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よくある魔王ちゃんと聖女ちゃんのお話。  作者: 筆々
12章 魔王ちゃんと聖女ちゃん、夜を刺し穿ち朝を迎えたい。

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魔王ちゃんと4柱の女神

「こっちの方からかな」



 ミーシャと一緒に、僕たちは鈴の音がした方に向かって歩いている。

 宴会の喧騒と隔離された静かな森の中、ただよく耳をすませば遠くの方から人々の楽しげな声が聞こえてくる。



 そんな場所で、この世界を司る可憐な女神さま2柱が佇んでいた。



「こんばんは。今日は良い夜ですね」



「こんばんは。ええ、月が隠れることを嫌がるほどに良い夜です」



 月を見上げるルナちゃんはどこか寂しそうで、僕はそっと彼女を抱き寄せた。



「くすぐったいです」



「ルナちゃんふわふわで可愛いですよ」



「きゃぁ~」



 と、お約束をやっているとミーシャとアヤメちゃんが呆れたような目を向けてきた。

 これももうお約束の一部だろう。



「お前たちは何と言うか、世界が滅亡の危機に陥ってもそうしていそうよね」



「基本的に似た者同士なのよね」



「ミーシャさんとアヤメも混じります?」



「遠慮しておく。というかお前は話すことがあるんでしょ、さっさとしなさいよ」



「む~、もうちょっとこう、わたくしの葛藤をですね」



「いらんいらん、さっさと済ませろ」



 膨れているルナちゃんの頬をつつきながら宥めているのだけれど、僕も割と大事な話があるんだけれど、どのタイミングで言ったらいいだろうか。



「えっとリョカさん」



「え? ええ、はい。どうしましたか?」



「今回の件、本当に申し訳ありませんでした」



 僕から体を離し、ルナちゃんが頭を上げてきた。

 女神様がそんな簡単に頭を下げるべきでもないのだけれど、それ以上に今回のことをそもそもルナちゃんが謝る理由もない。



「リョカさんは、きっと気にしないと言ってくれますよね」



「ええ、気にしていませんし、悪いのはアリシアちゃんですけれど……でも、ルナちゃんはアリシアちゃんが悪いことをしたから謝ってくれているんですよね。立派なお姉ちゃんです」



 顔を赤らめるルナちゃんだったけれど、すぐに首を振り、そうではないと言った。



「確かに、アリシアはわたくしの妹です。もちろん、今リョカさんが言ったように姉として謝罪したいという気持ちもないわけではありませんが、これに関してはあの子自身がきちんと謝らなければならないことなので、わたくしは何も言いません。わたくしが謝りたいのは、女神であるのに、なにも出来なかったことです」



 ミーシャが何か言いたげにルナちゃんに近づこうとするのを僕は止め、ジッと月神様の目を見つめる。



「あぅ」



「正直私は、神様って人のことなんて全く気にしない。程度の考えしか持ってないです」



「……ですよね。リョカさんはそうだと思います」



「でもね、こっちに来てからどこに行っても、女神様の話を聞かないことがなくて、みんながみんな、身近にルナちゃんやアヤメちゃんを感じている。すっごくびっくりしました」



 私の世界の宗教とは少し違う。

 教えに則り日々を過ごすわけではなく、女神様が人々を導いてくれるわけでもない。

 むしろ、こうして数日間彼女たちと過ごしてわかったのだけれど、女神さまたちも、ただこの世界を生きる僕たちと同じように暮らしているのだということだ。



 私の世界ではこうはいかない。神様は、人の世界とは違う世界で人々を見守っている。

 きっとこれが、大きな違いなのだろう。

 こちらの女神様は、見守っているだけで済ませてくれない。なんといっても面白そうだからという理由で、人の世界にやってくるのだから。



「お父様も言っていましたけれど、こんなに身近にいる女神さまたちに感謝お伝えられるって、とても素晴らしいことだと思います。いつもありがとう。って言えるから、どれだけ人の世界に災厄が降りかかろうとも、僕はあなたたちにお礼をいうことを止めないと思います」



