表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

第3話 そして3人は

 林はびっくりしたように目を見張っていた。

「終わりですって、……どうしたんですか、その鈴」

「俺が2〜3個持って帰ったかな。ほかは知らない」

 藤崎が特に気にしない風情で、な?と新也の肩を抱く。

 新也はされるまま、ぐらぐらと揺さぶられてから、ぐいっと酒を煽った。

「持って帰ったんですか!?」

 驚く林をよそに、藤崎はケロッとしている。

「持って帰ったな。探せばまだ家にあるんじゃないかな。思うに、あのすずしろ様は、霊じゃないんだと思うんだよ。俺に見えたんだから」

「霊じゃないなら、何なんですか……?」

 林が自身も酒を口にしながら訊ねる。

「さあ……けど、何らかの物理?実体?だから、新也は一緒に遊ばなくて正解だぞ」

 な、とまた新也の肩を叩く。新也は恨めしそうに藤先を睨む。

「な、じゃないですよ。一緒に遊ばなくても、めちゃくちゃ怖かったんですからね、あれ」

「けど、あれで、俺はお前の体質を信じたぞ、一発で。ああいうものに縁がない俺にも、見えた。それが一番の証明だ」

 へえ、と林は感心した様子で2人を見比べた。

「そんなことがあったんですね。全然気づかなかった……」

「ガチ、だったからじゃないか。女子会員……中村さんと、山野さんだったかな、もあれから全然口にしなかったし。怪談もの企画も流れたしな」

 藤崎は新也から手を離すとところで……と林へ杯を向けた。

「林こそどうなんだ。いつ、新也のことを知った?」

「え、僕ですか?……僕はですねぇ」

 酒の肴にされながら、新也ははあっとため息をついた。


【end】

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] え?鈴を持って帰ったの? 藤崎さん、豪胆というのか、怖さ知らずというのか……。 藤崎さんもまた、ホラー体質のため呼び寄せた存在に思えてきました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