花瓶の底。
割れる前に 差し伸べたくて
傷ついても構わない 振り絞る勇気
結局 届かないだろうと分かっていても
あの子の笑顔が見たくて 側にいなくても
風もないのに揺れている 名も知らぬ花びら
さわさわ ゆらゆら
なかに何かがあるのかな
見たこともない虫とかだったら怖い 気持ち悪い
それでもーー 覗き込んでみると
ただ同じ形の 同じ大きさで 少しだけ色が違っていたぐらい
まったくなにも変わらない 花瓶の底
枯れる前に 水を入れ換えよう
その方が きっと 嬉しい
心の確かに距離はある。
だけど……