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【完結】助けた女の子が実は皇子だなんて誰が思いますか?!  作者: 慧依琉:えいる


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第49話:侯爵、ララを紹介するために奔走する



シャルルとともに会場内へと戻ったララはすぐに侯爵につかまった。


「全く、二人ともどこに行っていたんだ?!今日は大切なお披露目があるだろう?」


「すみません、父上。」「すみません、お父様。」シャルルとララは二人で侯爵に謝った。


侯爵は手をサッと挙げて〝もうよい〟という仕草を見せた。そしてついて来いと言うかのように身体を翻し、国王の元に向かって行った。

ちょうど陛下は側妃殿と共に階下に降りて来ていたのだった。


中央ホールではダンスをする者で溢れていた。その周りではおしゃべりを楽しむ者たちだ。そんな中をクレハトール侯爵家の四人が歩いているとそれなりに目立っていた。

ルルはちょうど中央ホールでダンテとダンスを楽しんでいた。が、そんなルルでさえ四人の姿は目に入ってきた。


〝四人揃って…。ララの紹介ってところね。〟ルルはそう思いながらダンテとのダンスを楽しんだ。



四人は陛下の目前までたどり着いた時、陛下の側近が陛下に耳打ちをしたため陛下はこちらの方を向いた。



それを機に四人揃って陛下にお辞儀をして、まずは侯爵が


「皇国の太陽、陛下にクレハトール侯爵家リゾルテがご挨拶申し上げます。」


そう挨拶をした。陛下は手を挙げて〝よい〟というサインをした。


「本日は我が娘がこのように素敵な場所でデビュタントを無事行うことが出来ましたこと、有難く存じます。長女ルルは只今婚約者殿と中央ホールでダンスを楽しんでおります。そして双子の妹であるララが病気療養から戻ってまいりまして、こちらもこの度デビュタントを迎えることが出来ましたので、ご挨拶に伺いました。」


そう言ってララの方を手で紹介した。


ララはスッとお辞儀をした。


「ふむ。そちにはもう一人娘がいたのか…。今まで公にしなかったのは双子が不吉だと言われていたからか?」


陛下は核心を突いて来た。焦る侯爵。当初の筋書き通り、あくまで病気療養で通すようだ。チラッとララの方を見た。ララはふぅ~っと深呼吸をしてから


「陛下、お初にお目にかかります。ララでございます。産まれてすぐに重篤な症状がありましたゆえ、公に公表するタイミングを逃してしまったのでございます。ですが、このように無事病も克服し、他の皆様と同じようにデビュタントを迎えることができ、とても嬉しく思います。素敵な会場をありがとうございます。」


と、陛下に述べた。


〝この娘、きっと苦労しただろうに、家門のためにこのように堂々と………………。この娘に免じて騙されたふりをしてやろうか。〟


「そうか、大変であったな。しかし今は大丈夫なようだ。しかと家門のために、この社交界を華やかにすることに一役買ってくれることを願うぞ?」


「はい、有難きお言葉でございます。」


そうして深くお辞儀をした。


「侯爵、よい娘が二人もいて羨ましいぞ?私は男児だけなのでな、早く皇子たちの妃を見てみたいものだよ。ははは。」


そう言って陛下はご機嫌だった。侯爵はホッとして


「第一皇子様も第二皇子様もそろそろお迎えされてもおかしくない年齢ですので、間もなく陛下の願いは叶いましょう。」


「そうだとよいのだがな、第一皇子はフラフラしているし、第二皇子はまだ公の場にすら出ようとしない。二人とも中々の問題児だよ。私は頭を抱えるばかりだ。」


そういうと側妃が隣から


「陛下、第二皇子はともかく、第一皇子であるパドルは手探りながら頑張っております。そのような発言はお控え下さい。」


「これはこれは、側妃に免じてこれ以上は黙っているとしよう。さぁ、そなたらも会場に戻り、残り時間を楽しんでまいれ。」


「はっ。失礼致します。」


そう侯爵が言って、全員お辞儀をし、その場をあとにした。そのあとララは侯爵のあとについて各貴族家たちの所に挨拶に回っていった。

侯爵が事情を話し、ララはニッコリと笑って「ララです。よろしくお願いいたします。」と挨拶をしてカーテシーをするだけで済んだ。貴族家たちも大勢に挨拶をする状況を察して軽く挨拶を済ませたのだ。


だが、それを何十回とこなしていれば流石に疲れてきた様子。ララはそっと侯爵の顔を見た。


〝流石ね…。これだけの人数を相手にしても全然疲れを感じさせないなんて…。〟


そしてシャルルの方も見た。


〝あ…、こっちはこっちで全然余裕だわ。そりゃモテるわよね…。〟


そうこうしているうちにシャルルの婚約者の家門であるビステア侯爵家の方々の所に辿り着いた。

待ち受けてくれているリアンヌ嬢は頬を少し赤らめていてシャルルに熱い視線を送っていた。そしてビステア家は皆、温かい雰囲気で応対してくれたのだ。


侯爵の紹介によってララが挨拶をすると、


「ララ嬢、そんなにかしこまらないで。この先、私たちは家族になるのですから…。」


そうリアンヌ嬢が声を掛けてくれた。


「リアン…。」


そう優しく呟いたのは他でもない、シャルルだった。リアンヌ嬢はシャルルの言葉が聞えていたのか、シャルルに向けてニッコリとほほ笑んだ。


「父上。少し席を外しても?」


シャルルが侯爵に向かって尋ねた。侯爵は「かまわない。」と一言だけ返事をした。多分、シャルルが何故そう申し出たのか、わかっていたのだろう。そして、そこにいた全員が同じようにシャルルがそう申し出た意味を理解していた。



そしてシャルルはリアンヌ嬢に手を差し出して


「リアン…、僕と踊ってくれませんか?」


と言った。

リアンヌ嬢は、


「はい、喜んで。」


と言ってシャルルの手を取って、二人は微笑みながら中央ホールへと歩いて行った。

その様子を両家の人間が温かく見守る。


母親同士は「若いっていいわね~。」なんて言っている。父親同士は「そろそろ婚姻式をしてもいい頃だな、」などと言っており、両家の仲は本当に良さそうだ。

今夜のこともそうだ。本来、婚約者を優先すべきところを快くララのために譲ってくれたのだ。


〝素敵な家族だわ…。あの方が将来のお義姉さま…。〟


ララはリアンヌ嬢が羨ましくも思えた。それと同時にシャルルがリアンヌにべた惚れなんだという理由に納得した。






ご覧下さりありがとうございます。今回、ララを正式に紹介するためのシーンとなりました。そこで兄、シャルルの婚約者であるリアンヌ嬢と会います。その家族共に素敵な人達であったためにララは心が温かくなりました。


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