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よくある魔王ちゃんと聖女ちゃんのお話。  作者: 筆々
26章 魔王ちゃんと聖女ちゃん、自家製ダンジョンで暴れ回る。1

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魔王ちゃんと結成、勇魔チーム

「う~ん……図書館エリア(・・・・・・)か」



 僕の生成したダンジョンは幾つかのエリアに分けられており、その1つ、廃れた図書館エリア。

 わざわざボロボロにした本棚に、テルネちゃんが模写した幾つもの本を詰めたものがあちこちに転がっており、叡智神様曰く、知識に囲まれていると加護が増幅(・・・・・)されるそうで、ここに配備した魔物もテルネちゃんのギフトから生まれた魔物がほとんどだ。



 さて、僕たちは最初に出会った人とパーティーを組むことになるんだけれど、誰と出会うことやら。



 僕は適当に周囲の魔物を刻んでいくと、どこからか戦闘音――いや、この派手な爆発は多分あれか。



 その音の方に足を進ませると、そこでは金色の炎が魔物を焼き殺している光景で、僕はため息をつく。



「ガイルかぁ」



「お? こりゃあ当たりだな。いや、大外れだったかねぇ」



「僕以外にも戦いたい人はいるでしょう」



「まぁな。出来ればミーシャとは早い内にやり合いてぇな」



「今あの子竜神様の加護で情緒不安定だから大分獰猛になってるけど?」



「……どういうこと?」



「いや、ミーシャって信仰が他と比べて大分多いみたいで、しかも神核を持っているから信仰に変わる前の感情が大分漏れ出ちゃうみたいなの。そんでクオンさんの信仰の元は高貴な戦い、もしくは自尊心、さらには高貴なる者、それが流れに流れて殲滅心となっているのが今のミーシャです」



「恐ろし過ぎるだろあの聖女」



 グエングリッターでもやらかしたしなぁ。

 あの時は国全体の大教会が理由だけれど、今回は純粋にクオンさんから力を貰っているからな。

 今朝もなだめるのが大変で、今回の企画で少しは息抜きになってくれるといいのだけれど。



「あまりよろしくはないけれど、ミーシャがテッカ、それかソフィアかエレノーラと組んでくれればまだ抑えてくれると思うんだけれど、他の子だと大変だと思うんだよねぇ」



「セルネじゃ手に負えねぇだろうなぁ」



 その光景をありありと想像出来てしまい、僕は苦笑いを1つ。



「ところで、ダンジョンの質はどう? 魔物の強さもそれなりに設定してもらったんだけれど」



「ああ、中々やりごたえがあるぜ。このくらいだとちとガキどもには厳しいかもだが、俺たちにはちょうどいいな」



「それはなにより。ラムダ様としっかりと詰めたかいがあったよ」



「見たこともねぇ魔物もいるよな」



「魔物の生態については聞いたことある?」



「そういやぁアルマリアが何か言ってたな。確かギフトからできてんだろ?」



「そうそう、正確には死んだ人の体に残ったギフトから生まれるみたいで、本来の魔物はそのスキルを特性として持って生まれるんだって」



「通りで見たことある攻撃してくるわけだぜ。だが妙なやつもいたぞ、なんというかスキルを重ねたような……」



「ああうん、そのスキルの特性を持った魔物を、別の特性を持った魔物と交配させることでその両方を兼ね備えた魔物が生まれるのよ」



「交配ってお前……」



「どっかの星神様が聞きつけて、夜中にダンジョンに勝手に潜り込んで一晩でやってくれました」



「……ああ、時間も司ってんだったな」



 あの可愛らしい笑顔を思い出し、いるのならご飯でも食べていけばよかったのにと、僕は飛び出してきたグリッドジャンプして転移してきた魔物に魔王オーラを当てて切り裂いた。



「まあ、とりあえず暫くはのんびりしようか。他のパーティーも気になるし、とりあえず情報収集しつつ、ダンジョン攻略しちゃおうか」



「そういやぁ、俺たちは何をしたら勝ちってことなんだ?」



「う~んと、向こうの一般生徒もそうなんだけれど、とりあえずエリアボスとしてそれぞれの区域に強い魔物を設置しているからそれを倒して終わりなんだけれど、僕たちは最後まで残っていたら勝ちだね」



「なるほどな。じゃあそのエリアボスっつうのを探しがてらのんびりすっかね」



「そだね~」



「ちなみに、お前さんから見て注意すべき相手はいるか?」



「ソフィア、エレノーラ、カナデ、ミーシャだね。この子たちはどこで会ってもキツい。そんで状況によるけれど、森林エリアでテッカと会うのもキツいかな、視線が遮られるのは隙でしかないし」



「場所で言うならオルタとアルマリアもだな」



「テッカ、アルマリア、オルタくんとは出来れば砂地で会いたいな、見通しも良いし」



「んじゃ、その辺りに警戒しつつ、とりあえずエリアボスをサクッとやっちまうぞ」



「おうよ」



 ガイルと拳を当て合い、僕たちは揃って進む。

 しかし勇者と魔王の2人パーティーなど前代未聞ではないだろうか。

 この金色炎、僕と一緒なのが多いせいか麻痺しているっぽいんだけれど、普通だとあり得ない光景なんだろうな。



 そんなことを考え、僕たちはダンジョンのより奥を目指すのだった。

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