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【完結】助けた女の子が実は皇子だなんて誰が思いますか?!  作者: 慧依琉:えいる


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第10話:初めてのデートが代役だなんて…



暫くして注文した飲み物が届いた。

ララはメイドに「ありがとう。」と声をかけて飲み物を手にした。


ダンテを名乗る男はずっとララの方を見ている。


「あ…あの……。 」


ララは男に声をかけた。


「……?」


「そんなに見られていると緊張してしまいます…。」


ララは上目遣いではにかみながら蚊の鳴くような声小さな声でそう男に告げた。



──────────ドキッ !!


男は思わずその仕草と声にときめいてしまった!


〝な…、なんだ、今のは…!〟


ドキドキドキ…。男は不思議な感覚をぬぐい切れなかった。そしてチラっと横目でララを見た。



〝………………。所作は綺麗だな。単純にあの飲み物が飲みたかっただけなのか?大体の令嬢はそれでも見栄を張ってシャンパンなどを頼むのだが…。ふむ、ルル嬢は面白い。〟


何故かララに関心を持ってしまったようだ。




一方、ララの方はというと、


〝な…。なんか私、間違ったことでもしてしまったのかしら…。ずっと見られてる気がする…。落ち着いて飲めないわ……………。〟


といった様子で二人してお芝居の内容なんて頭に入ってきていなかったのだ。





〝ワー〟という観客の声と共に沢山の拍手が沸き起こっている。

どうやらお芝居が終了したようだ。


「どうやら芝居は終わってしまったようだな。ルル嬢。ゆっくり堪能出来たかい?」


ララはドキっとした。ほとんど内容を覚えていないからだ。


「え……、ええ。素晴らしかったですわ。連れて来て下さってありがとうございます。」


「フッ、そうか。それではこのあとはどうする?」


「え…。あ、すみません。今日はこの辺で…。またの機会にして頂けませんか?」


「……………!それは、私といて楽しくなかったということでしょうか?!」


「いえ!とんでもないです!とても楽しかったのですが、もう、緊張しっぱなしで体調が少し…。」


ララはこれ以上一緒にいるとバレてしまうのではないかとハラハラしていた。だから早く帰りたかったのだ。だけど帰っても下働きとしての仕事はさせられるだろう。他にも何かと難癖つけて他の侍女たちにいじめられるかもしれない。それも嫌だが、人を欺いている事の方が嫌だったからだ。


「あぁ…、ごめん。気がまわらなかったよ。すぐに馬車を手配しよう!」



男はそう言ってサッと手を上げて近くにいる者に馬車を劇場前に待機させるように指示した。とてもスマートだ。


「すみません。私のわがままを…、ありがとうございます。」


「ハハ。こんな事くらい、気にしないで下さい。またデートに誘っても…?」


男はそう言ってララの手を取って手の甲に軽く口づけをした。

ララは初めてのことで驚くが、きっとあの子はこういう待遇をいつも受けているのかもしれないから、ここで動揺するわけにはいかないと思ってドキドキしながら受け入れた。


「ええ…。」


そいう言って恥ずかしそうに俯いた。



男はニコっと笑って立ち上がり、ララに手を伸ばしてエスコートを申し出た。

ララはそっと手を伸ばしてそのエスコートを受けた。

二人で劇場をゆっくりと歩いて外に出ると既に公爵家の馬車が止まっていた。



「さあ、どうぞ。気を付けてお乗り下さい。」


「ありがとうございます。」


そう言ってララが乗り込む。そのあとで男が乗り込む。御者がゆっくりと扉を閉めた。

少しして、馬車はゆっくりと走り出した。侯爵家へと向かって…。


馬車の中ではダンテを名乗る男がララに話かける。


「今日は楽しかったです。また近々デートに誘います。次は王都で有名なデザートのお店にお連れしましょう。」


「そうですね。楽しみにしています。」


そんな当たり障りのない会話を少し楽しんだ。行きとは違って帰りは少しだけララの緊張もほどけていった。



〝こんなに早くに帰ったら怒られてしまうかしら…。〟



そんな心配をするララだったが、侯爵邸に着いた時、男はララと共に侯爵に挨拶をしたいと申し出たのだった。


「わざわざ挨拶だなんて…。大丈夫です。」


と、ララは断ったが、男はガンとして譲らなかった。





ダンテが侯爵に挨拶をしたいと聞き、上機嫌でダンテに会いにやってきた侯爵。



「おお、ダンテ君。久しぶりだね。父君はお元気かね?」


「ええ、元気にしております。侯爵、お嬢様を連れ回してしまい申し訳ございません。」


「いやいや、まだこんなにも明るいのに早々と送り届けてくれたなんて、君はとても紳士な男だ。」


「恐れいります。」


そう言って男は侯爵に向かってお辞儀をした。



〝これって……………もしかして私が早く帰ってきたことに怒られないようにしてくれたの?〟


ララはそんな気がした。





ご覧下さりありがとうございます。お互いがお互いの代役だと知らずにデートをこなす二人。だが、二人ともそれぞれにいい印象を持ったようです。

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