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童話★流れ星

鏡を見てあなたを想い、流れ星に幸せを願う

『なろうラジオ大賞3』応募作品です。


テーマは鏡

 ◆◇◆


 ここは、はじまりの地。全てのはじまり、世界のはじまり。流れ星のキレイなキレイな箱庭です。




 その地には、よく似た双子の兄妹が居ました。夜になると、二人は毎日流れ星を探します。流れ星を見ると加護が貰えるのです。加護が貰えると、この地で幸せになれます。同じ歳の子供達は、もうみんな加護を貰っていました。加護が無いのは、双子の兄妹だけでした。



 ある朝、いつもの時間に起きたのに兄が隣のベットに居ませんでした。妹は不安になって部屋を出て階段を駆け下りました。兄はリビングに居ました。イスに座って、何か考え込んでいます。

 数日前、兄は外から来た行商人を見ていました。

(お兄ちゃんは、外の世界に興味を持ったのかもしれない)と、妹は思いました。



 その日は、いつもよりハッキリ星が見えていました。妹は一生懸命流れ星を探します。そして、キラキラ輝き落ちてくる星を見つけました。妹はゆっくり目を閉じて、流れ星の加護を貰いました。



 次の日、妹の枕元には、星の石が置いてありました。流れ星を見ると、加護を得た証に星の石が贈られるのです。妹は嬉しくなって、兄を起こして話しました。でも、流れ星の加護を貰ったのは妹だけでした。兄は流れ星を見つける事ができなかったのです。



 十五の年の誕生日。加護が貰える最後の日。その夜は、流れ星を探しませんでした。兄は外の世界に行く事を選んだのです。妹はとても寂しかったけれど、兄の決意が固いことを知りました。寂しくなったら鏡を見て妹を思い出す。会いたくなったら、行商人になって会いに来る。と、約束しました。


 だから、妹も鏡を見ながら兄を想い、流れ星の加護に願います。外の世界で兄が幸せになれますように。兄が見る鏡の中の私が、いつも笑顔でいられますように・・。



 ◆◇◆


 母親が絵本を読み終わると、まだ寝ていなかった息子が言いました。


「お母さん、このお兄ちゃんは幸せになれたの?」


「さぁ?・・でも、幸せだといいね」


「えー!わからないの?続きは?」


「続きはないけど、今度聞いてみればいいじゃない」


「誰に?」


「ふふっ、お兄ちゃんに!」



 明日、行商人の一行が外からやってきます。私は夜空を見上げて、流れ星に願います。いつも鏡で見ていたような、笑顔の兄に会えますように。


『流れ星の箱庭』を息子に読み聞かせしたら、

「続きは?」と言われたので書いてみました。

妹視点のお話です。


うちの子に、

後はご想像にお任せします♪は通用しませんでした

(^◇^;)

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― 新着の感想 ―
[一言] きっとお兄さんも幸せになっていることでしょうね。 楽しく読ませていただきました。
2022/01/06 14:35 退会済み
管理
[良い点] まさか、後日談があるとは思いませんでした。是非セットで読めるようにして下さい! 妹視点もまた違って良かったです。 しかもお兄ちゃんが帰って来ています。無事行商人になって!! [気にな…
[良い点] 後書きまで含めてほっこり♪ 息子さんは、お母さんが妹ちゃんだって分かったんですかね。 [気になる点] それ、永遠に「続きは?」って言われるパターン笑
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