第三話 2aから3aへ 「これは完全にフィクションであり、実在の人物や団体とは一切関係ありません」
「シショーおはようございます」
その声の方を見上げると高身長から目線をこちらに落とすようにカゴが笑顔で会釈してきた
「あ、おはよー!カゴさん」
カゴ「シショーおはようございます。是非ご一緒させてください」
「うん!一緒に行こう!できるだけ急いで行こう!」
カゴ「はい。できるだけ可及的速やかに迅速に進行しましょう」
体育館
各々名前が刺繍された練習着を着てストレッチやアップしている
クロダ「それにしてもカゴさん尋常じゃないぐらい上手くなるの早いよねー!ホント未だに初心者だと思えないよ。もうすでにワタシなんかのレベルなんかより全然上だよ。小中あんなに頑張ったのになー」
苦笑いし呆れたように呟いた。
カゴ「シショーの教え方がパーフェクトなだけです」
真顔で淡々と言い放つ
こちらをいじるような笑顔で見ながら
アイ「お!さすがですなーシショー」
恥ずかしそうにメモを見ながら
「いやいや、カゴさんが凄すぎるだけだよ。本やネットとかで調べたものを教えてるだけだしそれをすぐ再現できるのが本当にすごい。まさに天才」
カゴ「いえいえ、恐縮です。良く分からないのでただ言われた事をそのままやり続けているだけです」
ほぼ180度開脚し肩の可動域を広げるストレッチをしながら真顔で言い放つ
「守破離の大事な部分の守、まず基本が大事だからね。まず目の前の手順1を処理して次に2番目をやる、というように順序立ててその順番に沿ってやるのが一番の近道だと思うよ。最初良く分からなくてもやり続ければその内自然と分かってくると思うよ。」
クロダ「誰かさんは全くだけどねー」
と笑いながらアイの方を向く
アイ「カゴちゃんが別格過ぎるんだよー!同じ事を同じ回数やってもレベルアップのスピードが段違いだし、短距離も陸上部より早いし!そもそもスタート地点が違うんだよー!わたしは鋭意工夫してるだけで型破りなわたしなんですー!」
数枚のメモめくりながら
「それって、形無しって言うんだよ。型破りはまずきっちり型にはまってから型を破る事を言うんだよ・・・」
アイ「な、なんですとー!?」
頭を抱える
クロダ笑う、アイも笑う
クロダ「それにしてもマニアックすぎる情報知りすぎだよ。良く分からない論文とか見だしてるし」
何枚かのメモを体育館の床に置きそれに数字などを書きながら180度には遠く及ばない開脚のストレッチをしながら
「私は何にもできないから何でも知りたいし使えるものは何でも使いたいだけだよー」
アイ「メモ魔で勉強家だねー!」
一枚のメモを食い入るように見てる
「好きな事だからね。学校の勉強も同じようにできると良いんだけどねー。守破離って漢字でかけないし」
アイがからかうようにこちらを見ながら
「授業中良く寝てて先生に怒られてるしね」
カゴ「シショーよろしければこのわたくしめがさらにお勉強お付き合いしますぞ」
もはや関節が外れているのではと思えるほどのありえない体勢になりながら真顔で言い放つ
もう笑うしかないと笑うように
クロダ「カゴさん勉強もできるからなー・・・。学年トップクラスだし、ホントなんなんだこの人」
アイ「日本語話すときはクセあるのに国語の成績もトップなの謎なんですけどー・・・」
「睡眠や眠気対策も勉強して寝る前に録画した睡眠についての特集とか観てるのになぜ授業中は眠いのか・・・」
正座した後そのまま状態を後ろに倒すストレッチしながらつぶやく
クロダ「そんなの見てないで早く寝なさい!」
一同笑い合っている
それはいつもと変わらない楽しい日常