第1話 遭遇 遭遇 遭遇
精霊は世界が崩壊しそうな時に現れる地球の防衛装置のようなものらしい。地球が平和な時は目に見えないが、地球が本当にピンチになると地球上の生物に見えるようになるらしい。精霊は人間またはそれと同等の知能を持つ生物と契約することにより特殊な力を使うことができるようになる。
律法それが精霊たちの使う力の総称だ。悪魔たちの使う魔法とは違うらしいが、専門家じゃない俺にはわからない。だがまぁその律法によって人類は生き延びることに成功した。律法は兵器を超える力を持つ悪魔たちに対抗できるほどの力を人類に与えたが、全ての律法が、いや精霊がそれほど大きな力を持つわけではない。というかほとんどがそこまで強大ではない。精霊の数は地球上の生物とほぼ同数いるらしいが、そのうちのほんの一握りしか強い力は持っていない。地球の防衛装置としての役割を持っていないじゃないかと思うかもしれないが、戦うだけが守ることじゃない。自然を再生したり、傷を負った生物の手当てなども地球を守るには必要だからだ。いきなりこのようなことを説明口調で頭の中で述べているのには理由がある。
「ねーいいでしょー?契約しよー?」
いきなり俺の目の前に精霊が現れて契約を迫ってきているからだ。
「だから、何度も言ってるだろ、お前と契約するメリットを言え。契約はその話を聞いた後判断する。」
「だから何度も言ってるでしょー。こんな可愛い精霊と契約できるんだよー。メリットはそれで充分じゃん。」
「馬鹿か、そんな理由で契約などできん。恋人契約とはわけが違うんだぞ!」
「いいじゃーん。」
「ダメだ!しつこいぞ!」
俺がここまで頑なに契約を拒否するのはもちろん理由がある。契約は基本的に人生に一度きりだからだ。契約を自分の好きなように破棄することはできず、2体以上の精霊と契約しようとするとその契約者全員が死ぬからだ。例外はあるが、そんな時は精霊が死んだ時ぐらいだから基本的に一度きりだ。誰も普通の人間なら精霊を死なせるようなことはしない。精霊のほとんどは人の姿を取るため契約者のほとんどが友人や恋人のように接するからだ。それほど重い契約を二つ返事でするわけにはいかない。なのにこいつは顔がいいというだけで契約をさせようとしてくる。そんな理由では契約できないためずっと断っているが、かれこれ1時間ほど同じやりとりをし続けている。あまりにも無駄すぎる時間なのでそろそろ切り上げたいがなかなかそうさせてくれない。だんだんイライラしてくるが、怒りはエネルギーの無駄遣いだ。もう無理やり切り上げさせてしまおう。
「これ以上無駄な時間を使わせるな。俺はもう行かせてもらう。非効率的すぎるこんな話は。」
「待ってよーいいじゃんーおねがーい。」
もう無視でいいか。疲れた。こいつ話し方も間延びしていて気に入らないし。
「え!?ちょっと待って、待ってください!本当に契約してくれないと困るんです!どうかお願いします!」
急に真面目な対応にビックリしてつい振り返ってしまった。何か喋らないと不自然になってしまうな。仕方ない、もう少し話すか。
「だったらせめて何で通りすがりの俺に契約を迫るんだ?どう見ても金も名誉も力もない俺だぞ?
何でそんなに契約したがる。」
「それは・・・言えないです。」
「またそれか。」
「すみません。でも、本当に契約してくれないと大変なんです!契約前じゃまだ話ないですけど、契約してくれたら、きちんと話します。なのでどうか!お願いします!」
あーもうこんな道のど真ん中で頭下げんなよ俺が悪いみたいじゃねーか。
「はぁ。そんなに必死になって頼むくらいなら何で最初あんな変な喋り方だったんだよ。」
「それは本にああいう風に話すと男の人はなびいてくれるって・・」
「アホだろあんた・・・」
ダメだこんなのと契約なんかしたらロクな目に合わなそうだ。やっぱりさっさとここから離れ・・
ドーーーーーン
「な、何だ!?」
物凄い音が住宅地の方から聞こえたぞ!?物凄い音に俺が驚いていると
ガシッ!
いきなり腕を掴まれ、引っ張られた。精霊に
「っ!おいお前何だよいきなり!」
「もう時間がないんです!早くしないと!」
ドゴーーーーーーンドガーーーーーーン
またすごい音だ何度も起きてることから察するに事故じゃないのか?ってかこいつ音のする方に連れて行こうとしてるのか?住宅地の方だから負傷者もいそうだし、手助けに行くのか?なら、
「おい、手を離せ。」
「そんな問答してる暇はーーー
「走りづらくて到着が遅れそうだ。そんなのは効率的じゃない。」
「っはい!急ぎましょう!」




