東京の夜景を見る時は、部屋を暗くして
マズイ、追いつけれてしまう。
現在9月10日の夕方です。
「と言う様な事あって、その勘違いした馬鹿な官僚がいたんだ。
幸いなことに俺の個人情報が、そいつに知られる前に知られる前に、俺とは別件で更迭されてそうだよ。」
俺を公務員と勘違いして、傍若無人で勝手に自爆した、エリート(?)官僚の事を可愛い我妻と母ちゃんズに事の顛末を話した。
長田さん達から聞いたのだが、勘違い野郎である渡辺の奴は本当は俺の事を知る立場になりかけていたのだが、俺自身が中学げのイジメや、旧職場でのパワハラで人を見下す人間を嫌っている事を知る、朝倉さんや護衛メンバーは、渡辺が俺の個人情報をしる事で起こる危険性を危惧していたらしい。
朝倉さんや渡辺の上司は、渡辺の父親である与党の大物、渡辺厚生大臣からの申し出を断り切れなくて、人事で次期ダンジョンの課長補佐にするつもりだったらしい。
俺が東京の霞が関に行かず、黒根山ダンジョンに指定したのは、俺が黒根山ダンジョンで活動していると誤解させる意味もあった。
もっと遠くのダンジョンを指定しても良かったのだが、時間の関係上、関東首都圏で最北端の黒根山ダンジョンを指定したのだ。
高速道路を使用すれば、面会の後に再び東京に戻っても、夜には到着すると判断したので、朝倉さん達も日帰りで帰れだろう。
「まあ、結果的に奴からすれば、俺自身が俺にパワハラした感じになってしまったけど、俺もこの先、奴の様なパワハラ野郎にならない様に気を付けよう。
俺としては奴は良い反面教師だったな。」
そんな俺の発言に桜は笑いながら、
「うん、要は非常識な事は控えろって事ね。
勇次郎君は、弱い立場の人の気持ちが分かっているから、私は大丈夫だと思います。」
楓さんは頷きながら、一口お茶を飲んでから、
「そうそう、全くその通り、どっかの誰かさんに勇次郎君の爪の垢を煎じて飲せてやりたいは。」
すると、お母ちゃんは思い出した様に、
「そう言えば勇次郎、
お前、アイテムボックスのお金はどうするんだい?」
「ああ、それなんだけど、交通遺児や家庭の事情で進学出来ない子たちの基金に、毎年少しずつでも寄付しようと思う。
他には難病を抱えた子供を持った子供の魔法薬治療基金とかだね。
実際、桜の様に生まれつき病気を抱えている子供もいるわけだし、本当は俺のスキル『治療』やアイテム魔法で治せば良いんだろうけど、俺も大事な家族が出来たし、俺がアイテムボックスマスターだと知られたら、どんな災いが起こるか分からないから、他の探索者に頑張ってもらいたいと思う。」
俺のアイテムボックスカードが探索者に普及してから、ドロップアイテムの相場が火口してきた為、低レベルのポーションならば手に届く価格で、一般の人でも買えるまでになった。
その他、ドロップアイテムの豚肉も数十万円の価格から徐々に低くなってきている。
勿論まだまだ、ドロップアイテムの総数その物に限界がある為に、一般人には手に届かない価格ではあるが、高収入の人達は、年に何回や月一で食べる様になってきた。
アイテムボックスカードの注文の内訳も、国内やダンジョン探索が進んでいる国からの注文は16Mを中心に32Mにシフトして気がする。
ただ、隣の某大国やK国、北T国の様な、未だに地下40階層ボスを倒していないで、低階層を中心に活動をしている国は、未だに4Mが中心で偶に8Mが注文がはいるくらいだった。
俺が収入の一部を国内の子供達の為に寄付する事に、母ちゃんズと桜は心から賛成してくれた。
俺は桜に以前、話してくれた元家族の事が気がかりだったので、桜、楓親子に聞いてみた。
「気を悪くしてしまうけど、オークションから彼らからの接触はない?大丈夫?」
二人は俺が聞きたい事に気が付いたのか、
「今のところ大丈夫よ。
でも、その内に勇次郎と結婚しているのかが、どこかの機会でばれてしまうかもね。」
「そうね、私も桜も携帯を契約しなおして番号を変えたけど、もしかすると私の友達がいくら事情を知っているからと言っても、誰かが話してしまうかもしれないわね。
いくら、私達とあの人達と関係を絶ったと言っても、血縁上は息子であり、桜にしたら弟でもあるわけだからね。
あの人達は、私達が何処かで野垂れ死になっても構わないって人達だから、知人も簡単には教えないでしゅうけど。」
俺は東京でオークションの時に、偶々VIPルームで目にしたパンフレットをアイテムボックスから取り出して、三人にパンフレットを見せた。
「実は対策で一つ考えたんだけど、これを桜名義で買うか、借りようと思うけど、どうだろう?
