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暗黒界の超新星  作者: ペリエ
暗黒騎士は一時の平穏を好む
16/37

冒険者初仕事

 週末 対岸の原野で狩りをすることになった。これは、姫たちの地力を上げるためだ。オビトも来ているが、メルド隊の見習いと言った立場なので、学友と言う形で近くにいてくれない。


 船着き場の渡し船の乗り場で待っていると、馬上からジョーンズ大佐に声をかけられた。

「おーい、ダーク君こっちだ」


「若いの、お前さんは、フェリーの方じゃないか」

「すいません。今度乗ります」


 フェリーは巨大だ。馬車が何台も入る。


 そっか、お姫様だもんな。

 姫たちは、馬車ごと乗船した。初めてだし、姫二人だし、護衛が多いからこうなるか。


「すいません」

「打ち合わせは、せんでいいのか」

「必要です。戦闘に参加できないと、スキルアップしないので、倒す前に必ず一撃は入れろと姫達に言えと、ボルケーノのニッチに言われてます」

「酒場の主人の亭主か。なかなかいいアドバイスだ」

「せっかく、護衛がいっぱいいるので、エマも参加させてはどうかと思うんですか」

 本当は、レジーナも最初は見学予定だったけど、今ここでスキルを上げると、後が楽だ。

「わしは、今回限りになる。ぜひ姫に勧めてくれ」

「じゃあ打ち合わせに、エマも参加させてください。レジーナの馬車で打ち合わせしようと思います」

「あい分かった」



 ドーーーン。なんでこうなった。


 馬車の中でおれは、レジーナとエマに囲まれて座っている。対面に、メルド大尉とエイギル少佐。確かに打ち合わせには、このメンバーが必要だけど・・・。こいつら、狩りを全部護衛にやらせる気か!。オレが、メルド大尉の方に行って、姫たちと対面したほうが話しやすいんだけど拒否された。


「二人とも、狩りに参加でいいか」

「やる気十分よ」

「よろしくお願いします」

「じゃあ、打ち合わせな。小動物でも魔獣を倒すと、体力や魔力が上がる。それ以外に、ホーンラットはスピード。グリーンスネイクは技。土ネズミは耐久力が付く」

「すごいですね」

「学園で、魔獣狩りをする人はあまりいないから、他の人たちを出し抜けるのよ」

「レジーナの言う通りだ。こういうのは、スキルとかレベルって言う概念でくくれるんだけど、まだ、確立されていない概念なんだ。今回の魔獣狩りなどで、データーを少しずつ集めて、数字化できるようになったら、また話すよ」

 スキルに鑑定というスキルがある。しかし本人の知識や常識以上のことはわからない。理解できていないことは、鑑定しても認識できない。

「大事なのは、この体力や魔力上昇やスピードアップを得るには、狩りの戦闘に参加しないといけないということ。一撃入れて、魔獣を傷つけないといけないんだ」


「我々が、魔獣を半殺しにして、姫様にとどめを刺させろということか」

「15歳の姫に生き物を殺せろというのか」

「そうなのですか?」

「でも、害獣なのよね」


 そこから!!!。護衛の姫への甘やかしが過ぎるんじゃないかと思うんだけど。

「えっと逆です。とどめはバックアップの人にお願いします」

「そうなの?」

「オレの魔法は、闇魔法なんだ。大物の魔獣だと、スピードを落とすとか、良くて動きを抑え込むぐらいじゃないかと思うけど、今回のは小動物だから、捕まえることができる。そこを短剣で、刺すだけでいいよ」

 オレも、甘いな。


「止めは、おれが首をへし折るから、・・いやおれでないほうがいいのかな。あとメルドさん達には、姫が離れてから、血抜きをしてもらいたいんですけど。解体は、バザールの解体屋に買い取ってもらうので必要ないです。後で討伐部位を教えます。それは、ギルドに持って行く分です」

