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【完結】助けた女の子が実は皇子だなんて誰が思いますか?!  作者: 慧依琉:えいる


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第103話:ララのまさかの返事で二人の間にまたもや暗雲が立ち込める




庭園では陽射しが優しく差し込んで恋人たちが憩うにはとてもいい場所だった。ルシアンとララも恋人同士ではあるが、それは将来を見据えてのものだとルシアンは思っていた。だから大臣の賛同も得てプロポーズもし、婚姻式のための準備も行ってきた。しかし今、ララはルシアンと結婚出来ないと言い出したのだ。


ルシアンはララの気持ちを大切にしようとして「何年待てば結婚出来る?」とララに提案をしたのだが、ララは


「ごめんなさい。わからない…。いくら王妃教育の知識を詰め込んでも社交界に一切出ていない私に王妃という重責は務まらない…。」


ララはすっかり自信を無くしていた。〝何故だ?ついこの前までそんな事は一切素振りすらなかったぞ?〟ルシアンはこの会わない数日に何かララにあったのではないか?と思って焦った。


「どうしたんだ、ララ?この前まではそんな事、一切言ってなかったじゃないか?誰かに何か言われたのか?」


つい、ルシアンは問い詰めるような言い方をしてしまった。ララはただただ困惑した表情で


「ごめんなさい。」とだけ繰り返す。



このままでは埒が明かない。そう思ったルシアンは


「わかった。とりあえず、今日は帰るよ。次会うまでにじっくりと考えておいてくれ。」


そう言ってララに背中を向けた。ララは返事が出来なかった。そしてただただルシアンの後姿を見送るしかなかった。




〝どうしよう…。もっと早く本当の気持ちを打ち明けるべきだったの?だけど私もかなり迷ったの。〟


ララがルシアンのプロポーズを断った理由の一つに〝クレハトール侯爵家〟の存在があった。兄のシャルルが当主なら問題はなかったが、まだ父が当主だ。あの父の事だ。きっとララを通して無理難題をルシアンに言ってくるだろう。それもララの心配事の一つだった。


もちろん、さっきルシアンに言った「社交界」の事も理由の一つである。

今の社交界の華として存在するのはシャルルの婚約者である「リアンヌ嬢」だ。公爵令嬢ということもあり、彼女が社交界を仕切っている。彼女は人柄も良く、きっとララの味方をしてくれるだろう。だから心配ではあるが、さほど心配していないのだ。一番は父の存在だったのだ。



ララは「本当に…。どうしたらいいの…。」と言いながら涙し、その場に蹲った。






その頃、男児を出産して大人しくダンテと暮らしているルル。平民という立場の生活にいつもぼやいていた。しかし、平民と言ってもダンテが非常に優秀でギルド登録で上手く稼いできてるようで生活は贅沢は出来ないが困る事はなかった。

だが、いつもイライラしているルルを見ているせいか、赤子もよく泣く繊細な子になっていた。そしてよく泣くのでルルがまたイライラするという悪循環になっていたのだ。


ダンテはルルが産んだ子が男の子だったので公爵家に報告だけ入れた。しかし、返事はなかった。


「はっ!本当に俺ら見捨てられたんだな、」ダンテの心に深く傷が入った。ルルと一生を共にしようと誓ってこの生活を選んだのに肝心のルルは違う男の元で暮らそうと企んでいたと聞いて、ルルへの気持ちも義務感に変わりつつあった。だからどんなに子供が泣いていようが、ルルに任せっきりで即座に仕事に出て行くようになった。


ルルはというと、一日中不機嫌な自分と息子を相手にゲッソリとしていた。時々様子を見に侯爵夫人が訪れるがルルは「帰りたい」の一点張りだと言う。しかし、夫人は当主である夫に逆らえるはずがなく、ルルを宥めて帰ってくるだけなのだ。


「本当に、ルルがこんなに苦しんでるというのにララってばせっかくのプロポーズを断ったって言うのよ?!信じられないでしょ?王妃になれたのよ?」


夫人がふと、ルルの前でそうぼやいた。それを聞いたルルはもちろん怒りが爆発した。


「はあ?!何言ってんの?あいつ!そんな贅沢な事言うなんて…!私だったら…………⁉」


ルルは言いかけてふと、何かを思いついたようだった。


「私だったら……………?」


「そう、私だったら……………ふふっ」


夫人はそのルルに気付かずに「そう思うでしょ?」なんて呑気な事を言っていた。




「もう、お母様ったら!ララが駄目だったら私がいるじゃない。ね?」


「え?」


ルルのこの発言にはまさかのあの作戦がまだルルの中ではいけると思っているようだった。




「あなた何を言ってるの?気持ちはわかるけど、流石にダメでしょ?接近禁止令が出てるんでしょ?今度やったら命の保証はないわよ?」


「大丈夫よ、お母様。ふふ。」



ルルは急にご機嫌になった。すると母親の感情を読み取ってるかのように子供も元気になり、ニコニコ笑いだした。


「ほら、グロスだってそうしなさいって言ってるわ。」


そう言ってご機嫌なルル。母である侯爵夫人は不安ではあるものの、ルルの機嫌がよくなったのでひとまず安心して帰った。






ご覧下さりありがとうございます。ララはルシアンの事を思って自分に自身もなかったのでルシアンからのプロポーズを断ってしまいました。ルシアンはそれでも諦めきれず、そんな二人の間にまた割り込もうと企むルルですが…。

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