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[短編]ぼっとん便所で糞したら糞だけ異世界転移して1000年後に世界樹ができてた。

作者: ねお

〇第一章~嚆矢~




「あーやばいやばい!漏れる!限界!」


僕の名前は九曽田洲男(くそだ すお)、田舎に住む中学2年生だ。


僕はお腹が弱くて、毎日3回はうんちが出ちゃうんだ。


当然、学校にいる時にも毎日必ずトイレで大をしていた。


その結果、学校での僕のあだ名は「うんこまん」。



そして、今日も僕は学校のトイレに駆け込んだ。


「っ!!!!!!!!!  ふぅ~~」


なんとか間に合った。


この学校、校舎が古いせいか、トイレの大便器が和式のぼっとん便所なんだ。


今時、ウォシュレット付きの洋式トイレが普通だと思うんだけど、なんとかならないかなぁ。



・・・排泄を済ませた少年はのんきにそう考えていた。




〇第二章~遷移~




時は少しだけ遡る。


少年が排泄をしたその直後だ。


この時、地球の波長と異世界「グランガルド」の波長が奇跡的な偶然でシンクロし、2つの世界がわずかの間、繋がった。




・・・余談だが、こういったことは、実は今までにも極々稀に起こった。


今回のように異世界と繋がったり、並行宇宙の地球へと繋がったりする。


こういった突発的に生じた時空の穴・・・ワームホールに人が巻き込まれてしまうことがある。


人はそれを・・・「神隠し」と呼んだ。閑話休題・・・




その結果、少年が用を足したぼっとん便所の管の中に、一瞬だけワームホールが生成された。


その一瞬のワームホールを、奇跡的な偶然で少年の排泄物が通過した。


そして、少年の糞は異世界「グランガルド」へと転移したのである。




〇第三章~神秘~




少年の糞は異世界「グランガルド」の「グランダイト」大陸の南、大陸全体の3割の面積の大森林「グリムフォレスト」のほぼ中心に位置する平原の中央に位置する場所に転移していた。


グリムフォレストは通称「魔界」と呼ばれ、魔素の密度が非常に濃い地域であり、魔物や魔獣たちの巣窟であった。

その中でも、魔界の中心たるその平原は、この世界で最も魔素の濃い場所であり、古の時代から存在する神獣の住処だった。


その神獣が、少年の糞の上に100年に一度のものを生み出した・・・創世の神話の時代から言い伝えられてきたそれを人々は「神秘の実」と呼ぶ。


曰く、それを一抹でも口にすれば100万の軍勢にまさる鬼神の力を得られるもの

曰く、それを一口でも口にすれば不老不死の力を得られるもの

曰く、それを全て口にすれば神の使いになる力を得られるもの


そう言い伝えられてきた。


その神秘の実・・・神獣の糞が少年の糞の上に落とされたのだ。


地球という異世界の少年の糞、古より生きる神獣の糞、世界の根源たる超濃度の魔素が混ざりあい「混沌」が形成された。


そしてその「混沌」から神秘を超越した「奇跡」が芽吹いたのである。




〇第四章~世界樹~




それから長い時が経った。


1000年。


それは混沌から生まれた奇跡が成熟するのに十分な時間であった。


奇跡が芽吹いたその場所には・・・



天に届くかと言わんばかりの巨大な樹木が屹立していた。



世界中の多くの場所から見えるそれは、様々な種族から


「世界樹」「神の樹」「神話樹」「奇跡樹」「天空の塔」


と様々に呼称され、その頂点は神々が住まう天上の世界へ至っているとされ、信仰の対象となっていた。


魔物でさえも、世界樹には畏敬の念を抱かずにはいられなかった。




・・・この世界樹はこれから更に長きに渡って時代の変遷を見守っていくことになる。



だが、その始まりは、異世界「地球」の少年の糞であったことを知るものは、誰もいない。




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― 新着の感想 ―
[一言] あっ、こっちが原点。 世界樹がう○こからできた。 でもまぁ、大体のものはねぇ、う○こからできてるんですよ。はい。世界は、う○この上になり立っているようなもんですよ。<ーおい。
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