 段階を経るしかないしな。


「そういうことなら喜んでやろう」

「我々は、他に何をすればいい」


「魔獣の追い立てでしょうか。今回みたいな大人数は、先々もうないと思うので、姫たちには、今日で、一挙に強くなってもらおうと思います」

 エマ側は、ジョーズ大佐やまだ帰国していないお付きの護衛騎士衛士が9人いる。全員ついてきた。そして今回、ジョーンズ大佐のおかげで、いろいろスムーズだ。今日、狩りの形を作っておこうと思う。

「本当!」

「頑張ります」


「後、お願いですが。狩りは、徒歩でお願いします。馬の方が魔獣の追い立てはしやすいと思いますが、我々だけの狩場ではないので」


「仕方あるまい」

「了解だ」


「二人とも、動きやすい恰好ができているな。後は、甲板で景色を見るなりして過ごしてくれ。メルドさん、エイギルさん、二人に短剣の使い方をお願いします」


「おう」

「心得た」


「ダークは?」

「オレは、ヨハンさんと打ち合わせ」

「ヨハンがサモル王都に、残りたいという件ですか」

「うん、エイギルさんたちの宿舎も決まっていないし。アマンダに相談中なんだ。ある程度決まったら、レジーナもお父さんに話してくれる?」

「ヨハンの仕事の件でしょう。エマのためだもの、そうするわ」

 ヨハンは、超一流の執事だ。王城で仕事があるかレジーナに聞いてもらっている。

「ありがとう、レジーナ」

「いいのよ」

 ヨハンは、馬車で留守番だけど、ここまで付いてきている。前にグリーンに聞いた話だが、ヨハンがここにいた方が、エマが落ち着くのだそうだ。本人も残る気満々だった。ヨハンから、金貨15枚貰っている手前、ちょっと働いている。当然、ローマン王国からヨハンに給金は出ているが、エマの友達のレジーナと繋がりのあるところで働く方がいろいろと都合が良いので、レジーナに相談している。


 エリー。オレ、結構頑張っているんだぞ〈ヨハンさんに貰った金貨15枚のためだけど〉。


 ヨハンには、王宮で働いてほしいと話した。そうすれば、エマの話が王宮経由でも入ってくると話す。サウザンド魔法学園の学長は、公爵で、その娘が寮監だからだ。


 ヨハンとの打ち合わせが終わって、馬車の窓から二人の姫を見ると、甲板でキャッキャやっている。短剣の講習が終わって、自由時間になったのだろう。


「ダーク殿、何から何まで感謝ですじゃ」

「この案は、レジーナの案です。旨く行ったら、レジーナにお礼を言ってください」

「そうしますのじゃ」

「ありがとうねダーク」

 ビクッとして、ヨハンの後ろを見ると、15㎝大のグリーンの絵が飾られていた。グリーン、こんなところにいたんだ。ヨハンに頼んで、この絵は、エマの部屋に飾るように頼んだ。


 ニッチに教えられた狩場は、港から少し離れている。その近辺まで馬車で行く。このあたりの話は、みんなボルケーノで共有していた。オレは、例のごとくレジーナの馬車に乗せられた。


「ダークも短剣を持っているのね」

「いざというときのためにね」

 これは、ジョーンズ大佐からもらった短剣。お守り代わりに懐に入れているもう一振りは、リュートのお父さんがくれた刀の短剣。

「それにしても、短剣の講習が早かったですねメルド大尉」

「こればかりは、実地で補足するしかない」 

「そうですね」


 グリーンスネークの場合。頭を押さえても体がくねくね動くと思うんだけど。でも、今ちょっと講習したぐらいで急に短剣技術が旨くなるわけないか。グリーンスネイクに毒はないから、うまくなるまでは、やられても打撲で済むし。


 目的地は、廃村から少し防壁側に行った畑跡。ここに土ネズミの巣が多くある。それを狙うグリーンスネイクもたくさんいる。ホーンラットは、もっと防壁側の茂みに行くといるそうだが、今回は、数で勝負する。


