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アイテムボックスマスターのアルバイトは全国行脚

貯金残高が1兆円を超えたあたりで、ようやく作り置きした分のストックが切れても、アイテムボックスの発注数量は未だに大量に上がってくるが、俺もこれ以上に無理に追いかける必要が無いと判断して為、完全予約制の注文も、推定5年先の生産分の予約の受付は一杯である。

アイテムボックスの値段は高級自動車並に高い為、原則一括払いが原則だが、お金を持っていない国での販売に関しては一部ローンでの支払いにはしているのだが、国は俺に対しては一括払いをしてくれている為、国の帳簿上の表記では、それらは売掛で計上されているはずだ。


今後の俺の予定だが、、いくら発注が滞っても催促の連絡があっても、自分で設定した公休日は守り続けるし、これからは私事最優先でスケジュールを埋めて、アイテムボックスカードの製作をしていくつもりだ。


そんな中、何故か隣国のK国の財閥から、正体不明のアイテムボックス製作者つまり俺に対して、K国の地方裁判所に特許を侵害していると訴訟を起こされた。

その内容だが、半年程前にドロップしたユニークアイテムのアイテムボックスを高額を払って所有しているK国の財閥は、アイテム解析を使ってユニークアイテムの材料と付与された属性を、K国の特許庁に出願した特許を俺が侵害していると言う内容だった。

当然の事だが俺が法廷に出るわけもなく、全て国が依頼した弁護士に一任した。

言っていることが無茶苦茶の言いがかりも甚だしいが、俺が間違いなく勝訴するだろうと、朝倉さんが長田さんを経由して連絡してくれた。


そろそろ、若返り薬のオークションの準備をしようと思っていた頃、ダンジョン組合から意外な発注が俺にしてきた。


「ミスリル合金を俺に大量発注ですか?」


護衛責任者兼連絡役である長田さんから、組合からの指名依頼の内容は、俺にとっては以外な事だった。


「はい、実は以前から研究されていた、魔石発電に関して実用化のめどが経ったそうです。

その中身ですが、どうやらミスリルを炉心内部にコーディングする以外に、炉心をつくる際の材料となる鋼材にもミスリルが必要だと分かりました。」


「それで俺に依頼ですか?でも今はアイテムボックスが普及して、ミスリルだって確保できているんじゃあないんですか?」


長田さんは首を大きく振って、俺の意見を否定した。


「残念ながらドロップしただけのミスリルでは、全然たりません。

ただでさえドロップ率の低い銀の中で0.1%しかドロップしないのです。」


ここで俺はふと思い出した。


「他のアイテム魔法使いで『属性付与』が使える人に頼んだらどうです?」


長田さんは更に溜息をつきながら、俺の言葉を否定した。


「それが、『属性付与』でミスリルやエルドラに変化させる事が出来るアイテム魔法の使い手は、残念ながら村田さんしかいないのです。」


俺は長田さんの意外な言葉に絶句した。


「それって、おかしくありませんか?、だって、『属性付与』で作れないなんて、そんな事おかしいでよ、俺はスキルを身に着けて、わりと早く変化させる事ができましたよ。」


「そこでお聞きしますが、その時の村田さんのレベルは幾つでした?」


俺は記憶を手繰り寄せながら


「え~と、手に入れたのは大カマキリ戦のときだから、地下69階層の時だから大体レベル200位だね。」


「なるほど、もしかするとレベル200を超えないと、ミスリルを作る事は出来ないかもしれないと言う事でしょうね。」


「・・・そんな事ってあるの?」


「ありえます。攻撃魔法法レベル5はスクロールで身に着けても、知識では分かっているのにレベル110を超えないと使えませんでしたから、それに他のアイテム魔法の使い手の方々のレベルは未だ100はおろか60にすら到達していませんから、実際には他にも原因があるかもしれません。」


「う~ん、完全に当てが外れたか。

仕方がない、引き受けるよ、それで納入する量と納入期限はどれくらい?」


長田さんは顔を曇らせて言いずらそうに、


「実は・・・・・。」





全く人使いの荒いブラックな組合だぜ、なんだよ、あの量と締め切り日は!

俺は長田さんと全国のダンジョンを廻り、そのダンジョンで待機していた地下100階層経験者と合流して、地下100階層のミスリルドラゴンを一人で倒して、ひたすら、ドロップアイテムの回収をして回った、1日で平均10か所を約2週間かけて日本全国のダンジョンを制覇していった。

同じ所で同じダンジョンのミスリルドラゴンを倒しても良かったのだが、ついでとばかりに全国のダンジョン巡りをお願いしたところ、あっさりと申請が受理された。

これからは全国のダンジョンをセーブポイントを使って、行き来できる様になったので、日本各地の各地の観光巡りが日帰りで出来るようになったぜ。

でもダンジョンの出入りでのログチェックのせいで、使うには組合への事前申請と許可が必要になったので自由にとはいかないけどね。


国が俺に依頼したのはミスリルのドロップ率の悪さだけでなく、納入代金がドロップしたミスリルより圧倒的に安く仕入れる事にもある。

俺が納入しているミスリルの代金の内訳は、ドロップした銀と使用した魔素に相当する魔石に俺の手間賃で国は支払っている。

この値段は普通にミスリルを仕入れた金額の約4割ほどで済むため、組合が相場と見比べて計算して支払っている。

魔石発電に必要な分と修繕や予備の為のミスリルを納品する為、俺はセーブポイントによる全国行脚がようやく終わり、アイテム魔法でミスリルとミスリル合金を2日掛けて作成して、八王子ダンジョンの地下100階層で八王子ダンジョン専用アイテムボックスに積み替えて納品した。

その数日後に振り込まれた金額を見て、スーパーに勤めていた頃の給料明細書を見比べて溜息を吐いた。


無事にミスリルとミスリル合金を納品した数日後、テレビとネットニュースで、日本が世界で初めて魔石発電の実用化と魔石発電所の建設の計画が発表がされた。


それから数日後、俺はアイテムボックスカードの納品が滞ってはいるが、オークションの準備をする為、かねてから会いたいと思っていた、ある人物に会いに県庁所在地の宇宮市に、護衛の人達と共に向かった。





作中の魔石発電はミスリルを作れる勇次郎がいるからこそ、日本は世界に先駆けて実用化が可能となりました。

さてさて、その報酬はおいくらなのでしょう?

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