魚群だ!魚群が!確変だー!
久しぶりのダンジョン探索の相手は、こういう敵でした。
愛妻からの予期せぬサプライズによる、スーパーカーのプレゼントにキズ一つ付けたくない為、アイテム魔法の属性付与で、車の骨組みと車表面を強化を行った。
クリスマスプレゼントのお返しに、何が欲しいか聞いたのだが、車自体がマンションのお返しだと言ったのだが、超高級とはいえ賃貸マンションの名義を貸してもらっている形で、実際には家族で共有しているようなものだと主張したのだが、桜からはやんわりと断られてしまった。
結局、俺自身が女性のセンスについて行けないので、母ちゃんズのアドバイスに従ってクリスマスと正月は、お泊り東京デートに連れていく事で話はついた。
桜もそうだが母ちゃんズは、本気で俺達の子供の顔を見たくて、気を使っている節があるのだが、こればっかりは授かり物の為、俺からは何とも言えなかった。
健康診断では俺達夫婦は二人とも健康で、いつ子供が授かってもおかしくないそうなので、俺よりも桜の方が積極的で、8月に入籍して以来ほぼ毎日のよう閨を共にしている。
俺の前では、昼は淑女で夜は雌豹と化する桜だが、大手新聞社が毎年恒例となった、その年話題になった人物でベスト9位に選ばれ、本名不詳のアイテムボックスマスターが1位に選ばれた。
俺は組合や国が個人情報の管理を極秘扱いしているお陰で、親戚が増えたり、変な宗教団体や政治団体からの寄付金の要求はなかったが、桜は元家族からの組合やマスコミへの桜の住所や電話番号を聞き出すための接触が行われていたのだが、組合は俺の妻である事と、元から家族でも個人情報を聞き出せない事を理由に、マスコミは桜の情報を何故か取得できない為、彼らが桜の現住所を入手する方法はなかった。
桜と楓さんは携帯の番号を変えていた為、彼らからの接触は今のところないが、表向き桜が住んでいると思われる桜名義のマンションには、偶にマスコミか探偵と思われる者が、付近にいる情報がある時はマンションには近づかない為、おそらく彼らから桜にコンタクトをとるのは、事実上不可能だと俺は思っている。
本日12月26日から28日の3日間は、午前中はいつものアイテムボックス作り、そして午後からは地下71階層から80階層のボスまでの強行軍を、連続して3日間パーティーで行うスケジュールになっている。
このエリアで得られる食材は俺のアイテムボックスにも大量にあり、日本では通常での食材での消費も多いが、ドロップアイテムでの食材を求める政界人や財界人が多い為、上位の探索者が率先して探索している。
しかし比較的ダンジョンでも深い位置であると共に、出てくる魔物の数に対してのドロップ率が豚肉・牛肉などの肉類に対して異常に少ない為、猫の手を借りたのかとうとう俺に依頼するまでになった。
「俺がこのエリアに来るのも久しぶりだな。
最近はフェニックスとミスリルドラゴンを討伐するだけだったから、このエリアでの勘を取り戻すのにゆっくり行きますか。」
「村田さんと、本格的にパーティーを組んでいただくのは今回が初めてですし、直に村田さんの戦闘が見られるのは、後衛の極みです。」
「大げさだな~、俺も皆さんのチームワークを見る事が出来て、実は嬉しかったりすんですよ。」
正直言って地下71階層から地下80階層にでる魔物は、小さい物は一体一体は弱いのだが、群れをなす数が半端じゃなく多く、初見でここへ来た時は範囲魔法の連発で、魔力がすぐに無くなり魔法が使えなくなった為、俺は地下1階層からやり直して地下61階層から70階層までのエリアで、マナポーションレベル5を、アイテム魔法の裏技を使って作成した程であった。
地下71階層からのダンジョンの通路は、それまでとは違って横幅も広く、高さも倍以上の高さになったが、敵の特性がそれまでにない物だった為、むしろ狭く感じる程であった。
このエリアの魔物の特長はこのダンジョンで初めて、ほぼ全ての魔物が飛行体である事、そして形状いや種類が独特で、このエリアは外では水の中に生息する生き物で、特に大海原に生息している者であった。
現在俺達がいる地下71階層ボス、それは広大なボス部屋を埋め尽くし、何十万匹の群れで一体の生物の如くに竜巻の様に空中を遊泳する、体長1メートル以上のイワシの魔物の群れがいた。
ここまでにレベルアップした探索者なら、直接攻撃なら確実に瞬殺できる個体だが、縦横無尽に攻め続けるこの難敵は、武器による攻撃よりも魔法による攻撃が有効的かつ安全に倒せる。
その為ここからは武器以外に魔法の腕が、勝利と探索のカギとなった。