 馬車を廃村に止め、ヨハンと、エマのまだ帰国していない護衛3人に馬車と馬を守らせ、残り総勢16人で、狩りに行く。畑跡と言っても荒野にしか見えない穴場で、他の冒険者はいない。アマンダとニッチは、今回、情報の大盤振る舞いをしてくれた。


「ダーク殿、本当に何匹追い立ててもいいのだな。姫のためだ。手加減なしだぞ」

「どうぞ」

 ジョーンズ大佐が、エイギル少佐に顎をクイっと上げて「やれ」と、合図した。エイギル少佐の部下たちは、土ネズミの巣穴に、燻り出し用の煙草を投げ入れた。堪らず土ネズミたちが出てくる。

「ダーク君の方に追い立てろ」

「こいつらデカいぞ」

「鶏よりでかくないか?」

「魔獣なんだ。普通じゃないに決まっている。気をつけろ」

 メルド大尉が、エマの衛兵達に、魔獣なんだ、気を抜くなと声を張る。


 オレは、気を開放した。


 ズバン!

 ビクビクビクビク、ビクビクビクビク、ビクビクビクビク、ビクビクビクビク、ビクビクビクビク。


 10匹はいる。巨大なネズミたちが動かなくなった。

「レジーナ、エマ」

「うん」ズッ!

「はい」バスッ!

「どんどん突いていけ。すいません皆さん、数が多い。止めを任せます」


「任せろ」

「止めを刺したら、血抜きをしに行け。姫たちには見せるなよ」

「おう」


 レジーナとエマが、薄っすら黄色く光り出している。土ネズミを倒すと耐久力が上がる。この雰囲気だと、幾ら倒しても疲れないんじゃないかと思う。


 うっ、10匹の足止めでもう苦しい。前世の全盛期からいったらお粗末すぎる。


 ジョーンズ大佐が、オレをちらっと見て、もう次をやれと指示している。オレは、結構無表情だ。まだ余裕だと思われたらしい。


 一つの巣穴に10匹前後。2つの穴だけで20匹。どうやら今のオレは、土ネズミ20匹の足止めで手いっぱいのようだ。

「ジョーンズさん、オレ、20匹が限界・・」

 ・・・聞いてない。

「よし次、いや待て、グリーンスネイクだ。ダーク殿、頭を抑えてくれ」


 ズドン!。

 ギリ何とかなった。

 グリーンスネイクの体は、2メートル近くある。姫たちじゃあ近寄れないぞと思っていたら、盾を持った2人が、姫の前に出てグリーンスネイクの攻撃をすべて受けだした。


「キャッ」

「近寄るのは無理よ」


「二人とも、わしの後に続きなさい。こういう相手は、頭を狙う。ダーク殿が頭を押さえてくれているから簡単ですぞ。わしは、狙いを少しずらすが、お二人は、頭の真ん中を狙いなさい」

 ドン! ジョーンズ大佐が、首を叩いて、グリーンスネイクの動きを鈍らせた。

「エイ」ズブッ!

「ヤア」ズッ!

「目を閉じてはだめですぞ、マイレディ。もう一度」

「ヤア」ズブッ!

「そうです。もしダーク殿がいなくても、やることは、同じです。やはり頭を狙う。後は、慣れですぞ」

 姫たちが、今度は、薄くグリーンに光っている。何かコツをつかんだらしい。


「土ネズミもお願いします。オレの限界は、20匹見たいです」


「あい分かった」


 やっと通じた。


 ジョーンズ大佐は、マイレディ=エマ姫に、指南することができて満足げな顔。それを見たエイギル少佐が、積極的に、グリーンスネイクを追い立てる。そこからは、いい感じの狩りになった。大物のグリーンスネイクが出るので、総数が20匹以内になる。


 まったくの素人だった姫たちの、レベルやステータスが、驚くほど上がっていると思う。2人に内緒で、ナノプローブを仕込ませて貰っている。良いデーターが取れそうだ。

 エマが聖女で、レジーナは、自己申告で、魔導士だと言っていた。魔導士は、魔法使いの上の魔術師の更に上位。聖女と並ぶ希少職業だ。希少職業のデーターが取れるのはありがたい。

