息子は幾つになっても息子は息子
ダンジョンに潜ろう。でも親には、ちゃんと納得してもらわないとね。
「だから大平山ダンジョンが、開放されたら探索者として登録して、家のダンジョンを攻略するから。」
「でも外国では、死んだ人だっているんでしょ。」
「いきなり深くは、探索しないし、他のダンジョンと、攻略を競争するつもりはないよ。」
「それに鬱病が再発したら、どうするの?」
「それも考えてある。朝8時から夕方4時まで探索して、週に2日は、休みを取って潜らない。毎日7時間の睡眠時間をとる。」
「それになんで、大平山ダンジョンじゃあなくて、裏のダンジョンなの?」
「大平山ダンジョンは、多分、裏のダンジョンの100倍位、広いと思うよ。なにせ外側だけでも、1辺の長さが、裏のダンジョンの10倍の長さがあるからね。報道のデータが正しければ、裏のダンジョンは、1辺の長さが、500メートルから600メートルのほぼ正方形の構造だからね。大平山ダンジョンは、大体1辺10倍の5キロメートル以上あるんだよ。」
「俺は、一人で攻略するつもりだから、裏のダンジョンの方が、気が楽なんだよ。」
「それに作戦があるからね。多分この方法は、一人で、しかも裏山のダンジョンだからこそ都合が良いのさ。」
「?、・・・まあ、あんたの事だから安全第一なんだろうけど。でも夕方6時になっても戻らなかったら、警察に救助をもとめるからね。」
「ありがと、お母ちゃん、心配かけさせて悪いね。一人じゃあ無理だと判断したら、素直に大平山ダンジョンの浅い階層で、がんばるからさ。」
親の理解は得た。
でも、お役所仕事は時間がかかるのです。だって人の命も大切だし、経済の立て直しに、時間は限られてるしね。