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Humange ~待ち遠しくない定期的アップデートの凶悪エラーにやり場のない怒りを覚える。OwabiはGohoubi?~

作者: 栗野庫舞

OSは、オペレーティング・システムの略です。

 夜、あなたはパソコンを起動し、月に一回あるOS向けの最新プログラムを更新するためのインストールを開始した。


 なんでパソコンは専門用語を説明もなく当然のごとく乱用するのか、未だに分からない。


 インストールとアップデートは、とにかく時間がかかる。内容は分からないが、それだけは分かる。あなたはパソコンを放置し、その間に別のことをしていた。


 ある程度時間が経ってから、あなたはパソコンを確認する。


 画面にはエラーの文字があった。


 再起動の選択肢もあったが、あなたはインストールの再試行をおこなう。


 時間を置いて見ると、また失敗だった。動作が重いのも気になる。こんなに低性能なのかと、パソコンへの八つ当たりも始まる。


 何故エラーになるのかを、あなたはインターネットで調べた。複数の原因が挙げられている情報は出るのだが、どれに当てはまるのかが分からない。


 インターネット接続は出来ているし、ディスクの空き容量は足りているし、おかしな点はないし、先月はアップデート出来た。先月も時間がかかり、気分が悪くなっていたことを思い出す。


 なんでエラーになるのか?


 こんなの、調べないですぐ明確に答えを出してくれるパソコンが欲しい。


 複雑な理由や問題は要らない。例え時間がかかっても、エラーの表示を終始見ないで済んで欲しい。


 またパソコンを放置して、確認する。


 同じ予感がした。案の定エラーだった。再試行する。


 エラー。


 あなたには怒りしかなかった。再試行ではなく、今度は再起動を選んだ。


 再起動で、画面が青の単色に変わる。更新を構成していると表示される。何パーセントとの数字は当てにならない。


 再起動が終わり、設定画面を見に行く。


 赤い表示、つまりはエラーになっていた。


 うんざりしながら、また再試行。


 ようやく終わった。意外とすんなりと終わった。終了したことさえも意外に感じた。


 毎月毎月、この更新作業にはイライラする。『ストレスが半端ない』という言葉は、こういう時にでも使えばよいのだろうか。


「ん?」


 設定画面を閉じた後、今度は変な画面がデスクトップ中央に出現した。モニター画面のおよそ三分の一ほどの大きさだった。


 真っ黒だった画面内が、実写風で色彩の淡い、公園の景色に変化する。あなたはコンピュータウイルスへの感染を疑ったが、どうもそうではないらしい。


 画面中央の少し右側に、白いセーラー服の少女の立ち絵が表示された。


 ゲーム調の外見の美少女は濃い青髪で、スカートの前で両手を重ねている。胸部に膨らみは見られず、妹キャラのような立ち位置の子に思えた。


 画面下部にメッセージウィンドウが出た。ますますゲームっぽい。キャラクター名は『女子高生K』と表示される。


『アップデートでご迷惑をおかけして、すみませんでした』


 メッセージにボイスはついていない。


『はずかしいですが……おわびに、私の下着姿をお届けします』


 そのメッセージを最後に、ウィンドウと立ち絵は消える。代わりに白い肌面積の多い、大きめの一枚絵が出た。


 大きな青い瞳を持つ幼げな女子は、赤面している。顔が正面から少し横へと変わったことで、短めの青髪の後ろ側を一つに縛っているのが分かった。


 腰を曲げ、上半身をこちらに強調した格好。しかし胸部は平らだ。


 その小さい胸部には、清楚な白のジュニアブラを着けている。細いストラップ下の、カップ部分の左右についた水色のリボンが印象に残る。


 ショーツは明るめのグレーで、小さな白の水玉模様が間隔広めに入っている。中央上部には白いリボンがあって、かわいらしい。


 美少女の一枚絵が十数秒は表示され、画面は自動的に閉じられた。


 このぐらいのお色気で怒りが収まると思うなよ、とは言いたくもなったが、あなたは美少女の一枚絵に(めん)じて、許すことにした。


 来月もまた、アップデート日がやって来る。


                    (終わり)

パソコンのアップデートのエラーが何度も続いたので、それをネタに作品化しました。もちろん、最後の美少女部分だけ、願望です。実際もこのようなご褒美があったら良いですね。説明もなく出るのは不安ですけど。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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