タイムトラベル
第1話タイムトラベル
婦人「ごめんください。」
博士「はいはい。ちょっと待ってください。」ボワッ
婦人「だ、大丈夫ですか?」
博士「オッホン.なぁに、こんなの日常茶飯事です」
婦人「...」
博士「何か依頼ですかな。」
婦人「この猫を探しているんです。1週間前からいなくなってしまって。」
博士「了解しました。」
博士「未来ぅ、今回は猫探しじゃ。」
ミク「また、そんなのなのー。」
博士「またとはなんじゃ。」
ミク「こうさー、探偵って、殺人事件とか強盗事件とかの犯人を探すんじゃないのー?」
博士「それはテレVの世界じゃ。」
ミク「この前は浮気調査でしょ。」
博士「現実はそんなもんじゃ。これ、クライアントの前で失礼じゃぞ。」
婦人「...」
未来「ご、ごめんなさい。猫ですよね。猫は好きだし、見つけます!」
博士「この写真の猫じゃ。」
未来「かわいい!絶対、見つけるわ!」
婦人「...」
博士「では待合室でお茶でも。ここからは企業秘密ですので。」
婦人「はい...」
博士「えー、いなくなったのは、1週間前かららしいから。1週間前のネオ東京に行ってくれ。」
未来「ラジャー!」
博士「出力確認、座標確認、時間は西暦3017年6月8日。」
未来「タイムトラベル!」
ネオ東京某所3017年中6月8日07:40
渡「やばっ!遅刻する!」
男「おいっ!あぶねえぞ!」
渡「ごめんなさーーーい!」
男「なんちゅー、運転じゃ。」
エアカー運転手「危ない!」
渡「(猫が!)
ミク「セーフ。猫は無事ね」
女の子「キャァァァ」
ミク「?」
男「おい、救急だ、早くしろ」
ミク「嘘...」
ジーク探偵事務所6月15日
博士「おっ、戻ってきたな。猫はどこじゃ?」
ミク「博士...」
博士「なるほどな。猫を助けようとした男の子がエアカー轢かれたのか。」
ミク「お願い!あの男の子も助けたいの!」
博士「困ったのぉ。猫もかわいそうだし、うーん。えぇい!未来、両方とも助けるんじゃ。」
ミク「ラジャー!」
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西暦3017年6月8日07:38
渡「あー、遅刻確定だぁ。目覚まし何で鳴らないんだよ!」
ロボ助「鳴った。でも、渡が起きなかった。これで300回目。おめでとう。」
渡「祝うことじゃねー!」
???「そうよ。」
渡「だ、だれ?」
ミク「私はミク。君ね、いきなり猫を助けるために飛び出すなんてお人好しもいいとこ。」
渡「は?お前何言ってるの?」
ミク「私はね、2分後にあなたが車で轢きそうになる猫を助ける場面を見たの。」
渡「ロボ助、こいつどう思う?」
ロボ助「理解不能理解不能」
ミク「だーかーらー、私はね、タイムトラベルしたの。」
渡「タイムトラベルね。あー、って、犯罪者!!」
ミク「そうよ。犯罪者よー」
渡「時空警察に電話しないと!」
ミク「ターイム!落ち着きなさい。時空警察に捕まったらあなた死ぬわよ。」
渡「どうして?」
未来「あなたは、猫を助けようとして、猫と一緒に死ぬはずだったの。」
渡「それで?」
ミク「時空警察はね、元の時空に戻すのよ。つまり、あなたも猫も予定通り死ぬの。」
渡「オーマイガー!」
ミク「私に感謝しなさい。命の恩人なのよ。お礼の1つくらい言いなさいよ。」
渡「なるほどなぁ。ありがとう。」
猫「ニャーオ」
ミク「悪いけど、私たちは時空警察に追われているの。早くここから立ち去らないと。それでね、君が捕まったら、君の記憶を読まれて、時空に干渉したか調べられるの。」
渡「えー?じゃあ、捕まったら死ぬじゃん」
ミク「だから、私と一緒に来て。」
渡「うーん。死ぬのは嫌だし、分かった。で、どこに?」
ミク「どこでないわ。未来、1週間後によ。あ、そうだ。ちょっと待ってねメモメモ」
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ジーク探偵事務所
博士「ご苦労。」
渡「ここどこ!?え?タイムトラベルしたの俺?すげーぜ!」
博士「き、君は!」
ミク「博士、どうしたの?