 一般職の学園生徒たちにもこっそりナノプローブを忍ばせているが、彼女たち二人のように、積極的に魔獣を狩らないので、ステータスやレベルの数値化は、まだまだ時間がかかりそうだ。


 1時間も休まず狩りをしていたが、死にそうにしているオレではなく、姫たちに気を使って休憩となった。


「どう?私たち」

「なんだか、全然疲れません」


 オレは、それどころじゃない。

「ハア、ハア。ジョーンズさん、2人は、どうですか」


「目に見えて成果が出ているのは、グリーンスネークの狩り方ですな。盾役の負担が減っているし、狩る時間が早くなってきています。お二人とも、成長に目を見張るものがありますぞ」

「本当!。ありがとう」

「ジョーンズのおかげです」

「そう言ってくださるか。エイギル、やっぱり、わしも残りたいぞ」

「国元がうるさいですから(領経営をしていただかないと)」

「分かっておるが、のう」

「ダメです」

「残念だ」

 

「二人ともすごいな。馬車に戻って休憩してきていいよ」


「私たち、疲れていないよ」


「オレが疲れているんだって。お茶を飲んできてよ」


「仕方ないなー。ダークのために休むわ」

「すぐ戻ってきます」


 すぐ戻ってこなくていい!!!

「ゆっくりしてきていいから。メルド大尉、エイギル少佐、お願いします」

「任せろ」

「ジョーンズ様、後程」


「二人とも、嬉しそうでよかった」

 ジョーンズ大佐が、腰に手を当てて、姫たちを見送っている。

「この後どうする。もう一戦か?」


「それは、午後にしましょう。姫たちが順調なので、やはり、ホーンラビットを狩るべきです。スピードも上げないとバランスが悪いです」

「そうだが、土ネズミがあの大きさだぞ。体長70センチあるのではないか」

 土ネズミの尻尾を覗いた体長が30センチ前後なので、ホーンラットが70センチあると推測。

「スピードが上がれば、危険な時に逃げるのにも役立ちます。オレの方にさえ追い立ててもらえば止めて見せます」

「よし、やろう。まずは偵察だ。6人いけ。姫たちが戻ってくるのは30分後だ。それまでに戻ってこい。他の者は、血抜きと討伐部位だ」

「「「「「はっ」」」」」


 流石軍人。気持ちがいいぐらい動きがきびきびしている。1時間だけで、グリーンスネイク4匹。土ネズミ32匹討伐している。魔獣の肉やアイテムや皮は、衛士達の酒代になるが、討伐部位と偶に出る魔石は、全部オレが貰うことになっている。初めての仕事なのに、すごい成果になりそうだ。



 偵察隊が、姫たちより先に帰って来た。オレとジョーンズ大佐は、20分ぐらいドーンと、その場に立っているだけ。戦場で、こういうことができる指揮官は稀だと、オレは、ジョーンズ大佐を高く評価した。それは、ジョーンズ大佐もそうだった。


「ジョーンズ様。3匹見つけました。やはり、体長70センチはあります。内1匹は、どの距離で逃げるか試したので、見失っています」

「逃げる距離は、何メートルだった」

「茂みの外にいたホーンラビットで試しました。25メートルです。広範囲に囲まないと追い立てられません」

「それだと1匹に7人いるな。1隊しか作れんぞ」

「茂みだと回り込めそうです。そこなら隠れながら近づけますよね」

「茂みですか?。何ヶ所かありましたね」

「それならそこは、5人で行けるか。7人隊と5人隊が作れる。ワシ1人が、姫の盾役と補佐役両方をこなせば、2隊作れるか。それで行こう。小規模だが、鶴翼の陣だわかるな」

