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アイドルにだって秘密はある。

意を決して好意を持った高値の花に「好きです」と告白するはずが、小学生の姪の横槍もとい援護射撃によって、一足飛びにプロポーズをした桜さんの思わぬ人生初のファーストキスでノックアウトしていまった。

桜さんの攻撃によって気絶はしなかったが、力が抜けてぶっ倒れてしまったが、なんとか自分で起きて皆と夕飯にありついたのだが、正直、その後の事は良く覚えていなっかった。

只、その意は精神的に疲れたので二階でシャワーで水を浴びて頭を冷やして、二階の寝室のベットに倒れこんだ。

改めてじっくり何を言ったのか考えてみた。

俺はプロポーズをした、そして、彼女は俺にキスをした。

しかも、人生初のファーストキス。

更に唇に残る感触と舌で感じた感触と唾液の味。

え~と、つまり、桜さんは俺のプロポーズを受けてくれたって事でいいんだよね?。

その夜は更けていったのだが、悶々とした俺の頭と体の火照りは鎮まる事なく、お盆明けの月曜日の朝を迎えてしまった。


朝4時に活動を開始して長め早朝の手入れと、早い朝飯を食べた後、とりあえず護衛の長田さん達をつれて、フェニックスとミスリルドラゴンを一人で討伐をして、ドロップアイテムを回収して戻った時はまだ、9時半くらいで終わってしまった。昼飯を食べ終わったら桜さんと改めて二人で話たいと思い、今日の作業は中止の事を、お母ちゃんと長田さん達は了承してくれた。


午後1時になると共に自宅前の畑と舗装された私道を挟んだ、自宅から50メートルの前の家に住む桜さんに会いに行くと、玄関で楓さんと出会った。


「勇次郎君、昨日はあの子にプロポーズしてくれて、ありがとう。」


昨日の事と昨日の失態を思い出した俺は顔を真っ赤になって


「いえいえ、実は俺、まだ夢じゃあないのかって、今でも半信半疑なんですよ。

だから、今日は桜さんと前向きで真剣に話をしたいと思って、桜さんに会いに来ました。」


楓さんは、ニッコリと微笑んで俺にお辞儀をした。


「娘の事をよろしくお願いします。勇次郎さん。」


楓さんは俺にそう言ってリビングに通した後、二人でゆっくり話なさいと言って、俺ん家に向かっていった。

リビングのソファーで待っていると、桜さんがキッチンからお茶と茶菓子をお盆にのせて、


「粗茶ですが、どうぞ、」


そういって向かい側のソファーに座った。

俺は緊張して震える手を抑えて、お茶を頂き改めて桜さんに


「昨日は醜態を見せてしまって、すみませんでした。」


昨日の事をお互いに思い出したのか、桜さんもほんのりと顔を赤くして、


「私の方もごめんなさい。

私も勇次郎さんの機能の言葉が嬉しくて、つい自分でも大胆な行動をとってしまったわ。」


お互いに気恥しく俯いてしまったが、昨日と同じく俺は改めて桜さんの顔を見て


「では、改めて桜さんに思いをぶつけます。俺と結婚してください。」


桜さんは赤い顔をしながら目に涙を浮かばせながら、自分も意をけっした養生を浮かべた。


「その前に勇次郎さんに、お話したい事があります。

実は私には秘密があります。

お母さんと加藤さん、志田さんは知っているんですが、勇次郎さんには知ってもらいたい事があります。

それを知ったうえで改めて私の事を思ってくださるのか、それを知ったうえで改めて返事をします。」


秘密、何だろう、楓さんの話だと彼女は遺伝性の早老症の為、結婚した事も性経験した事がないと、言ってたから隠し子がいるとかではないと思うが、

ハッ!、もしかして実は好きな人が実はいたとかでは・・?。

そんな事を考えていると、桜さんはおもむろに、


「論より証拠、実際に見て貰った方が早いでしょう。

私の部屋をお見せします。

どうぞ、こちらに。」


彼女の後をついて行くと、リビングから中廊下を歩いて手前南側に楓さんの部屋、更に家の西南の角部屋の桜さんの部屋に案内されて、部屋の中に入った。


桜さんの部屋は西の壁側の窓際にベッドと新品のタンスが置いてあり、壁を隔てて楓さんの部屋があるその壁際には、二つの大きな本棚とアパートからある桜さんの机があり、一つの本棚には多くの漫画本とラノベが並べられていて、もう一つには同人誌が並べられていた。

机の上には書きかけの漫画の現行用紙が置いてあり、その横には漫画を描くペンや定規などと、スリーントーンや各種小道具が置いてあった。

俺は桜さんが何の秘密があるのか分からないので、桜さんが話しかけてくるのを待った。

桜さんはおもむろに、もう分かったでしょと言う表情をしていたが、俺には全く分からなかった。


「あの~、桜さん、それで秘密ってなんですか?」


「えっ。」


桜さんは意外な風に感嘆な声を発したので、


「特に変な事はありませんけど?

