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未来からやってきたエリート人形兵器だけどミッションコンプリートしたのでこれ以上歴史改変しないようスローライフ送りながら元の時代へ帰りたいと思います

作者: 夕月 遥

 やあやあ、親愛なる部下(とも)よ。

 君がこのファイルを開いたということは、無事に当初の目的は果たされた。ということでいいのかな?

 まさかとは思うが例の任務中にこのファイルを開いていたり、何処かの研究者に捕まって無理矢理情報を引き出されている最中。なんて事はないだろうね?

 まあ君ならばそんなことはないだろうし、その時代の人間にこの暗号形式ファイルが解けるとも思えないのでこのまま話を進めさせてもらうよ。


 ありがとう。これで未来は救われたーーはずだ。


 本来なら世界中の国から君へ平和勲章の1ダースや2ダースが贈られて然るべき所なのだろうけど、どうやら上は君を使い捨てにする腹積もりらしくてね。当初なんて任務を達成次第、可及的速やかに君を自爆させるべきだと言ってきていたんだ。

 いや早まらないでくれ、もちろん君が行う功績と君のマスターが私であることを盾と理由に条件付きだが任務完了後の帰還命令をねじ込んだとも。安心してほしい。

 ただしその帰還方法だが、時間跳躍については費用その他諸々の事情ーー具体的にはせっかく助かった国がいくつも傾く等の理由から実質困難な為、君の耐用年数を考慮した上で通常の時間経過という名のエコ重視によるものとなった。

 世界がダメになるかどうかの瀬戸際だしやる価値はあると、満場一致で君を過去に送るための予算は下りたというのに過去から戻すための予算は渋る。と、人間とは実に不思議なものだろう?

 更に付随して、これ以上の歴史改変を極力許さない形で。という厄介な条件も付け加えられている。まあ、その程度は仕方ないだろうし申し訳ないが許容してもらいたい。

 なに、難しく考えることはないさ。つまりは君が例の任務を完了したであろう現時点から君を任務のために過去へ送り届ける時点までの、君の療養を兼ねた長い永い休暇が与えられた。とでも思ってくれたまえ。

 そして、それらが不可能あるいは叶わないと判断される場合。例えば君の正体や目的が現地の人間に知られる等の危険が差し迫った際には、誠に遺憾ではあるが君には君の、あらゆる情報を残さない方法での自壊をしてもらう。という運びとなった。


 ……なったのだが、私個人の希望としては君を過去に送り届けた直後にでも私の背後に現れては普段通りの何食わぬ顔で『休暇の終了を確認。マスター、次の命令を』とでも言ってもらいたいものだね。世界を救ったという偉業を成し遂げたであろう優秀な君なら、そう難しい話でもないだろう?

 何にせよ、君への帰還命令に関する詳細についてはまた別のファイルに保存してあるから一読するように。


 では、良き未来への帰還(スローライフ)を。

続くかも

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