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【完結】助けた女の子が実は皇子だなんて誰が思いますか?!  作者: 慧依琉:えいる


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第26話:ルシアンの過去、そしてララとの出会いに至るまで…



父王であるスクラバ王は王妃を亡くした悲しみから王妃の面影が強く残るルシアンを見るたびに悲しみが込み上げてくるせいで、ルシアンを遠ざけていった。8歳…。まだ親に頼りたい年ごろなのに母は亡くなり、父は仕事だと言ってルシアンを放置している状況は子供心にも理解していた。だからルシアンは父王を頼らずに王から遣わされた側近を頼ることとなる。すなわち、母の実家であるファモアーゼ侯爵家の当主だ。


ルシアンからしてみれば祖父にあたる。唯一心を許せる相手でもあった。


そんなある日、ルシアンは強い毒を食事に混ぜられていた。このままではルシアンの命が危ないと判断したファモアーゼ当主は苦しむルシアンを無理やり馬車に乗せて自分の領地へと戻って行ったのだ。


王にはルシアンが病にかかり、田舎での治療が有効であることを語り自領での生活を確約してきたのだ。

ファモアーゼ侯爵家に着いてからルシアンはゆっくりと回復していき、何とか命を繋いできた。



療養している間も何度も刺客がルシアンを狙ってきたが、ファモアーゼ侯爵家の護衛や騎士団によって事なきを得たのだった。


「ルシアンよ…。フラシアによく似ておる…。どうかフラシアの分まで長生きしておくれ。」


祖父である侯爵は何度も何度も眠っているルシアンの耳元で囁いた。侯爵はそのたびに王がどうして実の息子であるルシアンに無関心でいられるのか不思議でならなかった。フラシアのことを深く愛していたのなら、尚更、彼女によく似たルシアンを大切にするだろうに…。到底理解が出来なかったのだ。





そしてララと出会ったあの日もそうだった。

ファモアーゼ侯爵領とポツトマ子爵領は隣合わせになっており、あの日は侯爵と共にポツトマ子爵領まで出かけていた。侯爵が知人と出会って立ち話をしている間に少し離れたところでルシアンが待っていた時に怪しい男たちに追われることになり、逃げていた時に足を滑らせて川に落ちたのだった。


男たちは川の流れや深さ、そして周りに誰もいないことで完全に気を抜いてその場を立ち去ったのだった。



ルシアンは川に落ちて一度ドボンと川底に沈んだ時に魔法で女の子の姿に変身していたのだった。頭だけなら男か女かわからないだろうと思ったからだ。しかし、川底に沈んだ段階で男たちは油断して去って行ってたのだ。



しかし、あの時、ララたちがルシアンの元に駆け付けていなければ確実にルシアンは溺れていた。ルシアンのように王都に住む人間は泳ぐことなど体験していないからだ。だから追手もそれ以上は確認しなかったのだ。




ルシアンはあの日の事を思い出していた。

いくら泳ぐことが出来るとしてもララとケイティーは勇気を持って助けに来てくれた、その事を。


その感謝してもしきれない大切なララが亡くなっていた、ルシアンの悲しみの深さは計り知れないだろう。





そんなルシアンの心境も知らずにララはシャルルの元で〝侯爵令嬢〟としての訓練を受けていた。


「うん、マナーはほぼ直すところはないね。あとは侯爵家としての知識を身に付けてもらおうか。」


「ん?皇国語は大丈夫そうだな。ではパスタルテン語はどうだ?皇国以外の国ではパスタルテン語が主流言語となるんだ。要人を迎えた時には必要となる。」


「それは………………。」


「あぁ、流石に子爵家ではそこまで知らないのか。仕方ない、これも追加だ。」


シャルルは徹底してララが受けた教育と公爵家として必要な教育を比較して補うべき問題を抜き出した。



「じゃぁ、明日までにこの5冊をまず読んでしまって。それと別にパスタルテン語を一日3つは読み書き、そして意味を含めて覚えてもらおうか。」


そう言ってドサッと分厚い5冊とパスタルテン語の単語を綴った冊子をララが使っている部屋の机の上に置いた。


「スクラバ皇国の歴史」「スクラバ皇国と他国との繋がり」「貴族名鑑」「クレハトール侯爵家の歴史」「淑女のための基本」



「うわぁぁぁ、どれも重みがありすぎる、シャルル、これを一日で?」


「あぁ、そうだよ。そのためにお前には何もさせないように俺が監視してるんだ。」


〝これだと下働きしてる方がマシかも…。〟とララは心の中で思った。



「これで音を上げてたら駄目だからな、本来10年かけてする教育をひと月以内には終わらせるだ。まだダンスの練習もあるんだからな!それはこれらの最低限の知識のあとにしてやる。」


「えぇ~~~~~っ!ダンスの練習も?!」


ララは驚いた。が、ちょっと思った。


〝ダンスの練習ならいけるかも。だってずっと子爵領では走り回っていたんですもの。〟と、少しだけ希望が見えた。



が、ララは気付いていなかった。

ダンスはまずドレスを着ていること、そして足元はヒールを履いていることだ。

子爵領ではヒールを履くことなどほとんどなかったのだから…。










ご覧下さりありがとうございます。ルシアンは愛情に飢えた子供だったのです。それがララとの出会いによって沢山の愛情を身に受けることとなったのです。だから彼女がいなくなってしまった事に深い悲しみを感じていました。そして肝心のララはシャルルの厳しい特訓に追われています。


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