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エターナル・システム

タグ No.3 「新曲」「地獄変」の世界

   No.4 乙女ゲーム➡電脳世界

   No.6 ざまぁ➡因果応報

「エタニティ」


 セドリックが一言かけると、エタニティがぼんやり光って話し出した。


「ここは高梨聖也が作ったゲームの世界エターナル・システムです。高梨聖也は絵里加を悼み、もう一度絵里加と会いたいとシステムを作り上げました。エターナル・システムの最優先人物は絵里加です。そして私は管理端末エタニティ」


 セドリックは白金の髪と青い瞳を黒に変え、5才ほど年を取った。


「…えっ、聖也さん!?」

「好きな人の見分けがつかないの?君は人を好きになれるの?君が欲しいのは自分を飾るアクセサリーだよ」

「私は聖也さんのことが好きなのよ」

「じゃあ、セドリックは?いったい誰が本当に好きなの?」

「…本当に好きなのは聖也さんだけよ」

「君のたくさんの彼氏たちは?金持ちのVIP、顔だけの男たち。何人いたら気がすむの?」

「何よ何よっ!!絵里加は死んだんでしょ!?死んだ人間をいくら思ったって無駄じゃないっ!!」

「君には人の心がない。誰の気持ちもわからない」

「人の気持ちがわかったら、こんなゲームで王子様ごっこするっての?」

「…亡くなる前に絵里加は衣装部屋から僕に電話をかけた。下条友里亜に閉じ込められた、助けてくれと」

「…………」

「その電話は全国ネットのSOSとしてテレビ中継されたんだよ」

「……ヒッ……」

「助かって欲しいという全国の願いは届かなかった。絵里加は煙にまかれて亡くなった」

「…………」

「君は死ななかった」

「…私は転生したんじゃないの?じゃあ、この身体は?」

「エターナル・システムは嘆きの世界。人の想いが身体を作る。君の執着の心だけが、絵里加の元にきたのかもね」

「…今の私はどうなってるの?」

「エタニティ」


 暗闇に一つのベッドの映像が写った。友里亜の姿だった。ただ、長かった髪は男の子のように短く切られ鼻の穴には管がさし込まれている。粘着質の絆創膏が、ぐるりと管を固定している。枕を抱えて目を閉じて、でも指一本すら動いていない。


「君も煙にまかれて一度は死んだんだ。でも息を吹き返した。意識はある。身体は全く動かないけどね」

「…死んだ方がマシよ」

「絵里加は死んだけど君は生きてる」

「…こんな世界のどこに絵里加がいるのよ?」

「会っただろう?ベアトリーチェだ」

「あの女っ!!どうして、あんな女だけ!?」

「どんな姿でも絵里加が生きていたらそれで良かったよ。絵里加を亡くしても僕たちは生きなければならない。喪失の絶望、君への憎しみ、守れなかったという嘆き、生き残ってしまった罪悪感。僕たちには乗り越えられない。だから、このシステムを作った。僕たちの負の感情は、みんなここに置いてゆくんだ。ここにはベアトリーチェがいる。僕たちの嘆きは身体をもって光りと一緒に生きていけるんだよ」

「何よ、そんなのわからない!気持ち悪い!」

「わかる必要はない。エターナル・システムは登録制だ。君は不法侵入したウィルスで、ベアトリーチェに危害を加えようとした。強引な排除は侵入者の心を傷つけることがある。だから裁判を開いた。参加者全員が検事で弁護士、そして陪審員。君というウィルス排除を全員で決めるんだ」

「…何人いるの?」

「さぁ。一万人以上かな?」

「じゃあ、私の味方もいるわね?」


 それには答えず聖也はエタニティに合図した。


「検察側の最終弁論を」

 エタニティの言葉に聖也が暗闇に一歩進み出た。


「被告下条友里亜は明確な殺意をもって絵里加を死に至らしめました。執拗に絵里加を狙う下条友里亜は、この世界に来てもベアトリーチェを狙い、絶筆に尽くしがたい凄惨な死を与えようとしたのです。この世界での下条友里亜の家族は善良さをつけこまれ、友里亜の手中に落ち妄言に惑わされました。下条友里亜は他者の精神を汚染します。下条友里亜の排除を求めます」


「下条友里亜を弁護する人はいますか?」

 どこからも声は上がらなかった。


「私の味方は…私のファンはいないの!?」

「いたじゃないか。ここでの君の家族だよ。王族と高位の貴族はみんな絵里加の家族と友達で、絵里加を嫌う人間は入れない」

「…………」


「陪審員たち、評決せよ」


「有罪」「有罪」「有罪」「有罪」「有罪」「有罪」「有罪」「有罪」「有罪」「有罪」「有罪」「有罪」「有罪」「有罪」「有罪」「有罪」「有罪」「有罪」「有罪」「有罪」…………………………………………


 数限りない声が以降同音に有罪を叫んだ。


「全員一致の有罪判決を確認しました。では判決を下します。被告人下条友里亜。被害者絵里加殺人の罪、またベアトリーチェへの殺人予備罪により、エターナル・システム永久追放の刑に処す。この刑は即時執行とする」


 その言葉と共に友里亜の身体を風が包み込み少しずつ影が薄くなっていった。聖也が穏やかに言う。


「大丈夫。元の君の身体に戻るだけだから」


「いやぁぁぁっ!!!!!」

インタビューをあれこれ見て真剣に考えて、そのままコンビニで真剣に千切りキャベツ見てたようです。いつの間にか変な人になってました笑


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