部屋にあるのは、本棚に大量の漫画とラノベ、それと同人誌があって、机には漫画家が使う道具が一式と原稿があるだけ・・・、とりたてて、可笑しな所はありませんけど?」


桜さんは机の書きかけの原稿を両手で持って俺の前に見せた。

原稿にはイケメンキャラクターの二人の男が、片方がシャツを開けた状態でいて、もう一人のイケメンキャラクターがシャツをを開けたキャラクターの喉元にキスをしている場面が描かれていた。

一体、どこに不自然な事があるんだろう?

俺は原稿を見ながら、


「いわゆるBL漫画だよね。これがどうかしたの?」


桜さんは原稿をもった両手を下して、信じられないていう顔をしていた。


「私、漫画を描いているのよ。」


「うん、そうみたいだね、だから?」


「私、BL漫画を描いているのよ!」


「うん、見れば分かるけど、それを書いて同人誌にして、多分、コミケで売るんでしょう?」


「分かってるんだったら、なんで冷静なの?」


「えっ、どこか変な所があった?全然分からなかったけど?」


桜さんは机の中にあった別の原稿用紙を出して俺に見せた。

それには二人のイケメンキャラクターが、ベッドの上で営みをしている描写が描かれていて、その描写も成人向けの過激な描写で、R18指定は免れない原稿だったが、


「うわっ、凄い描写だね、BL好きの女の子って相変わらず、こういうの好きだよね。」


桜さんは少し涙目で怒ったような顔をして、


「勇次郎さん!私はこういう漫画を描くのが趣味なの、どうして軽蔑しないのよ!

あなた!ホモなの?ゲイなの?」


俺は慌てて桜さんの言葉を否定した。


「ご、誤解だよ!、俺は間違いなくノーマルだよ!、恋愛対象は男じゃあなく、女だよ!。」


「だったら、どうして?」


俺は頭をかきながら、


「実はさあ、俺が中学生の時、クラスメイトの何人かの女の子が、漫画同好会に所属していて、今でいうBL好きだったんだ。

ある日、その子たちが原稿を見せてくれたんだけど、それが桜さんの原稿の過激な方でさ、初めて見た時は引いたけど、その子たちは普通にBLの話を話していたし、休み時間に机で原稿を堂々と描いていたんだ。

その内、俺のクラスでは、それが彼女達の普通だったし、後は自然と性の知識も耳に入ってきちゃうんだよね。

勿論、BLに興味を持たない女の子たちからは不評だったけど、何を言っても、どんなに忠告したも聞かなかったんで、そういう物だと認識したんだよね・・。

ねえ、桜さんは俺と付き合っても、そういう事を俺に強制したりしないよね?」


桜さんは少し怒った顔をして、


「当たり前でしょう!」


俺は桜さんの答えで確信した。


「つまり、桜さんは妄想と現実を切り離して使い分けているんでしょう?

だったら、特に問題はなんじゃあないの?」


桜さんは俺のTシャツを掴んで、顔をうずめて泣き出してしまった。

俺は桜さんの気持ちがやっと理解出来た気がする。

そうか、桜さんも自分の趣味が俺にばれて嫌いになったり、軽蔑されてしまうのに臆病になっていたんだと気が付いた。

全く俺は相変わらず鈍いな~。

桜さんを連れて部屋を出てリビングのソファーに座らせて、俺は改めて聞いた。


「桜さん!俺と結婚してください!」


桜さんは俺が昔から知っている笑顔で答えてくれた。


「こちらこそ、末永くよろしくお願いします。」


俺は玄関から彼女の手を握って庭に連れ出して、桜さんの家の北側にある俺の家が見える位置に移動して、

桜さんを隣において家の方で、昨晩と同じく息をひそめて、隠れているつもりでいる母親ズに、両手で頭の上でマルの合図をした。








実際に作者の中学時代のクラスメイトには、こんな子がいて知りたい事や知りたくなかった事まで、知識と漫画で耳年増にクラスの全員がなったのを覚えています。

1980年代の中学、高校ってこんな感じだと思ったら、社会人になって初めて俺のクラスは特殊だったと思いました。

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