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【完結】助けた女の子が実は皇子だなんて誰が思いますか?!  作者: 慧依琉:えいる


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第106話:ルルとララ!姉妹対峙の時!



張り詰めた空気が漂うクレハトール侯爵家の応接室。ここには当主である侯爵とルルとララの三人が座って陛下からの書状について話合っていた。いや、ララへの通達と言った方がいいだろう。

陛下の文字で書かれた書状を見てララは大きなショックを受けた。


そんなララに追い打ちをかけるかのようなルルの言葉の数々…。


「何?自信が無くちゃ自分がしたいと思う事をしてはいけないの?迷惑がかかるかもしれないからと言って我慢しなくちゃいけないの?それって誰かに言われたの?全部あんたの頭の中の妄想でしょ!?やる前からアレコレ考えたって出来るわけないじゃん!あいつがあんたがいいって言ってるんだから、それ以上に何が必要なのよ?!」


ルルの言葉は衝撃だった。流石、今まで勝手に生きてきただけある、そんな人間の言葉だった。ララには出来ない発想だった。


「でも………。」


ララはそれでもどう行動すべきだったのか、どれが正しかったのか、そればかりを考えていた。その思考をルルは察知していたのだ。


「何が正しいかなんて、わからないわよっ!失敗してそれで次は失敗しないってことも重要なことだと思うわよ?失敗を恐れて安全なことばかり望んでいては何も手にする事が出来ないわ!私はこんな平民になってしまったけどチャンスがあるなら何だってするわよ?!」


「────────っ!」



ララはルルのその言葉に衝撃を受けた。


〝そうだわ………。私、王妃という責務に失敗したらどうしようとか、お父様がルシアン様に無理を言うんじゃないかとか、まだ何も起こっていない事に対してタラればしていたわ………。〟


ララの表情がほんの少し変わったことをルルは見逃さなかった。〝ヨシ、ここでもう一息!〟



「あんたがあいつを諦めるのは自由だけど、それでいて私があいつを手に入れて王妃の座を掴んだとしても悪く思わないでね、私は王宮で贅沢三昧して統治には参加しないから!」


何と!ルルは贅沢する為だけに陛下と結婚すると宣言してきたのだ。あれだけララが悩んだ「王妃の責務」ははなから除外しているのだった。ララはルルにだけは任せてはいけない!と思って



「ダメよダメっつ!そんなの絶対ダメだわ!」


と言った。ルルはニヤリと笑った。


「何が駄目なの?」


「全部よ!ルルが陛下と婚姻する事も!王妃の責務も!」


「じゃあ、どうするのよ?陛下はもう〝わ・た・し!〟をお望みなのよ?!」


「────────っ!……………!」


ララはそう言われると困り果ててしまった。だが、ルルは更にララを煽る。


「どうしたの?あんたのダメって口だけなの?」


カッとなったララは


「陛下に会いに行ってきます!」と、そう言い切った。そして今まで流れていた涙を手の甲でグッと拭いた。




その言葉の通り、ララの瞳にはもう迷いはなかった。その顔を見てルルは


「で?会ってどうするの?ぼやぼやしてたら奪うわよ?」


そう言った。が、ララは


「陛下の伴侶の座は例えあなたであっても渡さない!」とルルに向かって宣言した。



「ふぅ~ん、そう。」


ルルはあっさりそう返事をした。


侯爵が


「急いで馬車を用意させよう。その間にお前も支度しなさい。」


そう言ってララを応接室から退出させた。




ララが出て行き、応接室には侯爵とルルの二人だけに戻った。



「さて、ルル。お前、わざとだな。」


「さあ?何のことかしら?」


そう言って陛下からの書状をマッチの火で焼き捨てた。



「まあ、いい材質の紙だからよく燃えること!」


そう言ってルルは笑っていた。



「ルル、戻ってくるか?」



侯爵が静かに言った。しかしルルは首を横に振って


「戻りませんわ。私、もうすぐお父様よりも爵位の高い妻になりますもの!」と言って笑った。


侯爵はそれがどういう意味かはわからないが、ひょっとしたらダンテの家、プラスタール公爵家が許すのかと思っていた。


そしてその日、二人はルルが産まれてから初めてゆっくりと話をしたのだった。





侯爵が準備させた馬車に乗り込んだララは気持ちの中ではとても焦っていた。しかし、馬車は安全を第一にするために一定速度以上では走らなかった。仕方なくララは王城に着くまでにルシアンにどう話を切り出すかを考えていた。


〝あんな酷い言い方をしたのだもの。きっと怒って会ってすら頂けないかもしれない………。〟


ララは王城が近付くにつれ、どんどん気持ちが揺らいでいった。そして気付いた。


〝私ったら、また「タラれば」を…。〟


そう、ルルに指摘されて初めてララは自分が「タラれば」ばかりの思考になっていると気付いたのだ。それなのに今もまた「タラれば」だ。



〝ダメでもぶつかって行くしかない!ルシアン様も断ったあと私に気持ちをぶつけてくれたじゃない。あの時の彼を信じていくしかないわ。〟



そう思いながら不安と葛藤していた。そして馬車は王城へと辿り着いた。






ご覧下さりありがとうございます。今回のことでルルはようやく父と本音で話合えるようになったようです。

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