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【完結】助けた女の子が実は皇子だなんて誰が思いますか?!  作者: 慧依琉:えいる


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第31話:ルル、公爵邸に招かれる!馬車の中で現を抜かすダンテを目の当たりにするルシアン…



授業が終わり、帰宅する為に馬車待合まで歩いている時、またもやダンテに出会うルル。


「まぁ、ダンテ様!」


「ルル嬢、学年3位おめでとうございます。お祝いをしたくて待っておりました。」


「お耳が早いのですね、ありがとうございます。」


ルルがそうダンテにお礼を言うとダンテはルルにサッと腕を差し出した。


「さあ、僕が送りましょう。」


「ええ。お願いしますわ。」


そしてダンテは御者に侯爵家の御者にその旨を伝えるようそっと指示した。

ルルはダンテのエスコートを受けながら公爵家の馬車に乗り込んだ。


乗ってから驚いた!



「あなたは…………!」


「あぁ、失礼。今日は公爵家へ行くと言うので相乗りを許してもらった。」


そう言うのはファモアーゼ侯爵子息、つまりルシアンだ。



「………………。」


ルルは不機嫌そうに黙って座った。そしてすぐさまダンテが馬車に乗り込んでルルの横に座った。本来であればそこで挨拶をするのが淑女であるが、それをしなかったルルに対してダンテは何も咎めなかった。ダンテの中でルシアンは友でもあるからという油断からだった。


「ルル嬢、すまないね。今日はどうしてもこうしないといけなくて…。」


「仕方ありませんわね。お仕事の一環でもあるのでしょう?私が文句を言える立場ではありませんから。」


「ハハハ…。」


二人のやり取りを見てルシアンが苦笑いした。そんなルシアンにルルは〝ムッ〟としたが、さっきの言葉で気になったところがあったのでダンテに聞く事にした。


「あの、ダンテ様。さっきファモアーゼ子息が言っておりましたが、公爵邸へ行くのですか?」


「あぁ、うちの両親も将来の娘になるのだから一緒にお祝いをしたいという事で食事の用意をしているんだ。都合が悪かったかな?君のご両親にはもう許可は頂いているんだが…。」


〝既に根回し済ってことね…。私が断る理由なんてないじゃない。でも、悪くないわね。こいつさえいなければ何も問題なかったのに…。〟


ルルは内心ではそう思いつつも


「そうね。そこまでして頂いて感激だわ。」と言った。その言葉に対して


「そうか、それは良かった。」


そう言ってダンテは笑顔を見せた。ルルはその顔がとびきり好きでうっとりとした瞳で見つめていた。



〝行先が違ったのならよかったのだが、この馬車に相乗りしたのが間違いだったな。さっきからこんな腑抜けたダンテを見る羽目になるとはな…。〟


ルシアンはゲッソリしながら書類に目を通して目の前の二人の様子を見ないようにしていた。ルシアンにとって公爵邸に着くまでの時間はいつもの3倍くらい長く感じていた。


〝馬で行ってもよかったのだが、目立たずに行くにはこうするしかなかったのだ。〟


頭を抱えていた。




「そうだわ。ダンテ様、昨日せっかくプレゼントして下さったピアスなんですが、下女とおそろいになっていたんですの…。」


「おや、その下女はそれを買うだけのお金を持っているのかい?」


「いいえ、誰かにプレゼントしてもらったって言っていたわ。私、大切にしていたのに、何だか…。」


そう言ってルルはシュンと下を向いた。それを見てダンテはルルが気の毒に思ってしまったようで、


「ルル嬢。気にしないで。僕がまた違う物をプレゼントするよ。明日!また一緒に見に行かないかい?」


「まあ嬉しいわ!でしたらこの前のお店とは違うお店でお願いしたいの。また同じのになったら嫌だから。」


「わかったよ。君の気の済むところにしよう。」


ルルはニヤリと笑った。ダンテは気付いていないが、ルシアンは見逃さなかった。


〝待てよ?ダンテ…。盲目的になってやしないか?それってねだられてるぞ?ちょっと疑問持っ方がよくないか?〟


ルシアンにとってダンテは右腕と言っても過言ではない。その彼が婚約者に振り回されているようなのだ。共に協力しあってるのなら良いのだが、どう見ても婚約者に頭が上がらない様子。ダンテの将来が心配になってきた。


そんな3人の思惑がすれ違う中、馬車はガタコゴトと車輪が音を立てながら公爵邸を目指して走っていた。




公爵邸に着くとダンテが先に降りてルルをエスコートする。そして二人でさっさと邸内へと入っていった。


〝おいおいおい。俺は置いてけぼりか?〟ルシアンは心の声を静かにしまって出迎えた執事に「公爵に招待を受けた」と言って公爵の応接間へと通してもらった。




ダンテのエスコートで邸内へ入って行ったルルはダンテの両親に挨拶をして、夕食パーティーのためにドレスアップをするようにと部屋へ案内された。客間だ。ルルは室内に入って目を輝かせていた。

床は一面大理石。そして家具がある所はラグを敷き詰めて傷がつかないようにされていた。調度品はどれも品のよい一流品だ。一番は部屋がとても広いことだった。自分の侯爵邸での客間の倍はあるだろう。


「ダンテ様、お部屋、とても素敵ですね。」


「あぁ、特別な客間だからね。ゆっくり用意してくるといいよ。夕食会は7時からだから。」


「はい、ありがとうございます。」


「じゃぁ、みんな支度を頼んだよ。」


「はい。坊ちゃま。」


そうしてダンテは階下の母がいる応接間へと歩いて行った。




ダンテが応接間へと入ったところで、ダンテの母がダンテに声を掛ける。


「ルル嬢は相変わらず可愛らしい方ね。」


「ええ。とても可愛いところを持ち合わせてますね。」


「あなた本当にルル嬢のことが大好きなのね。」


ハハハ…。という穏やかな笑い声が部屋の中で響いていた。



一方、公爵の応接間ではルシアンが公爵に呼ばれて座っていた。





ご覧下さりありがとうございます。ルシアンを目の敵にするルル。そしてルシアンもルルによくない印象を抱いていた。そのことにダンテは気付いていなかったのだ。

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