勿論、お金は全額全部、俺が払うけど、どうする?」
母ちゃんズと桜は、交互にパンフレットを見て顔を見合わせた。
代表して桜は俺に聞いて来た。
「勇次郎君、ちなみにどれを買う気?」
「桜がオークションで得た金額を考えれば、一番上がいいと思う。
この値段で借りたとしても、桜の資産だったら一生借りても問題ないし、それにセキュリティの面やメンテナンスもしっかりしている。
それと見て、この施設、凄いだろう!、
本当に此処を拠点にしても構わないけど、俺の意見としては此処はあくまでも、外のカモフラージュ用でいいと思っている。
そして一番の立地条件で気に入っているのは、ここ、住所を見て、どう?いい考えだと思うけど?」
「・・・実際の物件を見てからにしましょう。」
「悪くないわね。
でも勇次郎君、本当にいいの?
私がお金を出しても別に構わないけど。」
「じゃあ、決まりだね。」
俺達家族と護衛の8人は、八王子ダンジョンと東京を一望できる新築タワーマンションの住居エリア最上階の最高級の部屋に来ていた。
ワンフロアぶち抜きの、その物件は15LLDDKKのマンションで、一階にコンシュルジュと警備設備と管理設備があり通りに面した場所には、大手コンビニとイタリアンレストランのチェーン店がある。
地下駐車場には、その部屋に割り当てられた6台お駐車スペースがあり、駐車場の入り口にはICカードによる車の出入りがチェックされ、駐車場とマンション入り口にもICカードによるチェックと警備員とコンシュルジュによる管理、共有設備には防犯カメラが設置してある。
一般の住居とワンフロア住居の間のフロアには、住人専用のプールとスポーツジムとジャグジーやサウナがあり、フロアの片側に住人用の託児所が兼ね備えてあった。
俺が借りようとしている最高物件は、月の家賃が2000万円と購入に比べると割高ではあったが、全ての設備が無料の他、メンテナンスは定期的に行われ修繕費用も無料、前もって予約して置けば週一回のクリンネスも無料であった。
勿論、電気光熱費や水道代は別ではあったが、此処をカモフラージュにして置けば、桜と楓さんの元家族が此処を嗅ぎつけても、簡単には手が出せないと思った。
「まあ、別荘を購入したと思えば良いのかしらね。」
「でも、落ち着かないわね。
住めば都っていうけど、実際に便利そうだけど。」
母ちゃんズは、そう言っていたが、俺は桜に向かって言った。
「桜、コミケが近づいたら、此処で作品を書いても良いんじゃあない?
今度、本家の跡地に、事務所と桜の仕事場と防音のシアタールーム兼レコーディングルームを建てようと思うけど、普段はそっちをメインにして、こっちはコミケの前乗り用の仕事場にしたら?」
桜は俺の意見に賛同しながら小さい声で、母ちゃんズには聞こえない様に、
「そうね、普段は葛生の家の方が安心だし落ち着くは、
そ・れ・か・ら、ここなら夜景を見ながら愛し合えるわね♡」
おお!それは楽しみだ!コミケの前だけでなく、週末は是非ここで早速確かめてみよう♡
作者は夜は基本的に電気を点けて過ごす派です。




