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気がつけば国家貢献が半端ではなかった。

自分のレベルがチートだった事に気づいた、いや気づかされても俺の日常は相変わらずだが、国内のダンジョン分のアイテムボックスカードが徐々に売れてきた。

当初は4Mが物珍しさで売れていたが、徐々に大きい容量の8M、16Mが主流になりつつある。

組合は発売当初はカードのレンタルを主流に希望していて、むしろ販売には難色を示していたが、俺はあくまでも買取のみでの販売でしか、製作しない事を主張した結果、組合の方が折れる形で落ち着いた。

組合が買い取る人の身元を確認して販売する為、一人または一グループで複数個注文しても、表向き作れる数が制限している為、そう言った注文には丁寧にお断りしている。

現在、俺が1日で受注しているアイテムボックスカードは、材料の関係で最大で一万個で受けている、それでも自動車を作るペースと比較すれば、決して少ないとはいえないと思う。


国内だけでなく海外での注文も増えてきて、俺のカードの製作も売り上げも右肩上がりだが、水曜、日曜、祝日は完全公休日は相変わらずで、1日の就業時間も8時から4時も未だに守り続けていた。


以前から俺が進めていた近所の家屋・土地の買収は予想以上に順調にすすんで、集落の入り口に住んでいるおばあさんの家を除いて、全て買い取る事に成功した。

山を三方に囲まれた場所だったし、家屋や土地の持ち主も固定資産税や管理に困っていた事、俺が市場評価価格に色をつけたのも大きかったみたいだった。


集落の入り口の近い2件の家と、一番奥の大平山ダンジョンに続く道に近い2件は家は、リフォームしてタダ同然の格安価格で組合に貸し出して、護衛の人がホームシェアーで住んでもらっている。

この家なら我が家に近づく人の監視や、万が一の時にも対処しやすいので、俺はともかくお母ちゃんの身の安全が心配だったので、ひとまず安心できた。

その他の家は取り壊すと土地の評価額が6倍になって、固定資産税が上がるので壊せない為、我が家の前の空き家以外はそのまま放置して、前の空き家はリフォームをして予備として管理する事にした。

そんな日常が続いた、ある火曜日の昼休み八王子ダンジョンから、わが家に朝倉さんが珍しくやってきた。


「え?いくらですって?」


「はい、初めて1000億円の大台で、村田さんの口座に本日振り込ませていただきました。」


「・・・うん、そうなるかもと思っていたけど、とうとう1000億円の大台になったかー。」


「はい、我々も正直言って戸惑っています。今日の振込分は、あくまでも先週の火曜日1日分の、製作販売分の村田さんの報酬金額です。

当然の事ですが、税金の他、諸経費は支払い済の為、純粋に村田さんが自由に使える金額となります。」


「伝票で見ると、その後の木、金、土、月、そして今日の分は、だんだん大きいのが増えているから、1日当たり1000億は確実、詳細を計算すると1500億にも届くかも・・」


余りの金額の大きさに俺だけでなく、お母ちゃんや長田さんたちも目を大きくして驚いていた。


「それで、朝倉さんは俺に何の用なんですか?

まさか、もっと、安くしてくれと来たんじゃあないですよね?」


大きく首を振りながら、朝倉さんは言いにくそうな表情で


「いえ、村田さんが破格に安く出荷して頂いて、なお、値引きしないで販売させて頂いているおかげで、ダンジョン省には単純に火曜日分だけでも、9000億の収入が入っています、諸経費を差し引いても国庫に入る金額は大黒字です。」


「では、どういった要件です。」


溜息をつきながら、苦虫をかんだような顔をして、


「議員先生の中に国債の減債だけでは、勿体ないなどと仰る方がいるのです。

官僚の中には収入が増えるのだったら、給料を増やせと言う者も出てきました。」


「なるほど、でも俺は断固その意見には反対しますよ、現在の国の負債1000兆円を減らして、将来の不安を取り除くのが最優先です。

俺は表舞台に出られないし、出るつもりもありませんが、俺がアイテムボックスカードで得られる、国の収益は限定的な物ですし、元々、最初から、ない物と扱ってくれと俺は初めに言いましたよね。」


「おっしゃる通りです。実際、村田さんの意見を尊重して理解してくれる先生や官僚の方が多いのも事実です。

これから村田さんの作るアイテムボックスカードは、わが国の負債の減債にどれほど貢献してくださるか分かりませんが、間違いなく数00兆円の減債が期待されています。

更にアイテムボックスカードによって、ダンジョン内部の輸送にも効率が良くなった為、現在、わが国のダンジョン特需は右肩上がりです。

一体それだけでも、どれだけ村田さんが貢献しているか、彼らには分かっていないんですよ。」


「・・朝倉さん、彼らには俺が、そんなことを言うのなら、『販売価格据え置きで出荷額を5倍にします』と言ってください。

それと、できれば今後、俺との連絡には護衛の方を通してもらったほうが、俺の個人情報の流出を防ぐ意味でもよろしいかと思います。」


「はい、実は今日は、その事もあって、直接お会いしたかったのです。

おそらく、私がこうして村田さんと頻繁に、お会いしてお話するのは、これが最後になるかもしれません。

ダンジョン関係で村田さんに係わる公務員は護衛が基本となります。」


「え、そうなんですか?」


朝倉さんは頷きながら、


「ええ、次にお会いするのは、例のオークションになると思います。

それと、それに関係して村田さんに頼まれて、探していた方が見つかりました。」


「本当ですか?」


「はい、これが現住所と電話番号です。

ですが村田さん、もしかすると、この方に会うのは難しいかもしれませんよ、

その、言いずらいのですが、あれから、色々とご家族とトラブルが、あったみたいですから、あまりご本人には期待しないでやってください」


俺は朝倉さんから、住所と電話番号が掛かれた紙を受け取り、書いてある物に目を通しながら、


「構いません、それでも、俺は会いたいと思ってます。」


俺はある種の期待勘と高揚感を感じていた。



会話が増えると、キーボードを打つスピードが遅くなるのは、気のせいでしょうか?

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