 少し泣きそうになっているルナちゃんをギュッと抱きしめ、頭を撫でる。



「だからねルナちゃん、僕はごめんなさいって言われるより、こんな素敵な女神様に言ってもらいたい言葉が別にあるんですよ」



「……」



 ヒスヒスと鼻を鳴らすルナちゃんが一度顔を伏せて、すぐに笑顔を僕に向けてくれた。



「リョカさん、人々の世に力を振るえないわたくしに代わり、世界を愛してくれて、ありがとうございます」



「はい、よくできました。嬉しいですよ」



 女神様が腰に手を回してしっかりと抱き着いてきたから、僕もそれに応えるように抱き返す。

 こんな僕たちを見ていた神獣様が、隣で腕を組んでいる聖女様にローキックを放ったのが見えた。



「いいか不良聖女、あれが本来聖女が女神に向けるべき尊い信仰よ。お前も俺を敬い、少しは聖女らしく――」



「ふん!」



「ぎゃぁ!」



「蹴んな」



 こっちが綺麗な場面をやっている横で、小学生の喧嘩みたいなことをしないでほしいなぁ。

 ルナちゃんも同じ気持ちなのか、僕から顔を話して呆れたような視線をアヤメちゃんに向ける。



 ルナちゃんが僕から体を離すと、名残惜しそうに僕を見て数回の深呼吸の後、笑みを浮かべた。



「これほど長く人の世にいたのは、フェルミナの時以来で、本当に楽しかったです」



「帰っちゃうんですか?」



「……はい、今回は割と無理を言ってこちらにいさせてもらいましたから、これ以上は仕事に支障が出てしまいます」



「そっか、残念だな。まだルナちゃんに着てほしい服とかあったのですけれど」



「次来た時。といいたいところですが、今回ばかりはその次がいつになるのかわかりません。服、わたくしも着たかったです」



 数歩下がり、ルナちゃんが僕とミーシャに向かって頭を下げる。



「皆さんにも、よろしく伝えておいてください」



「はい――あ、そういえば伝えたいことが」



「なんですか? っとアヤメ、あなたもこっちに――」



「は? 俺は帰んねぇよ。お前と違って俺忙しくねぇし、ここでリョカに甘やかされるわ」



「は?」



 可愛い顔のルナちゃんだったけれど、アヤメちゃんの言葉で、額に青筋を浮かべ、女神らしからぬドスの利いた声を放った。



「え、ちょ……ズルイ!」



「ずるくねぇよ。俺は最高神じゃねぇし、そもそもやることなんて少ない女神だぜ? 人の世に数十年いようとも影響ないし」



 消えかかっていたルナちゃんの体が一瞬で元に戻り、アヤメちゃんに詰め寄った。

 便利だなあの体。



「わたくし、本当に寂しくて、それでたくさんの決意を以ってお話していたのに、アヤメはそれを隣で笑っていたのですか!」



「笑ってねぇよ。さっさと終わらせておやつ食いたいなぁって考えていただけよ」



 アヤメちゃんの胸にポカポカと拳を振るっているルナちゃんが可愛く、延々と見ていたかったけれど埒が明かないだろうと手を上げる。



「あの、妥協案を提案しても?」



「みゅ? あ、はい」



「実はですね、さっきのライブで完全にファンになってくれた方がいらっしゃってですね。どうしたものかと相談したかったのですけれど、よろしいですか?」



「そんなもん、俺たちに相談しなくても勝手にやったらいいじゃない」



「神獣様の許可がもらえました。月神様はどうでしょうか?」



「え? ええ、わたくしもそれでいいかと」



「女神さま2人に許可を貰えましたし、これは僕がどうにでもして良いということで――アンリミテッドディーバ」



 絶慈を使用し、新たなクマが生成される。

 そのクマは金色のフワフワヘアーを側面で結っているクマで、印象として月を思わせるような清楚な佇まいをしていた。



「……」



 ルナちゃんがクマと顔を合わせ、首を傾げると、クマも同じように首を傾げる。



「ブッふぁ! お前リョカ、これは」



「勝手にしちゃってもいいんですよね?」



「いやいや、俺たちに厳密には魂はない。お前これどうやって作った」



「……加護ですか」



「さすがルナちゃん。加護とは女神様に意であり、女神様に分け与えられた存在の一部です。それを使えば半身を作り出すなどわけないのです。まあ最も、女神様ほどになると最高好感度が必要になりますけれどね」