博士「い、いや。君、名前は」
ミク「あ、名前聞いてなかったね」
渡「おれは常磐渡。で、こいつは相棒のロボ助」
ロボ助「ヘルパーロボットです。」
博士「(ま、まさか。そんなはずは。これも運命なのか。)」
ミク「博士?」
博士「あ、いや、渡君だね。君もお人好しがすぎるね。」
渡「よく分からないけど、俺猫を助けるために死ぬ予定みたいでしたね。でも、死ぬって言われてもきっとそうしたと思います。」
猫「ニャーオ」
博士「では、クライアントの元に」
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待合室
博士「お待たせしました。依頼の猫です。」
婦人「!!!あなたは!」
渡「ん?俺?どこかで会ったことありましたっけ?」
婦人「い、いえ。知人に似てた人ものですから。」
ミク「はい、猫ちゃんですよ。」
猫「ニャーーー‼」
ミク「何で怒っているの?」
婦人「その猫はあなたのもとを離れたくないようです。もしよければ引き取ってもらえませんか?」
ミク「え!いいんですかー!」
婦人「はい」
ミク「あなたはいいの?」
猫「ニャーオ」
ミク「よろしくね!」
博士「えーと、本当に宜しいのでしょうか?」
婦人「はい」
博士「では、これで依頼は完了ということで、お代をお願い致します。」
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ジーク探偵事務所外
婦人「(まさかあの少年は)」
婦人「もしもし、社長、例の件ですが、実は、」
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ジーク探偵事務所
渡「そういや、なんか忘れてる気がする」
ロボ助「学校」
渡「あ!やばっ!学校行かなきゃ!」
博士「何を言っているんだね。今ごろ君は行方不明で捜索されていることだろうに。外に出れば、時空警察に捕まり、死ぬぞい。」
渡「そっか。ってことは、家には」
博士「残念ながら戻れんのぉ」
渡「母さんと父さん今ごろ心配しているだろうなぁ。」
ミク「平気よ。」
渡「え?」
ミク「ロボ助、渡のお母さんとお父さんの様子わかる?」
ロボ助「ロボ美様、ロボ郎様、お父様とお母様のご様子は?」
モニター≪ロボ美「なんともありません。」ロボ郎「むしろ、喜んでいます」≫
渡「ガーン、ショック」
ミク「あのね、家にメモ置いたでしょ。あれにはね、『突然ですが、ネオニューヨークに留学しに行きます。暫く会えなくなりますが、心配しないでください。たまに電話します。』って書いたの」
ロボ助「全く勉強しない渡が勉強しはじめて、喜んでいたそうだ」
渡「なんか複雑」
ミク「まぁいいじゃないの!」
渡「たしかに!学校いかなくていいんだもんな!」
博士「ワシが授業をしてあげるぞい」
ミク「博士は私に授業してくれるのよ。渡も一緒に受けなさい。」
渡「い、いや。俺は頭いいから要らないよ」
ミク「うーん。それはなさそうね。」
猫「ニャー?」
ミク「猫ちゃんの名前何にする?」
渡「それなら、シュレディンガー!」
博士「君、猫につけるには不吉じゃないかい」
渡「シュレディンガーの猫って学校で習ったから。意味は分からないけど。」
ミク「ほら、勉強しなさい」
猫「ニャーオ」
渡「でも、気に入ったみたいだよ」
ミク「シュレディンガーでいいの?」
猫「ニャーオ」
渡「よし、これからみんなよろしく!」