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【完結】助けた女の子が実は皇子だなんて誰が思いますか?!  作者: 慧依琉:えいる


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第35話:追い出したいのにどうしてもアイツが必要になるなんて…‼



ここはダンテのプラスタール公爵家。

丁度今、ダンテの婚約者、ルル・クレハトール令嬢の学年3位のお祝いディナーをしていたところだ。

和気あいあいとディナーは進んでいたが、公爵からとんでもない一言が飛び出してきた。ルルが固まっていたが、公爵はご機嫌だ。


「私はいい案だと思うのだが、どうかね?一度お茶会に参加してはくれまいか?」


「そ…う、ですわね…。ほほほ…。お父様にも聞いてみますわ。」


「あぁ…、先程使いを出してな、良き返事を頂いているのだ。しかし、本人にも良き返事を頂いてからでないと話を進められないからね。」




────ルルが困っている。


それは、今回学年3位を取得した事でファモアーゼ侯爵家が主催する支援活動プログラムでの発表に参加して欲しいという要望だった。


ルルが困っているのは、そもそも学がないルルには無理だということ。そして、ファモアーゼ侯爵家と言えばあのいけすかないルシアンの家門だからだ。

断りたいところだが、既に逃げ道である「父に…」と言うのが使えない事で、受ける他手立てがなかったのだ。


「そう…ですわね。仕方ありません。公爵様からのお誘い、無下に出来ませんわ。」


そう返事をした。本当に学がある者であれば、「公爵様からのお誘い、光栄に思います。」と答えるぺきであろう。その点については公爵は気付いていたが、まだ若いからその辺まで気が回らなかっただけだろうと思ったのだった。



〝こうなったらアイツを出すしかないわね…!〟


ルルはみんなが見えない位置で手をギリギリと握った。



本来、ララの存在を無視したい所だが、学年3位などという快挙、どうしても無視出来ない事になってしまった。


〝きっとお父様もアイツのこと、見直したのかもしれないわ。ふん、でも私が学園を卒業してしまえばアイツは用無しね。それまでの辛抱よ。ふふふ…。〟



そう思っていた時にダンテと目が合った。

ルルは咄嗟にニッコリと笑顔を作ってダンテに微笑んだ。ダンテもニッコリと微笑み返した。


その様子を遠くから見ていた公爵はさっきのルシアンの言葉を思い出していた。


〝ダンテはルル嬢に振り回されてる感じがあります。〟


────うむ、確かにそうかもしれぬな…。


公爵はルルに視線をやった。



〝あのように朗らかな娘がダンテを振り回しているとは…見た目ではわからんの…。ダンテをしっかりと支えていけると言えばそうなのやもしれぬが…。〟




それからほどなくしてルルへのお祝いディナーが終了した。


「本日は私のためにとても素敵なお祝いディナーにご招待いただきありがとうございました。とても嬉しいですわ。」


「こちらこそ、喜んでいただけたならよかったわ。またぜひいらしてね。」


公爵夫人がルルにそう言った。


「はい。夫人。ぜひとも…。」


ルルはそう言って夫人にカーテシーをした。



「ルル嬢。お邸まで送りましょう。」


「はい、ダンテ様。お願い致します。」



そしてダンテと共にルルが馬車に乗り込んだ。馬車の窓からダンテが父に向かって


「それでは僕は彼女を送ってきます。」


と言った。公爵は


「うむ。」


とだけ返事をし、二人を見送った。






帰りの馬車の中でルルはダンテに問う。


「どうしても出なきゃ駄目?」


ルルは上目遣いでダンテを見つめ、その瞳はウルウルしている。ダンテは一瞬、「そんなの出なくてもいいよ。」と言いそうになったが、ここはグッと我慢してルルに言った。


「うん、君の言う事は全部聞いてあげたいけど、こればかりは家同志の繋がりがあるから…。それに、これは君にとってもチャンスだと思うんだ!君の見分をもっと広げるいい機会だと思うから、ね?」


ルルはダンテにウルウル攻撃が効かなかった事がショックだった。〝君のため…、か。〟そう思った時のルルは無表情になっていただろう。だが、ダンテにとってはただ落ち込んでむくれているだけだと思っていた。


ルルは指を噛みながら〝こうなったらやっぱりアイツを使うしかないのね。〟と悔しがっていた。


ダンテはそんなルルに「駄目だよ、ルル殿。指が傷んでしまう。」と、そう言ってそっとルルの手を取って口元から外した。


「ね?」


と、ダンテはルルを見てほほ笑んだ。


「………………。」


ルルはダンテの事は好きだ。公爵家という地位も好きだ。そしてとことんルルを甘やかす部分も好きだ。だが、こういう諫めるところはちょっとムッとしていた。実際、ダンテほどの男がルルにここまで惚れ込んでいるのも不思議なほどだ。その地位から沢山の令嬢の中から選びたい放題なのに、学友であるシャルルがききっかけでルルと出会ってからは他の令嬢が目に入らないほど、ルルに激アマラブなのだ。


ルルもふっと笑って、


「そうですわね、ダンテ様。」


と笑顔で返した。そのあとは二人で次のデートをどこにするかなど侯爵邸に着くまで馬車の中で話し合って盛り上がっていたのは言うまでもないだろう…。







ご覧下さりありがとうございます。ララが頑張った結果、学年3位という快挙なのはいいことでしたが、それが仇となって今度はピンチに陥るルル。しかし、ここでもまたララに代役をさせようと企みます。本当はララを追い出したいのにそれが出来ないことにイライラするルル。


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