 クマをジッと見ていたルナちゃんがハッと思いついたように手を叩いた。



「これを代わりにしたら、わたくしこっちにいられるのでは?」



「何言ってんだお前?」



「こうして、さらにこうして――」



 ルナちゃんが次々とクマに加護を与えていく。

 それを見ていたアヤメちゃんが顔を引きつらせる。気持ちはわかる。



「何やってんのお前ぇ!」



「これならテルネくらいごまかせますよ。あれの目は節穴ですから」



「お前テルネ本当に嫌いだな」



「いつもお小言ばかりで嫌です」



 ルナちゃんがここまで言う女神様、会ってみたい気もする。

 と、呑気に考えていると、僕の傍の空間が揺れた。



 あらこの感じ。と、僕が肩を竦ませると、それ(・・)は空間を破って僕に拳を振るってきた。



「――」



「ふん!」



 しかしその拳は、信仰を溜めたミーシャの拳とぶつかり合うことで衝撃を辺りに発しただけに終わった。



「……これが聖女の拳、ね。()に生まれ変わってくれないかな? かな」



「クオン!」



 ルナちゃんが突然現れた桃色髪の女の子を呼んだ。

 クオン、確かアリシアちゃんが竜をかっさらってきた場所の人だと聞いた。



 頭には2本の巻き角、背中には立派な翼、目は爬虫類のような縦に長い瞳孔――なるほど、竜っ娘か。



「いきなり現れて、いきなり死ねとはいい度胸ね。ブッ飛ばしてやるから顔面差し出しなさい」



「えらく好戦的だね。アヤメこの子ちょうだいよ、僕の方がずっと強く出来る」



「はっ倒すぞてめぇ。ミーシャは俺んだ、高みの見物決め込んだ自称高位存在にくれてやるわけねぇだろ」



「……なに、高が獣が、僕に喧嘩売るの?」



「やってやろうかドラゴン(笑)(かっこわらい)



 2柱の凄まじい闘気が辺りを包み、ルナちゃんが止めようと動いたけれど、僕は彼女を抱き寄せて戦闘域に近寄らせないようにする。



「わっ、リョカさん?」



 ルナちゃんが驚いたのも束の間、アヤメちゃんとクオンちゃんが突然膝を折って跪く。



「ぐわぁぁっ!」



「うくっなにこれ――」



「喧嘩の相手を間違えてるわよ、イヌとトカゲ。まとめて消滅させてやるわよ」



「俺関係なくない!」



 ミーシャのフォーチェンギフトによって力を奪われている2柱を横目に、僕は素晴らしき魔王オーラを少し離れた木に当てる。



「ご用件は? 僕たちに喧嘩を売りに来たっていうのなら買いますよ? 今僕たち、ルナちゃんとアヤメちゃん以外の女神様には敏感になっているので」



 魔王オーラを売った箇所から、本に乗ったこれまた美少女が姿を現した。



「うげ、テルネ」



「随分なご挨拶ですねルナ、誰の目が節穴ですか?」



「……その眼鏡割れてしまえばいいのに」



 ボソッと呟いたルナちゃんを撫で、僕は改めてテルネと呼ばれた彼女を見る。

 黒髪ロングの眼鏡をした美少女で、目は吊り上がっており、キツそうな雰囲気が近寄りがたい、所謂委員長タイプの見た目をしていた。



「聖女・ミーシャ=グリムガント、そこまでです。これ以上は女神への反乱とみなします」



「ああんっ!」



「止めろぉミーシャぁ、テルネは面倒だぞ!」



「これくらい人の戯れです。相変わらず懐の狭いケチな女神ですね」



「聞こえていますよルナ。とにかく女神から力を奪うのは止めなさい」



「カナデ連れて殴りこんでやろうかしら」



「シラヌイ出されたら俺たち手も足も出ねぇから!」



 状況が混とんとしてきた。

 僕はため息を吐くと、ルナちゃんを抱っこしてミーシャの肩を叩き、アヤメちゃんの手を引いてテルネちゃんとクオンちゃんと対峙する。



「助かったママ!」



「誰がママですか。ピチピチの女子高生ですよ」



 腰に引っ付いてくるアヤメちゃんを撫で、ルナちゃんを揺らしながらあやし、へそを曲げているミーシャを笑顔で見つめる。

 本当にママやっているのではないかと錯覚してきた。



「それで何の用ですか?」



「まずは女神がご迷惑をかけたことに謝罪を」



「あ、それ話ついているので結構です。これ以上もらったらバチが当たりますよ」



「……わかりました。話が通じる魔王でこちらとしても有り難いです。そして次なのですが」



 テルネちゃんの視線が先ほど僕が作り出したルナちゃんクマに向けられていた。



「これ、どの程度本人と同じ働きが出来ますか?」



「100%――と、言いたいところですが、僕は女神様がどのような仕事をしているのか把握しているわけではないので、絶対と約束は出来ないです。ただ、さっきルナちゃんが加護を与えてかなり本人に近い存在になったので、ある程度は倣って動くはずです」



「……なるほど。では、これは他の女神にも同じことが出来ますか?」



「無理です。僕が完全にルナちゃんの信徒なのと、ルナちゃんがたくさん僕のことを愛してくれたから出来たことなので、同じことをやれと言われても出来るかわからないです。他の女神様の加護を持っているわけでもないので」