「ええ」

「やってやる」


 打ち合わせが終わったころに、姫たちが嬉しそうな顔をして帰ってきた。馬車でヨハンに褒められたようで上機嫌だ。あと、お付きの衛士の顔ぶれが一部変わった。馬車番の衛士が、交代で戦場に出てきたという感じだ。


 ジョーンズ大佐が衛士たちと打ち合わせ。オレが姫たちと打ち合わせになった。


「二人とも、ものすごく順調だから、今度は、ホーンラビットを狩ることになったよ。ホーンラビットを狩ると、スピードアップを望めるんだ。技量と耐久力だけが上がってもバランスが悪い。人数が多いうちに、荒野最難関のホーンラビットを仕留めるぞ」

「私たちが?」

「もう?」

「最後に止めを刺すのは、ジョーンズさんに任せるさ。二人は、土ネズミと同じように一太刀入れるだけでいいよ」

「わかったわ」

「がんばります」



 足の速いホーンラビットに対して、大包囲網が出来上がった。追い立ててみると、隠れていた1匹も出てきて3匹になった。


「行ったぞーーー」


 ヴン

 ビビビビビビビビ

「きゅぴー」

「きゅう」

 バタバタ。

 あの脚力で地面をけられて、姫たちに万が一があってはいけない。3匹とも空中に浮かせた。


「この大きさのホーンラビットの特徴から、短剣なら最初は足を狙うのが碇石ですな。お二人ともおやりなさい」

「エイ」ズン!

「ヤッ」ズブッ

「いえいえ、ここはこうです」

 ズバッ!

「この短剣には斬撃もあります。太ももを刺すのではなく、足首の靭帯を狙えますぞ」

 ジョーンズ大佐に靭帯を切られたホーンラビットは、明らかに動きが鈍った。

「さあさ、やりなされ」

「エイ」ズバッ!

「ヤッ」ズバッ!

「よろしい。後は、わしに任せて、メルド班は、血抜きを。姫たちは、エイギル隊について行って、ホーンラビットの追い立てをよく観察しなされ」

「はい」

「わかったわ」


 5人隊がメルド隊。7人隊が、エイギル隊。姫たちが後ろを向いたタイミングで、メルドたちが、ホーンラビットの首を掻っ捌いた。ここまで大きくなると、血抜きの時つるさないといけない。そうしないのなら心臓が動いているうちに処理したほうが効率的だ。


「姫たちが、薄っすら金色に光っていますね」

「ダーク君、大変だろうけど、午後もホーンラビットを狩ろう。その方が姫たちのためだ」

「了解です」


 この後は、ずっとホーンラビット狩りとなった。


 帰りの馬車で、姫たちの興奮が収まらない。「兎だから怖くないと思っていたけど、ホーンラビットの迫力がすごかったわ」とか。「今度は、もっと戦いたいです」とか、とても積極的だ。


「次はいつやるの?」

「明日も今日と同じだけど、次は1か月以上先かな」

「私たちは大丈夫ですよ」

「違うんだ。二人は、魔法職だろ。今回は、今後フィールドに出てもケガをできるだけしないように地力を上げてもらったんだ。今日と明日の戦い方は、どっちかというと剣士職の領分だよ。実際は、知力と魔力を上げるために、勉強と、魔法実習をがんばらないとね」

「勉強は嫌いじゃないわ」

「私もです」

「爺は、安心して、お二人を見ておりますぞ」

 帰りは、ローマン王国の馬車におじゃましている。メンバーは、姫2人とオレとヨハンさんになる。ジョーンズ大佐がヨハンに気を使ってくれた。

「オレもそう思います。今の二人だったら、魔剣士科に混ざれると思います」

「そうしたほうがいい?」

「ダメだ。魔導士も聖女も、なかなか替えが効かない職業なんだ。本職をやってくれよ」

「そうする」

「分かりました」


 オレの冒険者初仕事はつつがなく終わった。週初めの朝、ボルケーノに朝飯を食べに行くと、ツインが呼んでいると呼び出しを受けた。午後の選択授業は、まだ決めなくていい。加奈がスラムでやっている万事屋に行くことになった。

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