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【完結】助けた女の子が実は皇子だなんて誰が思いますか?!  作者: 慧依琉:えいる


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第43話:ララ、やっと家族になる?!




それからしばらくはルルが必死に頑張っているせいか、ララの代役の機会はなかった。その代わりにララは侯爵令嬢としての知識とマナーをしっかりと教育されていく。今までとは違う分野もありで少し戸惑ったりもした。

その間、この前の件でルルは改心したのだろか、やはり虐めてこない。それはそれでララが安心して暮らせるのでよかった。

ルルがララを虐めなくなった為に侍女たちからの嫌がらせも止まった。

実質ララは侯爵家にとって必要な人材だと認められたようなものだからだ。侯爵も時々ララも食堂に呼び、家族そろって食事をするようになった。


相変わらず食事中は無言になってしまうが…。それでも月に一度はそういう機会を設けてくれた。これが侍女たちへの牽制となったのだ。



そして、時々口論はあったものの、以前のように体罰的なことはなくなり、仲の悪い家族らしくなり、あっという間に3年が過ぎてララもルルも16歳になり、社交界デビューをする年がやってきた。


夫人はララが侯爵家にやってきた当初はよそよそしかったが、徐々に娘として受け入れていった。ララが素直に母として接する事が出来ないでいるだけだ。

逆に侯爵とは距離が縮まらないでいた。ルルとは相変わらずだ。しかし同じ空間にいても特にヒステリーを起こすような事はなくなっていた。




「今年は社交界デビューね。」


侯爵夫人がそう言った。


ルルは目を輝かせて


「お母様っ!とびっきりのドレスをお願い!絶対に誰よりも綺麗になってダンテ様とファーストダンスを踊りたいわ!」


母にドレス一式の新調をねだった。

ララは身代わりでしかない自分には関係ないと思って黙って部屋を出ようとした。


「ララ…。あなたもドレスを作りましょう。デビュタントは人生で一度しかないの。あなたも元の髪色でこっそりパーティーだけでも楽しんでいらっしゃい。」


夫人がララにそう声をかけた。そして続けた。


「安心して。これは主人、侯爵にもちゃんと許可を取ってあるわ。堂々とは出してあげられないけど、こっそり行くのはいいと言うことよ。」


「本当ですか?奥様。」


「ララ、いい加減お母様とか母上とか呼んもらえないかしら?」


「………………。」


ララが戸惑っていると夫人は溜息をついて


「仕方ないわね。それだけの事を私もあなたにしてしまったのだから…。」


そう言って残念そうにしていた。そんな時、シャルルが母に向かって言葉を発した。



「母上、当日は私がララを連れて行ってもよろしいでしょうか。」


「あら、駄目よ。あなたリアンヌ嬢はどうするの?」


「彼女は先に彼女の兄と共に会場に行くと言っておりました。」


「あら?それは…あなた、彼女にララのことを話したの?」


「いえ。流石に許可もなくララを公式に出せないと思って言っておりません。」


夫人はまた溜息をついて


「駄目よ。元の髪色でって言ったでしょ?ララが妹だって紹介していない以上、他の令嬢だと思われたらあなた、リアンヌ嬢から破婚を言い渡されても仕方なくてよ?」


「それは…!!」


ここでララが話に割って入ってきた。


「大丈夫です、シャルル!私は途中でこっそり馬車から降ろしてもらえれば後は歩いて会場まで行きます。」


ララがそう言ったが、シャルルは〝ハッ〟と思い出した。招待状だ!


「だが招待状も持っていないとなると入場すら危ういのでは?」


それを聞いて夫人もすっかり忘れていたことに気付いた。


「それもそうね…。」



ここで侯爵が話に割り込んできた。どうやら仕事を終えて談話室に来たのだろう。


「あぁ、その件だが、よくよく考えて正式にララを娘として公表することにした。」


「え?!」


皆が一斉に侯爵を見る。あんなに双子は不吉だからとか言って今まで隠してきたのに?



皆が注目する中、侯爵は続けて言った。


「どうやら今は双子が不吉だというのは迷信だということで誰も何も言わない風潮になっている。教会ですら双子は幸運の印だとすら言い出したんだ。だからこれを機に発表するぞ!いいな?」



どうやら侯爵は何かが吹っ切れたかのようにそう言い放った。周りは唖然とするばかり…。そんな中夫人が侯爵に疑問をぶつけた。



「それはそうですが…。でしたら今までどうしていたのか問われますでしょ?」


侯爵はニヤリと笑って


「病弱で遠い親戚の元で療養していた事にすればいい。大丈夫だ。誰もそこまで調べんよ。」


そう言ってソファーにドカっと座った。



侯爵は皆の顔を一通り見回してから、視線をララに向けて言い放つ。


「そこでだ、ララ。今度は私たちのことを家族として呼称しなさい。」


「侯爵様…。」


「違う!父上だ。もしくはお父様でもよい。どちらかで呼びなさい。」


「は、はい…。」


ララはとても戸惑っていた。これは願っていたこと?それとも大どんでん返しでもあるの?



「………………っ、お父様。」


小さくポツリと呟いた。


「ほほぅ、そうきたか。よいぞ、それで。ハハハッ!お前は出来が良いから頼もしい!」


そう言って豪快に笑った。


戸惑うララと反対にルルはその父の喜びようが気に食わなかったようで表情がどんどん険しくなっていった。



「じゃぁ、ララ。僕のことも呼んでよ!」


「もう、お兄様のいじわるっ!」


これは咄嗟に出た言葉だった。ララ自身、いつかはお兄様とシャルルの事を呼んでみたいと思っていたから素直に出たのだった。


「ハハハッ!やっと呼んでくれたね!嬉しいよ、これでやっと僕も君の兄になったわけだ!」


あまりにものシャルルの嬉しそうな姿にララは心の中が温かくなるのを感じた。ただ、ルルの冷たい視線がまっすぐにララに向かって突きつけられていた事に気付かずに………………。






ご覧下さりありがとうございます。今回でようやくララは家族として認められました。この会話からは母と兄はララに好意的に感じます。父に関してはまだよくわかりませんが、ルルには歓迎されていないようですね。少し心配です。


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