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花邑杏子は頭脳明晰だけど大雑把でちょっとドジで抜けてて馴れ馴れしいがマジ傾国の美女【第27話】

そこに、電話が。花邑杏子だった。

「てめえ、私に何か隠してるな?」

「お前に何を隠そうが、自由だ」

「ちっきしょう!この私がこんなにあなたのことを思っているのに、何故分からないの?」

「ランサムウェアのことはどうなんだい?まさか、俺とお前の仲なのに、金を請求するとはな」

「あれは・・・調べるのにリスクが伴うから」

「どんなリスクか答えろ」

「パソコン一台ぶっ飛ぶくらい」

「なんだ、そんなことか!」

「私んちのパソコン・・・ワークステーションと言えばいいか。二百万円のシステムなんだけど」

「なら、俺のために四~五万円くらいのパソコン買ってくれ。それならいいだろ。最近はバルク品も充実してる(?)し、メモリも大容量のが安く売ってるしな」

「分かった・・・あなたのためにそうするから、そうするからーー捨てないで」

「分かればよろしい」

電話が切れた。最近は、花邑杏子の扱い方を心得たつもりだ。

相手が相手だから、調子に乗れないが。

花邑杏子との仲にも一旦回答を出さないと、なあなあな関係も良くないし。かといって、一回でも抱いちゃったら・・・逃げられないしなあ。いやさ美人なのよ。ぶっちゃけ傾国の美女なんだけど、どっちかって言うと冷たい顔つきで、あと性格が悪すぎて俺の好みではないというか・・・

その夜、花邑杏子がやって来た。

「この私というものがありながら、なんで他の女を抱くのよ!?」

「何を言ってんだか、さっぱり分からない」

「嘘つくな!昨日は同期の女と、三日前には『町中の南波』の看板娘を、それぞれ抱いていたでしょう!許さない・・・許さないんだから!」

「だからって、君に絆されるつもりは一切ない」

「何ですって~?束縛こそ恋愛よ!束縛こそ私の恋愛スタイル!そして、束縛こそーー子孫繁栄の重要手段なんだから!」

「だからといって、君は僕を束縛することなんかできない!」

「何とでも言うがいいわ。束縛こそ我が人生なりよ!」

「厄介な奴に捕まっちまったなーー」

若いもんの人たちが怖くて、きっちり別れを切り出すこともできない。「今後一切、会わないでくれ」などと言ったら、喜んで押し掛けてくるようなひとたちだ。花邑杏子も、きっちりその遺伝子を受け継いでいるし。

「ちょっと待て。何故そんなに詳細が分かるんだ?俺が二人の女を抱いたことなどが」

「私にはね、108つの眼があるの」

「それがワークステーションか・・・」

「察しがいいな。ふっ」

「しかし、何処に仕掛けているんだよ?カメラはよ」

「ひ・み・つ・だ。これは墓まで持っていくーー」

「何おぉ」

「まあ、お前の頭じゃ、整理つけることも出来ないぜ」

「そんななのか?お前のワークステーションって?」

「まあな。ぷっ」

「あっ、バカにしたな。ちなみにワークステーション二百万円って、最安値だからな!」

「いいんだよ。民生用じゃ最強なんだから」

「話から察すると、CPUも民生用だろう?」

「違うわ!兎に角、壊れないんだよ。私のワークステーションは」

「まあ、お前が高価な玩具をどう扱おうが、知ったこっちゃない。お前との付き合いは、もうこれきりだからな」

「はーーーー何それあり得ない」

花邑杏子が怒っている・・・

「会社も別々の部署にいることだし、この際、二度と接触しないというのはどうだ?」

「・・・・・・」

「名案だろ?」

「・・・んな・・・」

「ん?何だ。はっきりしろい」

花邑杏子はーーいきなり服を脱ぎだした!

「私、この格好で会社に行く」

「勝手にすれば」

「いいんか。若いもんが動くぞ。お前の人生なんか、めちゃめちゃになるぞ」

「それは困る」

「はあ!?甘ったれてんじゃねえよ!」

義範は、花邑杏子に外套を着せた。

「・・・全否定かよぅ、私の存在なんか・・・うわ~ん!」

花邑杏子はその場で泣いた。

義範は、彼女の方に振り向こうともしなかった。







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