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首都圏としての東京は世界最大って知ってた?

明後日の日曜日のオークションに朝早くから前乗りする為、金曜日は1日を掛けて、金曜、土曜、開けて月曜日分と念の為、多くアイテムボックスの製造を行う傍ら、長めのお昼休みの時間を使って、俺と桜は葛生市市役所へ婚姻届けを提出した。

用紙その物は母ちゃんズが、予め用意して置いたので、必要な項目を全て二人で書くだけだったので、楽とは言えば楽ではあったが、どうも二人に心と行動が先に読まれているような気がする。

いずれにしても、普通に考えれば二人とも40代とはいえ、お互いに初婚の若夫婦?が一組めでたく出来きあがった。

結婚式や披露宴はあとで決めるとして、あんちゃん夫婦に電話で報告すると、すでに母ちゃんズから連絡があったらしく、祝福の言葉とプロポーズから一週間と掛からずに入籍した事に、色々とからわかれたり、無粋な事を聞かれ始めたので、黙って電話を切った。

長田さん達の護衛パーティーには、ダンジョンの地上空間で婚姻届を提出する事を朝に話したので、その時に祝福の言葉を貰った、彼らは間違いなく俺達の雨の日の出来事を知っているはずだが、男性で二十台の高田さん以外のメンバーは、大人の対応をしてくれたが、高田さんは失言をしてチームリーダーの長田さんから、本気の鉄拳制裁を受けていた。

志田さんが高田さんの治療を魔法でする際、時間を眺めに置いてからかけたので、俺の留飲も少しは下がった。


名実ともに夫婦になった俺達は、予定通りに土曜日に前乗りをして、オークションに必要なオーダーメイドのブランド物の服を受け取り、前もって注文したアクセサリー物を確認して受け取った。

宝石を取り扱う有名貴金属店に、遅くなった婚約指輪と結婚指輪を注文するときに、俺がダンジョンで手に入れた、桜の拳大の透明なダイヤモンドの原石と、俺の拳二つ分のブルーダイヤモンドを使ってくれと頼んだのだが、この大きさのダイヤモンドを指輪にするのは、宝石加工職人の寿命を縮めるのでやめてくれと言われた。

仕方がないので、俺の人差し指と親指で輪を作る大きさのダイヤモンドを4個を渡して、それを使って指輪を作ってと頼んだ。

長田さんがそこで俺に貴重なアドバイスをした。


「村田さん、さっきの二つのダイヤモンドをオークションに出して下さい。

村田さんが今の大型ダイヤモンドを現物で持っていると知られたら、間違いなく海外から強盗が来ます。」


「そうなの?」


「はい、実は先程の大きさのダイヤモンドは、ドロップアイテムでもオークションに出されたのは世界でも数例で、村田さんが見せた大きさのダイヤモンドよりも一回り小さい物でした。

ダイヤモンドは割ってしまえば、行方を辿るのは困難になりますし、現物を店で見せてしまった事で、村田さんの情報が拡散されるおそれもあります。

幸いな事に、この店はダンジョン協会からの信頼と影響も大きいですし、協会から通達を受けて見たことを無かった事にする事もできます。

すでに中川が支配人に組合の意向を話しておきました。」


「分かった、ありがとうございます。」


「それから、前もって言ってくれますと、我々としては助かるんですけど、これからはよろしくお願いします。」


「す、すみませんでした。」


俺は長田さんに恐縮して謝り、バッグに入れるふりをしながら、アイテムボックスの中に収納した。



午後からは桜がオークションスタッフと打ち合わせを行い、早め夕飯をした後、みんなでカラオケボックスで小一時間程、桜の明日の為の練習の歌を聞いて過ごした。

一旦、八王子ダンジョンから自宅に戻っても良かったのだが、母ちゃんズとあんちゃん家が別の高級ホテルで前乗りで泊まり、珍しく贅沢をしているとの事だったので、俺達も予約していた有名高級ホテルのロイヤルスイートで泊まるにした事にした。


天井に向けたオレンジ色の間接照明しかない部屋から見た、午後9時前の東京の夜景は星の様に煌びやかで、遠くを走る車の小さなヘッドライトは蛍の様であった。

だが仰向けで寝ている俺の目には、間接照明で照らされた白い部屋の天井と、薄く目を開けて俺を見つめ、頬と全身をピンクに染め上げて妖艶な桜の姿が写っていた。


そしていよいよ8月23日日曜日、待ちに待ったオークションの日がやってきた。

会場で一週間ぶりに出会ったあんちゃん夫婦と姪っ子達と、毎日の様に会う我が家の離れと前の家に住む母ちゃんズは、普段と違う趣の服装とアクセサリーで身にまとい、俺と護衛の面々と組合が用意してくれた、ガラス越しに会場が見渡せ、備え付けの大型テレビではオークションの様子を見られる、防音が確保されたVIP席に着いた。

桜は会場入りで別室で着替え出番が終われば、この部屋で合流できる予定なので、俺としては自分で桜に頼んだ手前、寂しかったが我慢する事にした。


何だろう?前は一人でも苦にはならなかったが、桜と夫婦になったせいか、こういう時は、もう桜が隣にいないと落ち着かない気がする。

失敗したな~、桜と結婚すると予め分かっていたらVTRだけにして、桜を隣に置いてイチャイチャしたかったのに。



北関東に住む作者は、東京の夜は経験がありません。

大阪には旅行で経験しましたが、その時は残念ながら一人でした。


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