 テルネちゃんが思案顔を浮かべる。

 なにか面接みたいな圧迫感があり、比較的自由なルナちゃんが苦手な相手というのも頷けた。

 ただ悪い女神とは思えず、こうやって礼節のある会話にはこちらもそれ相応に返事をすることを決めた。



「わかりました。それで相談なのですが――」



「ああ、その子なら持って行っても大丈夫ですよ。正直僕も扱いに困っていたので、ルナちゃんとアヤメちゃんに相談しようと思っていたところですし」



「……本当に話しやすい魔王ですね。どうです? 今から私の信徒になりませんか?」



 ルナちゃんがピクリと肩を跳ねさせたから、僕は空いた手で頭を撫でる。



「とても光栄ではありますが、このフワフワと暖かい温もりを手放す気はないので。もちろん女神様として、しっかりと敬っています」



「それは残念です」



「ですが、僕よりも相応しい子なら紹介できますよ」



「ソフィア=カルタスですか?」



「ええ、あの子ならテルネさまも満足するのではないですか。知識と静寂の女神様には、彼女の異界は興味対象ですよね?」



「なるほど、過去最大にやり手の魔王。ですか。いいでしょう、時間がある時、彼女と接触してみます」



「え~っとついでというか、こっちが本命なのですが」



「ええ良いでしょう。ルナにはアリシアのこともありますし、こちらにいることを許可します」



「どうしてあなたが――むぐ」



「ありがとうございます。えっとそれでクオン様? クオン様も僕に用事ですよね」



「うん、さっきから気にかけてくれてありがとうね。本当に魔王らしくないね、でも嫌いじゃないかな」



「恐れ入ります。クオン様は竜を倒した僕に報復……という感じではないですね」



「そんなことしないよ。そもそもアリシアなんかに良いようにされたあの子が悪いんだから、報復なんて格好悪いことしない。ただ僕はテルネが君たちに会いに行くと言ったから、竜を倒した魔王様がどんなものか見ておきたかっただけ。ああそれと、うちのバカ息子が迷惑をかけた謝罪もね」



「息子? え――そのロリ体形で経産婦なんですか!」



「そこを驚かれると、僕としてはちょっと恥ずかしいかなぁ」



 ドラゴン僕っ娘桃色髪のロリ体形経産婦女神とかエロ同人ものではないだろうか。属性盛り過ぎて固唾を飲んでしまう。



 僕がはえ~と感心したような顔を向けていると、クオンさんがいじらしく体をくねらせ、顔を赤らめた。

 人妻の色香を感じた。



「鼻血でそう」



「お前守備範囲広すぎだろう」



「ああでも、君のせいというか君のおかげというか、僕の仕事は増えたね」



「それは何故……ああ、みんな食ってましたからね」



「そうなんだよ。竜由来のギフト持ちが今後現れるかもしれないってことは頭に入れてほしいかな」



「わかりました。あの、頭撫でてもらって良いですか?」



 クオンさんがクスクスと色っぽく笑い、僕の頭に手を伸ばし、ナデナデナデと優しく撫でてくれた。正直堪らなかった。



 そんな僕を、テルネちゃんが無表情で見ていたけれど、彼女がルナちゃんに目を向けた。



「ということですルナ、こちらに残っても構いませんからあなたは好きなようにやりなさい」



「む~……わかりました。一応、感謝しておきます」



「ええ、これで毎回毎回一々人の世に一喜一憂しているあなたの愚痴を聞かなくて済みますし、近ければそれだけあなたも力を貸せるでしょう」



「素直にわたくしの悲しむ顔が見たくないとか言えないのですか?」



「絶対に言いませんよ」



 膨れるルナちゃんを宥めていると、テルネちゃんとクオンさんの姿がぼやける。



「それでは魔王リョカ=ジブリッド、聖女・ミーシャ=グリムガント、ルナとアヤメのこと、よろしくお願いします」



「リョカちゃん、今度はもっとたくさんお話しようね。僕も何だかルナたちが羨ましくなっちゃった。それとミーシャちゃん、今度は真っ向から殴り合おうね、君なら僕の拳を受け止めてくれそうだ」



 深々と頭を下げるテルネちゃんとウインクを投げて小さく手を振ったクオンさんがルナちゃんクマを連れて消えて行った。



 あとには、風が吹き木々が揺れる音と微かに聞こえる宴会の喧騒、僕たちは彼女たちが去って行ったのを静かに見送った。



「……それじゃあ帰ろうか」



「そうね、また厄介ごとに巻き込まれそうだわ」



「女神が本当にごめんなさい。基本的にみんな自由なんですよ」



「最高神なんて作ってはいるが、別に誰が偉いとかもねぇからな女神は」



「まあ、これでルナちゃんとアヤメちゃんとも一緒にいられるし、僕としては何も文句はないかな」



 すると、ルナちゃんとアヤメちゃんが小走りで前に行き、僕たちに体を向けて可愛らしい笑顔を向けてきた。



「それでは、不束者ですがこれからもお世話になります」



「ますっ!」



 僕とミーシャは互いに頷き合い、2柱の手を取って帰路に着く。



 女神様から始まり、女神様で終わった今回の騒動、彼女たちの新たな一面を見ることが出来て僕はもっと世界に受け入れられたような気がした。

 こんなに可愛らしい女神さまたちが治める世界だ、僕がこの世界を愛さないという選択肢はない。

 そんな決意を新たに、僕たちは歩みを進めていくのだった。

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