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【完結】助けた女の子が実は皇子だなんて誰が思いますか?!  作者: 慧依琉:えいる


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108/108

第108話:愛だけを胸に抱いて! わだかまりはあの空のむこうへ…



そんな小さな謁見の間の控室…。庭園が見える小窓からの暖かくて優しい光が二人を包み込む。

逆プロポーズをしたララに感激して思わず言葉が出てこなかったルシアン、そして中々ルシアンからの言葉がない事に不安が押し寄せるララ。

やっとのことで出たルシアンからの言葉は「ララ」の名前だった。


ララは自分を呼ぶ名前がこんなにも素敵なのだと今、初めて気付いたのだ。


「ルシアン様…。」


「ララ…。」


二人は自然とお互いに歩みより、熱く抱擁していた。ルシアンの腕の中でララはとても安心していた。


〝あぁ…。私、この安心を自分から手放そうとしていたのね…。〟そう思ってそして手放さずに済んでよかったと心底思った。


そしてルシアンがふと、口を滑らした。



「あぁ。これはルル嬢に感謝だな…。」



その言葉を聞いてララは全てを察した。


〝そう言えばルルの様子がおかしかったわ。いつもならただ罵倒するだけなのに、何だか私の答えを誘導するかのように煽ってきていたものね。そうか、そういう事だったのね…。ふふ。〟



そしてララが顔を上げるとルシアンの顔が近付いてきてララはそっと目を閉じた。






そしてクレハトール侯爵家では


「まあ、まだ私のお部屋はそのままにしてあるんですの?」


ルルが侯爵にそう言った。


「ああ、お前が辛かったらきっと帰ってくるだろうと思ってな。」


〝────お父様…。〟


ルルは家庭を顧みず、自分たちを家門の駒のように扱っていた父が実はこういう面を持っていた事に少し感動した。


「お父様、諦めが悪いですわ!私、また公爵位に戻れるかもしれませんのよ?」


「そうか、それはよかった。」


侯爵はルルの言う事を本気だとは捉えていなかった。




「もう!本当ですのに!ララが陛下と上手くいけば陛下はそうして下さるのですよ!」


「ほぉ、お前、陛下に申し出たのか?ひょっとして今回の陛下の書状は……………。」


ルルはやっと理解したか、というように、ふっと笑った。



侯爵もそれで全てを納得したようだった。




それから数日後、色々な事が明らかになった。


まず、ルルとダンテのことだ。ルルと取引をしていたルシアンは約束通り、二人に新たな公爵家を設立させた。「トリスタ公爵家」だ。まだまだ二人の醜聞は消えてはいないがそれなりに馴染んでいくだろう。

そしてルシアンは新たな法律を作り、婚約者同士の婚姻前の懐妊については今後醜聞とはせずに不問とした。それは今回活躍したルルへの二人からの褒美であった。



それから廃側妃の影である人物が全員捕まったのだ。そして彼らは故郷の家族を人質に取られて側妃に悪事をさせられていた事がわかった。


ルシアンは彼らの能力を買い、家族を自由にした上で自分に仕える気はないかと彼らに進言した。


スペードを始めとした彼らは「自分を殺そうとした相手を自分に仕えさせるのか?」と大変驚いていた。普通ではあり得ないからだ。だが、ルシアンは自分も父王や側妃の被害者であるので、彼らの事を処罰する気になれなかったのだ。


スペードは特にルシアンの能力の事を知っているので自分は殺されて口封じされても不思議ではない立場であるのに、家族は開放されたのだ。そんなルシアンの人柄を信頼したスペードは「断る理由がない」の一言でルシアンと即、契約をしたのだ。すると他の仲間たちも同様にルシアンと契約を交わし、ルシアンの周りは高い能力の持ち主で固められ、誰も暗殺を試みる事が不可能となった。


これらの経緯を見てララはひたすら笑っていた。





「そう言えば、パドル様たちはどうしてるのでしょうね?」


ララがふと、思い出したかのようにそう言った。


「さあな、きっと二人で上手くやってるんじゃないか?」


「ふふっ、そうね。」


そう言ったララの唇をルシアンが塞いだ…。



「……………もう、ルシアン、ダメじゃない。」


「ララが綺麗すぎるから…。」


ララは顔を真っ赤にしている。お互いに信頼しあい、障害を乗り越えてきた二人だからこそこれからも協力して乗り越えていくのだろう。そしてそんな二人だからこそ醸し出される甘い雰囲気…。





「えー、コホン!私もここにいるのですが、お忘れですか?お二人さん!」



そう声をかけるのはシビルだった。


「シビルだけじゃないんだけど?俺もいるぞ?それに皆待ってるんだからな?」


そう言うのはシャルルだった。



そう、今日は二人の結婚式だ。



「きゃっ。」ララは二人に見られていたのかと思うと恥ずかしくなった。


「なんだ…。いたのか。」


ルシアンは冷めた口調でそう言ったが、


「知っててララ嬢に迫ったくせに!」


シビルの突っ込みで全てが暴露された。



「もうっ、ルシアンのばかっ!」


そう言ってララがルシアンを置いて行こうとしたのでルシアンは後ろからララにギュッと抱き着いて「きゃっ!」とララが驚いているうちにララをお姫様抱っこした。


「ル…、ルシアン…!!」


慌てるララ。恥ずかしさで一杯だったがルシアンが余りにも楽しそうに笑っているからそのままルシアンに抱えられたまま式場へと入場していった。


そして挙式の最中もずっとララをお姫様抱っこしたまま式が始まり、二人で永遠の愛を誓う。ララは恥ずかしい気持ちもあったが、ルシアンがずっと笑顔なので「こういうのもありかな」ということでララ自身も楽しむことにした。



参列者たちはラブラブな二人に目のやり場をどうしたものかと思いながらも、二人が楽しそうに幸せそうにしているのを見てみんなが幸せな気持ちになった。



空も青く晴れ渡り風が優しく吹き抜けていく…。

きっとルシアンは国民に優しい王となり、そんなルシアンをララは優しく、時には厳しく支えていくのだろう…。



〝まさかあの時助けた女の子が実は皇子だなんて誰が思いますか?そしてその皇子が王となってその人と結婚するだなんて誰が思いますか?色々あったけど本当にあの時巡り会えてよかった…。〟


ララはそう心の中で思って雲一つない青空を見つめて幸せをかみしめて心からの笑顔をルシアンに向けた────





―END—




ご覧下さりありがとうございます。とうとう完結しました。忘れ去られそうになったスペードたちの末路は明るい未来でした。

私の中で当初の予定ではポツトマ子爵やリゾルテ・クレハトール侯爵のララに対する扱いにルシアンが断罪する予定でしたが、書いてるうちにこういう流れとなっていき、円満にハッピーエンドにしました。ドロドロを期待していた方には申し訳なかったです。この終わり方だと続編を書こうと思ったら書けないこともないですね!

また機会がありましたら見て下さると嬉しいです。


次作も書き始めておりますが、しばらくお休みをしてから投稿開始したいと思っております。

それではまたその日まで…!

ありがとうございました!


次回作品は貴族社会から離れてみようと思います。


1月11日からスタートします。

「偽りのチェックメイト-チェスのカードが導く断罪の儀-」

毎日1話(6:50)更新です。

お楽しみに!


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