思っております。」


「そうですよ?ララ様はこんなにフレンドリーに接して下さるし…。」


「二人にそんな風に言ってもらえるなんて嬉しいわ。ありがとう。」


「ララ様~~!さぁ、お疲れのご様子ですから、しっかりとほぐして差し上げますね!」


こうしてララのデビュタントの夜は賑やかに穏やかに更けていった。




そんな風にララが過ごしていた時、秘書のサラマンからシャルルにとんでもない話が伝わった。


「───────なんだって?!ルルがまだ帰って来ていないだと!?」



時計は23時過ぎを指していた────────





ご覧下さりありがとうございます。初めてのデビュタントの余韻が楽しく残るララ。侯爵家に来てから初めて楽しく過ごせたのではないでしょうか。

そんな品行方正なララと違って、どうやらルルは夜も更けてしまったのにまだ帰ってきていないとの知らせが………………?


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